10年1月3日(日)/12:05キックオフ/埼玉県・さいたま市駒場スタジアム |
| 矢板中央 |
|
作陽 |
| 渡辺健(後半4分) |
得点者 |
西田(後半33分) |
|

序盤から中盤でのパス回しでリズムをつかんだ矢板中央だが、作陽の粘りのディフェンスに手こずりゴールが奪えない。そして後半立ち上がりの4分にセットプレーから⑥渡辺健がヘッドで押し込みようやく先制に成功する。しかし後半30分過ぎから足が止まり、後半33分に失点。そのままPK戦へ突入する。こちらも7人ずつが蹴る接戦となるが、矢板中央が辛くも白星を手にした。 |
内容で圧倒した矢板中央が
PK戦を制し初のベスト8ヘ |
“PK戦は運”ともいうが、試合内容で優勢だったチームが勝つと、妙に納得するし、そうでないチームが勝つと、「ラッキーなチームだなぁ」と思ってしまう。その意味でいうと、この試合は納得のいく結末だった。
前日の2回戦、矢板中央は近大和歌山と対戦しているが、そのときは相手のプレッシャーと早めの放り込みに焦り、ただ跳ね返すだけのロングボール主体のサッカーになってしまっていた。おそらく強豪、作陽相手でも、本来のパスサッカーがなかなか出せず、ロングボールを多様したゲーム運びになるだろうと思われた。
一方作陽は、1、2回戦を見る限り、4-2-3-1と4-4-2のシステムを状況に応じて使い分けながら、流動的かつ規律の整ったサッカーをやってくるだろうと思われた。その点からいえば、“押し込む作陽、耐える矢板中央”という構図が思い浮かんでいた。
しかし、フタを開けてみれば、全く逆の展開だった。立ち上がりから矢板中央が完全にゲームを支配。エース⑩中田充樹を使い、多彩な攻撃で作陽ゴールに襲いかかった。足元のテクニックと高さのある⑩中田は、クロスのターゲットマンにも、くさびのパスの受け手にもなり、ときには自らドリブル突破することもあった。その⑩中田に⑧益子直樹、⑤渡辺裕紀らテクニックのある中盤が絡み、2回戦とは全く違うパスサッカーを展開した。
この矢板中央の攻撃に作陽は一方的に押し込まれ、反撃の糸口をつかむことができなかった。今大会3得点をしている⑬柳直人へのパスを寸断され、たとえボールを持てたとしても、すぐに2、3人に囲まれて、完全に進路を断たれてしまった。チームの心臓であるボランチの⑧渡部亮武は、対面するダブルボランチに動きを封じられ、チャンスにつながるようなパスを出すことができなかった。
矢板中央は攻め込みながらも、得点が奪えないため、後半から2回戦同様、スピードスター⑮渡辺光を入れてギアチェンジ。この選手交代に込められたメッセージを選手たちが読み取ると、後半4分、セットプレーからのライナー性のボールに⑥渡辺健太が勢いよく飛び込んで、待望の先制点を決める。
しかし試合終盤になると、矢板中央の運動量がガクンと落ちて、決定的なシーンを何度か作られる。作陽⑬柳に単独ドリブルを許し、決定的なエリアまで入り込まれていた。そして後半33分には、やってはいけない同点ゴールをセットプレーから決められてしまう。これには矢板中央・高橋健二監督も、「いつもより早く点が入って、最後までもたなかった」と苦笑いするほかなかった。
PK戦では、矢板中央、作陽とも2人が枠を外しているが、唯一の差となったのが、矢板中央GK①三浦拓の1本のシュートストップ。この内容を見ても、やはり矢板中央が勝つべくして勝ったと納得してしまう。
試合ごとに調子を上げている矢板中央。初のベスト8進出に浮かれることなく、この日展開したパスサッカーを今後も続けることができれば、夢の国立も見えてくるかもしれない。
→監督・選手コメントへ
|