11年1月8日(土)/14:25キックオフ/東京都・国立競技場/観客20221人/試合時間90分+PK戦 |
| 前半は、滝川第二がゴール前のチャンスを多く作りながらゴールを奪えないという内容。後半も滝川第二が同じようにチャンスを作ったが、立正大淞南もカウンターから決定機をいくつか作り、勝負を決められる場面が何度かあった。しかし、両者得点を決められないまま90分が終了し、PK戦へ。こちらも9人目までもつれる大接戦となったが、最後は後攻の立正大淞南の9人目が外し、滝川第二が決勝へ進出を決めた。 |
勝利の女神があっちへこっちへ……
最後は滝川第二の元へ転がる |
お互いに持ち味を出しながらも、なかなか勝負を決するゴールを決められなかったという内容。PK戦でもその流れは変わらず、ここで決めれば勝利という場面をお互いに1度ずつ失敗した末の決着。どっちが決勝に行ってもおかしくない感じだった。
前半はざっくりといえば、「何も起こらなかった」という展開だが、滝川第二のほうにゴール前のシーンが多かった。
6分、左⑭濱田量也のCKからファーサイドで④土師直大がヘディングシュート。18分、右からの⑭濱田のクロスをファーサイドで⑩樋口寛規が頭で落とし、中央で受けた⑮香川勇気がシュート。37分には、左⑪浜口孝太からのクロスを、⑩樋口が頭で合わせるシーンがあった。だが、いずれも立正大淞南GK⑳三山大輝の落ち着いたセーブがあり、ゴールは割れなかった。
一方、前半ほとんどチャンスを作れなかった立正大淞南は、後半7分に⑪福島孝男を右MFに入れて布陣変更。トップ下に右サイドから⑰加藤大樹を持ってきて、FW⑭池田拓生と組ませた。今季何度かやってきたポジションチェンジのパターンで打開を図る。
今大会好調の⑰加藤にボールが入ると、⑰加藤はすっと前を向き、攻撃のスピードがグンと上がる。立正大淞南にチャンスが生まれ始めた。
滝川第二も攻撃の手を緩めなかった。後ろからのロングボールや、両サイドからのクロスを積極的に入れていく。滝川第二の2トップ⑩樋口と⑪浜口は共に身長170センチそこそこと上背はないが、当たりに強くて、小回りが利く。日本代表の岡崎慎司を見ても分かるように、滝川第二は毎年この手のパンチのあるFWを起用してくる。彼らが前線をかき回すことで、立正大淞南DFはゴール前に入ってくるボールを跳ね返すのがやっとだった。
滝川第二はそのセカンドボールを拾って、チャンスも作った。相手の⑰加藤のケアを考えるかとも思ったが、アンカーの⑦谷口智紀などはより積極的に前に出ていくことを選択。18分と20分には共にミドルシュートを打つチャンスがあったが、1本はゴール右ポストを叩き、1本は大きく上にフカしてしまった。
最大のチャンス33分だったか。左サイドを⑨本城信晴がドリブル突破してクロス。トラップで左に敵をかわした⑩樋口が左足を振り抜いたが……シュートはGK正面を突き、はじかれた。
そんな滝川第二に攻め疲れが見られた終盤。今度は立正大淞南にビッグチャンスが訪れた。41分⑰加藤のスルーパスに反応した⑲小田悠太が左からクロス。ゴール正面で⑭池田がフリーでヘディングシュートを放ったが、叩けずにゴール上へ外してしまう。
そして43分。今度は⑭池田のスルーパスに抜けた、⑰加藤がGKと1対1に。⑰加藤はうまくGKを左にかわしたが、その後すぐに打った左足シュートを何とゴール左へ外してしまった。
PK戦。先行の滝川第二が丁寧にコースを突いて決めていくのに対し、後攻の立正大淞南はおなじみとなった「時間をかけるPK」。笛が鳴っても深呼吸をするなどで、助走をスタートするまでたっぷりと時間をかけ、助走もゆっくりめでGKの様子をよく見ながら決めていく。
