11年1月10日(月・祝)/14:05キックオフ/東京都・国立競技場/観客35687人/試合時間90分 |
| 滝川第二 |
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久御山 |
浜口(前半23分)
樋口(前半39分)
本城(後半8分)
浜口(後半13分)
樋口(後半45+4分) |
得点者 |
林(後半11分)
安川(後半38分)
坂本(後半40分) |
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| 前半、23分に⑪浜口、39分に⑩樋口と、今大会好調の自慢の2トップのゴールで、滝川第二がリード。後半8分にも⑨本城が加点して3-0と、滝川第二の楽勝かと思われた。しかし久御山は11分に23林が押し込んで反撃開始。直後に4点目を喫したが、38分⑪林、40分⑩坂本が立て続けに得点して4-3、1点差とした。ロスタイム、滝川第二は⑩樋口が自身2点目のゴールを決めて、スリリングな決勝戦に幕を下ろした。 |
チームとして得点を奪う技術を身につけた滝川第二
「4度目の正直」で一気に頂点へ |
準決勝、4回目の挑戦で初めて国立競技場での勝利=高校選手権決勝進出を勝ち取った滝川第二が、一気に頂点まで駆け上がった。
滝川第二のゲームを見るのは2試合目。正直いって、チームの戦い方としては「それほど大きな特徴がないのが特徴」というのが感想だった。例えば久御山なら、ロングボールをほとんど使わず、自陣からコツコツコツコツつないでいく。チームの戦法として徹底している。滝川第二は、特にそういうのが見当たらない。
ただ、だからといって、技術がないわけではもちろんなく、しっかりつなぐこともできる。また、例えば⑭濱田量也が正確で魅力的で多彩な種類の右足キックを持っているように、それぞれの局面で個性を発揮していた。
その「個性」。⑩樋口寛規と⑪浜口孝太の2人のFWは、サッカーでいちばん重要な「得点する」という部分で秀でたものを持っていた。踏ん張りと小回りが利き、俊敏に動けて、チャンスメークできるし点も取れる。プレースタイルも背格好も似ている2人。とにかく目を引いたのは、前線のスペースへの飛び出しの狙い方だった。
味方がどういう状況でボールを持っているのか。それによって、どの位置へボールを出せそうか。そのとき、自分と敵のDFはどういう位置関係、距離関係にあるのか。その上で、どのスペースでもらうのがいちばん得策なのか──こういうことをスパッと判断し、実行することを1試合続けている。
味方も2人を見ている。DFでもMFでも。また⑩樋口と⑪浜口の2人の間でもお互いの動きを絶えず意識しているように見受けられた。縦のスペースへ真っすぐ出たり、斜めにゴール方向へ流れたり。そして、ほんの一瞬、敵のマークから外れることによって、フリーでボールをもらえる状況を数多く作り出しているから、そこへ狙いどおりボールが出てきたときには、即、ビッグチャンスが訪れる。
戦法としての特徴うんぬんはスッ飛ばして、滝川第二の特徴は、とにかく点を取る術をチームとして身につけている、ということなのかもしれない。
滝川第二の全5ゴールを振り返ってみよう。
前半23分、左サイドの⑩樋口がクロス。⑪浜口の待つゴール前を越えてファーサイドに届く。フリーで走り込んだ⑨本城信晴がアタマで折り返すと、⑪浜口はゴールに背を向けた体勢から、背負ったDFにうまいこと自分の体を預け、ターンしながら左足で左スミへ蹴り込む。先制。
前半39分、中盤右サイドでボールを持った⑭濱田の前方で⑨本城が縦に動き出す。タッチライン際へ縦パスが出るだろうと思われたが、⑭濱田のボールは、少し角度をつけてセンター方向へ入れるスルーパス。⑨本城は一気にゴール前へ迫り、飛び込んでくるDFよりも一瞬早くゴール正面へ送ると、⑩樋口が落ち着いてトラップ&シュートを決める。2点目。
後半8分、右サイドから⑭濱田がクロス。混雑したゴール前、久御山はクリアできず、こぼれたボールが⑨本城の前へ。⑨本城、左足で決めて3点目。
後半13分、⑪浜口の真骨頂。ハーフウェイライン付近⑮香川勇気からの、浮き球の縦パスに反応、久御山最終ラインの裏のスペースにフリーで抜け出し、前に出た久御山GK①絹傘新の頭上をフワッと抜いて、ゴール右スミに収めるループシュート。4点目。
ロスタイム、後半49分、1点差に迫られ、久御山押せ押せの雰囲気の中、⑩樋口が前線で粘って久御山ボールを奪い取る。最後はGK①絹傘をかわし、グサッととどめをさすような5点目。
「みんながパスをつないでくれたので、得点王になれたなだと思う」(⑩樋口)
「うれしすぎ。まさか優勝できるとは思っていなかったので。1点差に追いつかれたときはヤバイと思い、心臓がバクバクだったけど」(⑪浜口)
準決勝では沈黙したが、⑩樋口、⑪浜口の2トップがこの決勝ではともに2得点。滝川第二に初優勝を引っ張ってきた。
久御山は、つなぎのキモである⑥二上浩一のところで、ちょっとボールを失いすぎてしまったかも。滝川第二は、それほど前からプレスをかけてこなかったが、⑥二上のさばく位置がハーフウェイラインに近づくと、ジワッと距離を詰められミスを誘発させられてしまった。
