09年12月31日(木)/12:05キックオフ/神奈川県・平塚競技場/観客1800人/試合時間80分 |
| 富山第一 |
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山口 |
和田雄(前半37分)
和田雄(後半25分)
藤井(後半37分) |
得点者 |
小林(前半28分) |
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中盤の構成力を誇る富山第一に対し、耐えてカウンターを仕掛ける山口という構図。山口が前半にセットプレーから先制点を奪うも、前半終了間際に追いつかれて試合を折り返す。後半立ち上がり、山口は退場者を出すとその後は富山第一が試合を支配し、終了間際にはダメ押し点を奪って2回戦進出を果たした。 |
全国大会での1勝から見放されて長い両校の対決
念願の勝利を挙げたのは富山第一 |
どこまでも見渡す限りの青空と、肌を刺すような寒風が吹きすさぶ。室内からは温かそうな冬の日差しを感じるのに、ひとたび風に当たると凍えんばかり。そんな典型的な関東の冬の一日は、実に選手権とよく似合う。雌雄を決する一瞬を逃すまいと、ピッチを走り回る高校生たち。彼らの若さと、ノックアウト方式の残酷さと、だからこそ生まれるドラマは今日もそこにあった。
09年大晦日の平塚競技場に登場したのは、7年連続23回目の選手権出場となる富山第一と、17年ぶり19回目の出場となる山口だった。富山第一は7年連続出場といえども6大会連続で初戦敗退を喫しているし、山口も全国での1勝となると23年前までさかのぼることになる。共にのどから手が出るほど勝利が欲しい高校同士の対戦となった。
キックオフ直後は双方硬さが見られた。4-5-1システムでボランチ⑮森泰次郎を中心に中盤を形成し、ショートパスを織り交ぜて攻撃したい富山第一だが、思いのほかロングボールを放り込む。一方、山口も同様に奪っては前線にタテのボールを入れるのみの序盤。だが、山口にとってそれは織り込み済みの展開で、23分には予定どおり⑪小林寛太朗を投入。「スピードはあるが、スタミナがなく線が細いので、フルには戦えないので、途中から出すというのは決めていた」と山野孝監督。当の⑪小林は「試合序盤はパワープレーみたいになるから、その後から出るということだった」と説明する。この投入の効果はてきめんで、わずか5分後の28分、CKの流れから先制点がその⑪小林から生まれた。
「立ち上がりからペースをつかめず、先制され焦った」と苦笑するのは富山第一の⑩和田雄也。前半終了間際の37分、DFのクリアが大きくなったところに走り込み、右足で落ち着いて流し込んだ彼は、その1点目も「あまりいい形ではなかった」が「あのあたりから落ち着くことができた」と続けた。
同点で折り返した後半7分、山口に退場者が出ると数的優位を生かし富山第一のペースに。「自分たちの持ち味は中盤」と、⑮森が自ら認める中盤からの長短織り交ぜたパスと、本来はサイドながらこの日1トップに起用された⑩和田のドリブルを中心に攻め立てる。後半25分山口は耐え切れず失点すると、後半43分にもダメ押しを食らう。このダメ押し点、交代出場の⑯伏脇緒斗也の右サイドからのクロスに、これまた「必勝パターン」と起用されたスーパーサブ⑬藤井大士が190センチの長身生かし頭で合わせた富山第一の形だった。
これで、試合は決着。開幕戦ほどでなくても、どうしても緊張感と高揚感に満ちた試合を制するには、いかに自分たちの普段のサッカーを取り戻すかがカギだということのようだ。
「こんな試合しちゃうと、大学に行ってもサッカー続けたいって思っちゃう」と山口の⑪小林が振り返ったのが印象的だった。
勝者富山第一は、9大会ぶりの勝利とはいえ、全国大会の常連。一方の山口は、山口県下随一の進学校で、近年は強豪とはいいがたいチームだった。練習時間も一日2時間と限定し、文武両立を図って活動してきた。「練習が短いからこそ集中し、考え、意識高く取り組めた」と⑪小林。「推薦が決まっているのは何人かで、大体はまもなくセンター試験」という状況の中で戦ったが、歯が立たなかった。「退場が出たのも、緊張したのも自分たちのサッカー」と落ち着いて振り返る彼らが、サッカー推薦などでなく進学した後、それでもサッカーを続けようと思うきっかけの試合だったら、選手権も捨てたものではない。
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