10年1月5日(火)/14:10キックオフ/埼玉県・さいたま市駒場スタジアム/観客3992人/試合時間80分 |

ここまで5得点の⑪山本を1トップにした4-2-3-1のルーテルに対し、山梨学院は4-4-2。前半から互いに持ち味を出し、ルーテルは奪っては⑨小牧のサイドか中盤からのロングボールで⑪山本をディフェンスラインの裏に走らせる。一方の山梨学院も⑩碓井を中心に中盤でボールを動かし、機を見てタテにスピードアップする。前半は一進一退の攻防が続くが後半5分、山梨学院⑫藤巻の思い切りのよいシュートが突き刺さり先制する。ルーテルは、よりスピードアップし、一気に攻め立てるが最終的にゴールを割ることはできず涙を飲んだ。 |
互いに持ち味を出しつつ決め手を欠く展開
予想外のシュートが試合を決めた |
力の拮抗した好ゲームともいえるし、夢の国立があと少しで手に届くところまできた硬さの見えた試合ともいえるし、選手たちのコンディションに疲れが見え隠れする試合ともいえる試合だった。互いに3試合こなし、条件的には似たり寄ったり。だからなのか、締まった試合というにはシュート数もルーテル4本、山梨学院8本と少なく終わった。互いの持ち味こそ出せたものの決定機自体はそう多くはなく、試合を決めたのは中盤からのロングボールにサイドの遠めから思い切りの良いシュートがズバっと決まってしまったもの。ルーテルの小野秀二郎監督の言葉を借りれば「山梨学院がロングボールを使ったのはあの一本だけだった。それがあんな見事に決まってしまうとは」という、予想外のシュートだけでの幕引きだった。
敗れたルーテル学院の小野監督は「これまででいちばん余裕のある試合だった」と振り返っている。これまで、帝京戦、富山第一戦、日章学園戦と苦しみながら勝ち上がってきた。失点こそ帝京戦の1点のみだが、前半は守備で耐えて、後半勝負をかけるという展開を強いられてきた。「守備の中でリズムをつかんできた。だが、今日は思いのほかやりたいことができてしまった」のだそうだ。守備から、⑪山本大貴へのタテのボール、もしくは⑨小牧成亘による左サイドのドリブル突破からゴールに迫る形もいくつか見えた。だが、ゴールを陥れることだけがなかった。
「攻撃に余裕があるからなんだか調子が狂ってしまったというか。でも、前半に点を取らないと苦しくなるだろうなと思っていたら、後半案の定……」と小野監督。山梨学院大附の得点は決して得意のショートパスを駆使したリズミカルな攻撃で崩して──というものではなく、ロングボールに、遠めからのシュートというものだった。
「一発で決められてしまった。自分たちにはそれがなかったという以外にない」
と涙に暮れたのはルーテル⑩藤原孝。他に説明ができないというのも、よく分かる。全国の舞台にきて初めてやりたいことができた、その試合で自分たちは敗れてしまうというのは文字面を追うと不思議だ。ただ、勝者山梨学院大附にしたって、中盤で形は作れても自分たちの形でゴールに迫ったわけではなく勝ってしまった。観客も、選手たちも、ベンチも予想のつかない形で勝敗はついた。一発勝負の恐ろしさも面白さも感じさせてくれる試合だった。
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