10年1日9日(土)/14:25キックオフ/東京都・国立競技場/観客21739人/試合時間90分 |
| 青森山田 |
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関西大学第一 |
野間(前半31分)
椎名(前半39分) |
得点者 |
久保綾(後半44分)
井村(後半ロスタイム) |
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序盤は両チーム共にシステムのバランスを重視した、慎重な立ち上がりだった。流れの中からのチャンスは少なく、セットプレーからじりじりと攻め合う展開だったが、この状況を打ち破ったのは青森山田だ。前半30分、右サイドから⑭成田がドリブル突破してPKを獲得。これを⑬野間が決めて先制し、さらに前半39分、⑦椎名の冷静なミドルループシュートで2-0と突き放す。
これでプレッシャーから解き放たれたのか、後半は青森山田の美しいパスワークがさえわたる。そのまま落ち着いたゲームコントロールで試合をクローズするかと思われたが……。最後まで粘る関大一は後半44分、ゴール前の混戦から⑨久保が1点を返し、さらにロスタイム、全員参加のFKから⑱井村が押し込んで同点に。土壇場でPK戦に持ち込む。
強豪校にサッカーの恐ろしさを見せつけた関大一だったが、PK戦では、⑩柴崎、⑬野間、⑦椎名と、キープレーヤーが着実に決めていく青森山田にあと一歩及ばず。結局、勝利を得ることはできなかったが、この日、スタジアムに集まった観客は大興奮。涙にくれる関大一の選手に、惜しみない拍手をプレゼントした。 |
魔の5分間で、2発同点!
最後まで勝負を捨てなかった関大一 |
正直、「高校生はワケがわからない」というのが率直な感想だ。目の前で起きた、大どんでん返しに、今もまだ興奮している。後半44分に1点を返したときでさえ、関大一が同点に追いつくと思っていた人は少なかったはず。実際、自分の周囲からは、「関大一は1点返して意地を見せたな」なんて言葉が聞こえてきたぐらいだ。
ところが、当の本人たちは少しもあきらめていなかった。跳ね返されたボールを、これでもか、これでもかとゴール前へ放り込み、ついに青森山田のゴールをこじ開けた。後出しジャンケンのようになって恐縮だが、関大一のセットプレーは、前半から惜しいチャンスをたくさん作っていたため、パワープレーになれば身長差で優位に立つ関大一が、ひょっとするとひょっとするかも……と、予測できる要素はあった。決して、まぐれや奇跡なんかじゃない。実力で得た、素晴らしい同点弾だった。
逆に、理解に苦しむのは青森山田のほうだ。ここまで素晴らしい試合運びを見せて、キッチリと試合をクローズさせて勝ち上がってきた青森山田が、なぜか後半の30分過ぎくらいから、急に緊張の糸が切れたように、集中力を欠いたようなプレーをするようになった。決めるべきチャンスを決めず、ボールの奪われ方が悪くなってカウンターを食らったり……。よく整備されたチームが、突然見せたほころびだった。「サッカーの怖さを思い知った。油断をすればこうなるということ」と、青森山田・黒田剛監督もインタビューで認めている。
いったい、青森山田に何が起きたのか? ひとつ思い当たるのは試合時間だ。高校サッカー選手権の規則では、1回戦から準々決勝は40分ハーフで試合を行い、準決勝と決勝だけが45分ハーフと、試合時間が10分増えるルールになっている。つまり、この試合が準決勝より以前の対戦だったら、青森山田が2-0と完勝して終わっていたわけだ。
おそらく、ここまで3回の試合をこなすうちに、青森山田の体内時計は80分に慣れてしまっていたのではないだろうか。そのため、後半35分あたりで急に集中力が切れてきたのではと推測できる。
ヨーロッパでは、1回のサッカーの練習を、試合時間に合わせて90分間で行うチームが多いと聞いたことがある。選手のフィジカルを、実際の試合で最もパフォーマンスを発揮しやすい状態にするためだ。だとすれば、今日の青森山田は、80分間で最もパフォーマンスを発揮できる状態にあったため、それが過ぎた途端、魔法が解けたかのようにほころびを見せてしまったと考えられるのではないだろうか。
もちろん、これは関大一も同じ条件だが、彼らは追いかける立場であったため、メンタル的にはシンプルだ。ひたすら逆転を目指して攻め上がればよい。そして、彼らにはその馬力と根性があった。
青森山田は今日、45分ハーフを経験したので、決勝ではこの感覚に悩まされることはないだろうが、「高校サッカー選手権の準決勝の後半35分過ぎには、魔物がひそんでいる」という事実を確認できて、ちょっとワクワクしている。
11日の決勝はどうなるのだろうか。
青森山田は非常に強いチームだが、今日のスタメンの平均身長は173.0センチと、決して高さのあるチームではない。セットプレーの守備や、クロスボールの処理に関しては、弱みを露呈したのも事実だ。
もっとも、相手チームの山梨学院大附もまた、今日のスタメン平均身長は172.1センチと、上背のないチームだ。もしかすると、ここ最近メディアで多く取り上げられている、187センチの長身、山梨学院大附・加部未蘭が、最後の最後で爆発するのか。いや、それはいくらなんでも「出来杉くん」だろう。でも、ちょっとだけ期待したい。
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