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第90回全国高校サッカー選手権大会 レポートコラム

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トーナメント表
大会概要
2012/1/1

第90回全国高校サッカー選手権大会 1回戦 新潟西-鹿児島城西

浅田真樹(フリーライター) 取材・文

11年12月31日(土)/14:10キックオフ/東京都・駒沢陸上競技場/観客6391人/試合時間80分+PK戦

新潟西
0-0
1-1
PK
4-2
鹿児島城西
山川(後半16分) 得点者 松尾(後半27分)

立ち上がりから一方的に鹿児島城西が攻め込み、何度となく決定機を作り出す。しかし、鹿児島城西がチャンスを生かせずにいると、後半16分、カウンターから⑩山川翔也が決め、それまで劣勢だった新潟西が先制した。わずかなスキをつかれて先制された鹿児島城西だったが、後半27分、⑩松尾純也がFKを直接決めて同点に追いつくも、最後まで決勝点は奪うことができないまま、80分間の試合時間が終了。PK戦にもつれこんだ熱戦は、GK①山本健太郎が2本を止めた新潟西が4-2で鹿児島城西を振り切り、2回戦進出を決めた。

ゴールが遠い鹿児島城西
新潟西の粘り強い守備に屈す

 一方的、と表現してまったく差し支えないだろう。80分を通して相手ゴールにより多く迫ったのは鹿児島城西であり、何度なく決定機も作り出した。シュート数は実に鹿児島城西の31本に対し、新潟西は8本。CK数にしても15本対1本だ。

 鹿児島城西は、⑨薗田卓馬、⑪栫健悟にシンプルにロングボールを入れ、落としたボールを中盤が前を向いて受けるという得意の形で、立ち上がりから新潟西陣内に攻め込んだ。特に有効だったのは、DFラインからでも中盤からでも2トップへ入れる浮き球の縦パス。足元ではなく胸でトラップされるため、背負われたDFは文字通り手も足も出ない。2トップが巧みなポストプレーで中盤を生かした。

 クリア気味の少々アバウトなボールであっても、2トップがしっかりと収めてつないでくれるとあって、鹿児島城西は中盤の選手が次々にシュートチャンスを得た。前半12分には⑥前屋直志が、前半15分には⑩松尾純也が強烈なミドルシュート。鹿児島城西が繰り出す分厚い攻撃の前に、新潟西が失点するのは時間の問題かに思われた。

 しかし、これをきっかけに新潟西の守備が”ノッってしまう”のだから、サッカーは怖い。ゴール右隅を襲った⑩松尾のシュートをはじき出した新潟西GK①山本健太郎は「いいミドルシュートを止められて、乗ることができた」と振り返る。これをきっかけに、①山本は好セーブを連発した。

 ①山本だけではない。CBの②高山将斗、⑤加藤裕之を中心に、DF陣も再三体を張った守備を見せた。ひとりがシュートブロックに飛び込んでキックフェイントでかわされたとしても、必ずふたり目が戻ってきてボールに寄せる。記録上31本ものシュートを浴びたとはいえ、DFがしっかり足を出したことで打ち切れなかったり、コースを限定されたためにシュートがGK正面に飛んだりというシーンは非常に多かった。新潟西が集中力を切らすことなく、粘り強い守備を続けた結果だ。

 そんな新潟西の粘りが実ったのは、後半16分。クリア気味のロングフィードを前線で受けた⑩山川翔也がDFを背負いながらもキープし、左サイドを上がってきた⑨岡村洋也につなぐ。前半から切れのいいドリブル突破で数少ない攻撃機会をチャンスにつなげてきた⑨岡村は、ここでも緩から急のステップで左サイドを突破し、ゴール前へ正確なクロス。フリーでゴール前につめていた⑩山川が落ち着いて頭で合わせ、貴重な先制点を奪った。

 劣勢の試合で、まさにワンチャンスを生かした新潟西。だが、試合はこのままでは終わらなかった。鹿児島城西は前線へのロングボールを⑨薗田が粘って⑪栫につなぐと、対応が遅れた新潟西ディフェンスが⑪栫を後ろから倒してしまう。後半27分、ペナルティアークの3mほど外側で得た、ゴール正面のFK。⑩松尾純也が右足で蹴ったボールは柔らかく壁の上を越え、ゴール右隅に吸い込まれた。