このあたりでボールを失うと、そのたびにショートカウンターへの対応を強いられる。気の利く滝川第二2トップにかき回され、結果として、少ないパスの数でフィニッシュまで持っていかれた。
それでも、後半8分で0-3という普通で考えれば絶望的な状況でもあきらめず、一時は3-4と、滝川第二には恐怖感を、見る者には期待感を抱かせた。特に2-4とした2分後の後半40分、⑩坂本樹是が左スミに決めたシーンは、密集する中央を久御山得意のパスワークで突破してのものだったから、なおさらだった。
「最後は点を取られても笑顔でいこうと話した。あきらめずに自分たちのサッカーができたと思う」(久御山・⑬山本大地)
滝川第二も久御山も、互いに自分たちのよさを出し尽くそうとした。それができたからこそ、ハイスコアゲームになったのだろうし、だからといって試合が壊れてしまったような感じをまったく受けなかったんだろう。
(監督・選手コメント)
滝川第二・栫裕保監督
(久御山の)プレースタイルはよくわかっていて、ボールの支配率は向こうが高いだろうと思っていた。守備重視というわけではないが、奪って早く攻める、奪った瞬間の動き出しをしっかりとやろうと話した。FW2人がいいタイミングで点を取ってくれた。インターハイでは、リードしながら守勢に回り、延長戦に持ち込まれ逆転を許した。ハーフタイムには、点は取られるから、その後取り返せ、と伝えてあった。
滝川第二・⑩樋口寛規
(前半40分の得点は)右サイドを崩してくれたので、僕は決めるだけだった。⑪浜口とはい関係の2トップだったと思う。相手の4-3-3というシステムに慣れていなくて苦しんだ。もっと研究して試合に入ればよかった。優勝というめったに経験できないことを経験したので、今後の人生につなげていきたい。
滝川第二・⑪浜口孝太
こんなに勝てるとは思っていなかった。インターハイの準優勝もまぐれやろ、とみんなで話していたので。でも選手権で日本一が取れて自分たちの力はウソじゃなかったと思えた。FWなので点を取ったら目立ちますけど、それは後ろが守ってくれて、中盤がつないでくれてのもの。みんなのゴールだと思っている。
滝川第二・⑨本城信晴
試合前のミーティングで、相手は3トップなのでサイドから攻めていこうと。3トップの両サイドが下がってこなければ、攻撃のときにサイドで1対1になると思っていたので。右サイドバックの⑭濱田とバランスを取りながら攻撃できたと思う。(1、2点目のアシストは)兵庫県大会が終わった後、ゴール前の練習を増やしたので、こうしたら2トップがこう入ってくるというイメージができていた。いい所にボールを出せたと思う。
滝川第二・⑮香川勇気
相手はポゼッションしてくるので、どこでボールを取るのかをしっかり決めてやった。サイドにボールが出てからしっかり詰めてコンパクトにして守ろうとした。向こうも間に顔を出してきて、なかなかボールを取れなかった。やはり先制が大きかった。先制すれば自分たちは強い。試合を優位に進められたと思う。
久御山・松本悟監督
こんなところまでこれるとは思っていなかった。選手が一試合一試合乗ってきて、毎試合決勝だと思って頑張ってくれたからここまでこれた。決勝はほぐれた感じで立ち上がり入れたが、お互いに決められなかった決定機を先に決められてしまった。前半に3点目を取られていたら、もっと早く試合は決まってしまったかもしれない。(最後は)1点差までいって国立が盛り上がり、ひょっとしたらというところまでいってくれた。あと一歩届かなかったのは、私の力の足りなさ。
久御山・⑥二上浩一
準決勝の流経(流経大柏)に比べて、プレッシャーがなくてやりやすかった。前半はけっこう攻撃がうまくいったが、後半の最初に点を取られてリズムが悪くなった。中央突破は得意な形で、サイドを使うように見せて中に入れて点を取ることができた。久御山のテクニック、キープは全国でも通用すると思うし、もっと伸ばしていけばいいチームになると思う。
久御山・⑬山本大地
相手のほうがうまかったと思う。特に2トップへの対策は立てていなかった。ディフェンスの甘さが出たと思う。点を許して悔しかった。最後は点を取られても笑顔でいこうと話した。あきらめずに自分たちのサッカーができたと思う。試合を重ねていくうちにチームは成長できたと思う。
久御山・⑩坂本樹是
高校生活最期の試合で、最高の仲間とプレーできて一生の思い出になった。「笑顔、笑顔」と声をかけ合って、笑顔でできたことで、1点差までいけたと思う。4年かけてプロになって、またこの国立のピッチに戻ってきたい。
久御山・⑪安川集治
相手がうまかった。特に(滝二の)1点目などは自分がしたいプレーだった。点差はつけられてもチャンスは作っていたので、僕自身はいけると思っていて焦りはなかった。決定力が向こうのほうがあった。
久御山・⑭足立拓眞
3点差でもあきらめなかったのが結果につながった。最後に追い上げることができ、気持ちが出たと思う。この大会で、サッカーの楽しさと最後まであきらめない気持ちを学べたのは大きかった。パスをつないでドリブルして自分自身楽しめたし、観客も楽しめたと思う。 |