10年1日11日(祝)/14:10キックオフ/東京都・国立競技場/観客43635人/試合時間90分 |
| 山梨学院大附 |
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青森山田 |
| 碓井(前半11分) |
得点者 |
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立ち上がりから鋭い出足で青森山田を圧倒した山梨学院大附が、前半11分、碓井のファィンゴールで先制。その後も、ほぼ山梨学院大附ペースで前半終了。しかし、後半に入ると一転、青森山田がボールを支配し、山梨学院大附がカウンターを狙うという展開。どちらにもゴールチャンスはあったが、守備陣も粘り強く戦い抜き、強固なゴールをこじ開けることができず。そのまま1-0で終了。山梨学院大附が初優勝を果たした。 |
山梨学院大附、初出場で優勝!
横森監督、4度目の正直 |
準決勝に続いて、ちょっと昔話から。
山梨学院大附が達成した初出場初優勝は、1986年度の東海大一(静岡)以来、21年ぶりの快挙。このときの東海大一は初戦の2回戦から準決勝まですべて3-0。決勝では、こちらも初出場での優勝を狙った国見(長崎)を2-0と完封し、無失点で頂点に上り詰めている。アデミール・サントス、澤登、(以上元清水)、大嶽(元横浜フリューゲルスなど)らが当時のメンバーだった。
さて、決勝戦。立ち上がりがカギだった。試合後の会見で、両監督ともそこを強調した。
「青森山田のこれまでの試合を見ると前半の得点が多い。こういうビッグゲームで先制点を奪われると取り返すのは大変。前半20分くらいまでいければ自分たちのペースにできると思ったので、そこまではハイプレスでいこうと話していた」(山梨学院大附・横森巧監督)
「(山梨学院が)ガッとくるのは分かっていたので、立ち上がり10分、15分は集中して、そこをしっかり守って落ち着いていこうと、ゲームのミーティングでボードにも書いて話した。だが、伸び伸びと試合に入ってきた山梨学院さんに対して、硬さが目立っていた」(青森山田・黒田剛監督)
山梨学院大附はガンガンプレスをかけて、青森山田ボールをどんどん奪っていく。青森山田が跳ね返しても、セカンドボールをまた拾う。完全に自分たちのペースで試合に入り、そこで点を取りきったことが大きかった。
前半11分。左サイド。プレスからボールを奪った⑨鈴木峻太がペナルティーエリア角付近にいた⑦碓井鉄平へプルバック。ワントラップしてからの⑦碓井の右足シュートは、ゴール右上隅にズサッと突き刺さるファインゴールだった。このシュートだが、⑦碓井のトラップは、恐らく本人の狙いよりも、少しだけ大きくなってしまったんだと思う。青森山田DFもすぐにボールに寄せたが、急ぐ⑦碓井が一瞬だけ早く右足を振り抜いた。急いだ分、そのスピードがボールに乗って威力をアップさせた、と見るのは考え過ぎか。もっとも、コースが最高だったので、もう少しボールスピードがなくてもゴールになっていたとは思うが……。
この1点の後、それまでの「完全山梨学院大附ペース」という感じではなくなり、青森山田も少しずつ自分たちのサッカーを思い出し、表現できるようになっていく。そしてチームのエースストライカー⑬野間涼太を生かしてチャンスを作る。前半20分、センターで⑩柴崎岳から⑬野間へ。⑬野間の前はスパッと開いていたが、わずかにコントロールをミスしてシュートまでいけず。前半24分には左サイドからの⑥中島龍基のクロスに、DFをうまく体でブロックしながら右足アウトを合わせたが、ボールはわずかに左へ。前半38分には、ペナルティーアーク付近でのポストプレーから、フェイクを入れて右ターン→即左足強シュートを放ったが、バーの上へ外れた。
また前半43分には、右サイドからの⑦椎名伸志のゴール前へのFKに2人が飛び込む。④赤坂勇樹が右足を伸ばしたが、わずかに触れなかった。
全体的な印象では、引き続き足が止まらない山梨学院大附ペースに見えたが、決定機により近いシュートということだと、青森山田のほうが多かった。
後半に入ると、今度は完全に青森山田がゲームを支配した。バランスのいい組織体を維持したまま攻め切る中に、⑦椎名、⑩柴崎らの創造性をいくつも見つけ出せるようになってきた。全体のバランスがいいので、ボールを失ってもすぐにいい形で奪い返しにいける。前半、山梨学院大附にやられたサッカーを、後半は青森山田がやり返した。
ただ、前半の青森山田がそうだったように、後半7分⑫藤巻謙の左足シュートがバーをたたくなど、山梨学院大附にもいくつかビッグチャンスが訪れた。後半25分には⑪加部未蘭を投入。ボールこそ青森山田に持たれたが、⑩伊東拓弥らとのコンビで、カウンターからのワンチャンスを一気にフィニッシュまで持っていける雰囲気が、絶えずあった。
後半はよく攻め合い、よくしのぎ合った。28分、左CKのこぼれ球、⑬野間のゴール中央至近距離からのシュートを山梨学院大附GK①松田ランがドボッと体でブロックしたのが、その象徴的なシーンだったように思う。
自身、進出しながら勝てなかった過去3回の決勝との違いを、山梨学院大附の横森監督は
「いちばんの違いは、すごく運がよかったことだと思う」。
一方、猛攻を仕掛けながらゴールが遠く、わずかに一歩及ばなかったことについて、青森山田の黒田監督は後半28分の⑬野間のシュートを引き合いに出して、
「野間のようなシュートが股を抜けて入ることもある。ラッキーなゴールで勝つこともあるし、これがサッカー」と話した。
本当にいい試合だった。最少スコアのゲームだったけれども、両校ともチャンスの数は多かったし、個人技やスルーパスや、サッカー観戦に求めている、そういう楽しさを感じるプレーも多かった。
特にスルーパスの出し方受け方の工夫に感心させられた。前を向いたMFがドリブルで仕掛ける。前線のFWが飛び出しのタイミングを図る──ここでスルーパスを出すことはできる。が、守備側の組織がある程度そろっている状況だと対応されてしまう。そういうときに両校はどうしたか。ボールを持ったMFは、いったん横や斜め後ろでサポートする味方にパス。敵が、下げられたボールに対して押し上げようとする瞬間に、逆を取るようにDFラインの裏へスルーパスが出る。FWがオフサイドになっていないのだから、パスの受け手も含め、チームとして狙っている崩しの形だろう。
今大会は、波乱の連続といわれた。夏の総体ベスト4の大津、米子北が予選で消え、前評判の高かった前橋育英、佐賀東、東福岡などが早々に敗れていった。波乱を演出した代表格が関大一だろう。PK戦の末に敗れた準決勝の青森山田戦でも後半44分から0-2を追いついた。失礼ながら、関大一の快進撃を全く予想していなかった。総体不出場、プリンスリーグ関西にも参加していない。そんな関大一の今大会での戦いぶりは、たくましく、堂々と誇らしげで、ものすごく好感が持てた。決してフロックなんかじゃない力強さがあった。
大会前の評価がどんなものであったとしても、すべてのチームがベスト4に進める権利者だ。無理矢理のこじつけでもなんでもいい。この大会での関大一すべての関係者がきっとそうだったように、この夏、自分も「ミラクルベスト4」に熱狂してみたい。
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