 これで息を吹き返した鹿児島城西は再び、怒涛の勢いで新潟西ゴールに迫る。とりわけ脅威となっていたのが、長身CBコンビの③熊谷翼と④中村和樹をゴール前に上げるセットプレー。これにヘディングの強い⑤坂本覺も加わり、迫力の空中戦を展開した。それでも、「同点に追いつき、押せ押せでもう1点取れればよかったが、セットプレーでも取れなかった」(鹿児島城西・小久保悟監督)。一方、数少ないチャンスを生かしたい新潟西も終了間際の後半40+2分、再び左サイドからの⑨岡村のクロスに、フリーでゴール前に飛び込んだ⑮本間巧がヘディングで合わせたが、シュートはゴール右にそれた。

 結局、両校とも決勝点が奪えないまま、試合終了となり、決着はPK戦へ。80分間を通して当たりまくっていた新潟西GK①山本が「1本目は思い切りいこうと思ったら、それがたまたま当たった」と、FKを決められている⑩松尾のシュートをセーブすると、さらに4本目も⑪栫のシュートをきれいにキャッチ。対して、新潟西は5人中4人がゴールネットを揺らし、2回戦進出を決めた。

 終始劣勢に立つという試合展開になったことで、鹿児島城西の拙攻に助けられた印象もある新潟西の勝利。しかし、鹿児島城西の攻撃は、間違いなく高校生レベルとしてはかなり高い水準にあった。それを考えれば、新潟西の粘り強い守備は称賛に値するものだった。


(監督・選手コメント)
新潟西・成海優監督
もう少しSBが押し上げて、3人くらいで攻めたかったが、個人で打開するしかなく厳しい戦いだった。立ち上がりは消極的になって、球際の争いを嫌がって下がってしまい、ルーズボールを拾われた。だが、前半の終わりくらいから相手のプレスが緩み、ボールを回せるようになっていたので、後半もどこかでチャンスがあると思っていた。GKを中心にDFラインがよく頑張った。PKは「いつも通りやろうよ」と声をかけた。

新潟西・⑩山川翔也
立ち上がりはかなり押されていたが、監督から「FWなんだから、下がらずに前線で我慢しろ」と言われていた。それでもイライラして(ボールを受けに)下がることもあったけど、絶対にチャンスが来ると思って待っていた。クロスから中で勝負しようと思っていたので、(ゴールは)狙い通り。うちは押される試合が多いので、こういう展開は慣れている。今までも速攻から決めているし、今日もそれがうまくはまった。

新潟西・①山本健太郎
監督からPKは「1本目は思ったところに思い切って跳べ。2本目以降はコースを見て跳べ」と言われていた。2本も止めたのは、中学のとき以来。(チームメイトの)みんなはそのときのことを知らないから、「別人かと思ったよ」と言われた。最初にいいミドルシュートを止められて、乗ることができた。いつも以上に当たっていたと思う。正直、危ないと思った場面もあってけど、DFが頑張って足で止めてくれて感謝している。

鹿児島城西・小久保悟監督
粘り強いディフェンスにやられた。攻めているように見えて、新潟西のリズムになっていたのかもしれない。足を滑らせたり、しっかりボールを捉えられなかったり、ゴール前のミスで決定機を生かせなかった。CFに当てて中盤に落とすという、そこまでの攻撃はできていたが、問題はつめのところ。相手の2トップのカウンターに注意しながら攻めようと思っていたが、一発で決定的な仕事ができるCFと、うちのCFとの差が出た。

鹿児島城西・⑩松尾純也
しっかり攻めないと、ああいう形で失点してしまう。決めるところを決められなかった。前半に1点でも入っていれば、後半もいい形で入れたと思うけど、後半にもチャンスはあったことを考えれば、結局はそれを決められなかったのが敗因。(同点ゴールの)FKは(味方の選手が)壁に入ってGKにボールが見えないようにして、コースを狙った。

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