10年1月2日(土)/14:10キックオフ/千葉県・フクダ電子アリーナ/観客1270人/試合時間80分 |

一進一退の攻防が続いたが、お互いに守備面での出来のよさが目立つ展開。得点の気配があまりなかった中で、後半17分、高知が見事な崩しからゴールを決めて先制。その後の星稜の反撃をしのいで、3回戦進出を決めた。 |
高知はキャプテンの④野村綾彦が、いわゆるイングランド・プレミアリーグのセントラルMFのように、ピッチを縦幅を広範囲に動いて攻守に絡む。前線では身長183センチの⑮久川幸輝が、体を生かしたポストプレーを成功させ、左右にボールを散らしてチャンスをうかがった。
星稜のほうは、後半頻繁に見られた、DFラインからの丁寧なビルドアップが本来の持ち味なのだろう。全員が細かく動き直しながら、パスコースを作る。横パスをつなぎなら縦パスの機会をうかがい、DFラインから中盤、中盤から前線へとボールをつなぐ。ボールを大事にしながら、敵の穴を突こうとする攻撃が目立った。
しかし、ゲーム全体としては、そうした相手の攻撃をやらせまいとする、ディフェンス面がよく機能していた試合だったと思う。お互いにDFラインを高くして陣形をコンパクトに保ち、ボールを持つ敵に対し、複数で守ろうとする戦術が徹底されていた。
攻撃側としては、縦パス、クロスを入れようといったところで、ちょっとでもタイミングを失うと、ポジションを整えられてそうしたプレーができない。少しでもコントロールミスしようものなら、あっという間に複数の守備陣の囲い込みにあってしまう。傑出した力のある選手がいなくて、全員攻撃、全員守備がモットーの両チームにあって、この整備された守備が、ここまで勝ち上がってきた要因なのだ。
だが、その守備をものの見事に破ったのが、この試合唯一の得点となった、後半17分のシーンだ。ボールを受けた⑮久川が左へ展開し、⑩野島大輝が前の敵を外して中央へパス。ここで2列目から走り込んできた⑧中山貴裕がフリーでパスを受け、左斜め前に持ち出して左足シュートを決めたのだった。
ここで肝になったのは、⑩野島のプレーだ。彼は前半から左サイドでボールを受け、ドリブルで中央へカットインして、シュートやパスをするプレーを繰り返していた。後半に入ってもこれが3度目くらいの、同じようなシーンだったのではないか。ポイントは、彼がボールを持って、敵と向き合い、ドリブルして中に入るまでに、チームとして攻撃のタメができることだ。ゴールシーンではこのタメの間に前線がゴール前へ入り、その後ろにゴールした⑧中山が入るスペースが空いたのだった。
高知は⑩野島と反対の右MFにも、同じドリブルが得意な⑪岡林佑一を置いている。こちらは、縦へのドリブル突破からクロスというプレーが得意な様子。これもチームとしてはタメを作るプレーとして生きていて、クロスがあがるころには、2トップだけでなく、⑩野島や④野村がゴール前に入っていく時間を作ることができている。
星稜は先制された後、次々と2人を交代。ボール支配で圧倒して猛反撃を試みた。ところが、こちらは攻撃の最後の部分でアイデアがなく、高知ディフェンスに跳ね返されてしまった。30分にはその交代で入った⑪小向祥也が、ペナルティーエリア内からフリーでシュートする決定機があったが、ゴール右に大きく外してしまった。
また、1回戦は試合を決定づけた⑧八木沼瞬のセットプレーからのキックも、軽くドロップがかかったブレ球や、カーブキックなど駆使していたが、この日は精度を欠いて不発だったのも痛かった。
結局、最後は虎の子の1点を守り切る形で、高知が勝利。3回戦は強豪・青森山田と対戦する。
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