しかし、立正大淞南は4人目の⑲小田がゴール左上に外してしまい、滝川第二は5人目の④土師が決めれば勝利という状況。ところがこれを止められてしまい、立正大淞南は5人目⑤中村謙吾が決めて、サドンデスへ。
今度は滝川第二の7人目⑬白岩涼が左ポストに当てて、立正大淞南に勝利のチャンスが来たが、⑩稲葉修土のシュートは止められてしまう。そして、9人目。立正大淞南は③椎屋翼がゴール左へ外してしまい、勝負が決したのだった。
滝川第二は準決勝4回目の挑戦で、ようやく決勝へ進むことができた。「久御山は非常にテクニックがあり、何をするかわからない、関西弁でいう“ややこしいチーム”という印象。こっちも必死に止めないとボールを取れないだろう」(栫裕保監督)。久御山のテクニックとパスワークに粘り強く対応できるかがポイントになりそうだ。監督も自信を持つチームワークで、初優勝を勝ち取ることができるだろうか。
(選手・監督コメント)
滝川第二・栫裕保監督
お互いにチャンスを決められず0-0になりましたが、前半は内容もよくのびのびできたが、後半は決勝に向けてということで気持ちが硬くなりました。インターハイの決勝でも1点リードした後に同じ状況になりました。両チームディフェンスの頑張りが目立つ試合でした。PK戦はどちらが勝ってもおかしくない中、精一杯蹴り込んだ選手たちをほめたいと思います。
滝川第二・⑳下出晃輔
PK戦は得意ではないけれど、「よっしゃ!」と思いました。スタッフの方がビデオ分析をしていてくれたので、PKになったときはこっちが有利かなと。5人中1本止めればいい。あとはみんなが決めてくれると。不思議と負ける気はしなかったです。GKは1つ上も2つ上の世代も、交互に試合に出ていて、どちらが出ても大丈夫というのがチームにはあると思います。
滝川第二・⑩樋口寛規
国立は独特の雰囲気で、チームは硬かったと思います。1試合戦って国立の雰囲気に慣れたので、次は大丈夫だと思います。ここまで来たらあと1つ勝ちたい。(得点王のチャンスがあるが)まずはチームが優勝することがいちばん。悔いの残らないように戦いたい。
滝川第二・⑪浜口孝太
チームとしても内容がよくなく、個人としても内容がよくなかったので、代えられました。悔しかったです。ただ、体を張る地味な仕事はさぼらずにできたと思います。今日はみんなに助けられました。
立正大淞南・南健司監督
本当に選手はよくやってくれたと思います。目の前で(決勝を)逃したのは大きかったですが、学校全体で戦うことができ、次へのスタートになりました。18年前に教員になったときから、ドリブル突破とワンツーにはこだわってやってきました。後半はよかったと思います。ただもっと中盤で手をかけないと安定したゲームはできない。今のやり方にこだわりながら、もう少し上を目指したいです。
立正大淞南・⑰加藤大樹
自分がいちばんシュートがへたくそだと、改めて思いました。この仲間とスタッフで国立でプレーできたのが幸せでした。点を取って勝とうと思っていましたが、それができなくて残念です。3年間は苦しくて、辛い時期もありましたが、楽しかったことが多かったです。
立正大淞南・⑭池田拓生
体力には自信があったので、最後まで走り切れました。最後は決まったと思ったけど、仕方ないです。PK戦も仕方ないです。前半は思った以上に硬くなって引いてしまいましたが、後半は点を取る自信があったし、自分たちのサッカーを見せることはできました。いい経験になりました。
立正大淞南・⑳三山大輝
PK戦にプレッシャーは感じませんでした。前の西武台戦でもPK戦をやっているので、自然体で臨めました。力を出せたので後悔はしていません。滝川第二には全国制覇をしてほしい。 |