準々決勝
1月5日(月)/14:10キックオフ/神奈川県・ニッパツ三ツ沢球技場/観衆5600人/試合時間80分
鹿児島城西 6(4-0、2-2)2 滝川二
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(鹿)大迫勇2、平原2、大迫希、野村
(滝)矢野、大村 |
4試合連続大量点の鹿児島城西
その向こう側には不安要素も見え隠れ |
1回戦は東北の雄・青森山田相手に4-3。2回戦はインターハイベスト8の大阪桐蔭に対し5-2。そして3回戦は宇都宮白楊を向こうに回し7-1。ここまで鹿児島城西は3試合連続2ゴールのJ1鹿島内定FW⑨大迫勇也を筆頭とする圧倒的な得点力で、今大会を勝ち抜いてきた。
そして迎えた準々決勝。試合前に小久保悟監督が「点を取られても、先手、先手でいければ」と語ったとおり、鹿児島城西は見事なスタートダッシュで滝川二をねじ伏せにかかかる。5分、ペナルティーエリア右をドリブルで切り裂いたMF⑦大迫希が、相手GKまでもかわし先制ゴールを流し込むと、13分にはエース⑨大迫勇也が、約20メートルの距離からゴール左隅へ一直線に叩き込むファインゴールをゲット。試合の主導権をあっという間に我が物としてしまう。
その後も個々の能力に勝る彼らのゴールショーは止まらず、24分には⑨大迫勇也が技ありのループシュートで3-0。36分には⑨大迫勇也が出した絶妙の浮き球スルーパスに、抜け出したFW⑪野村章悟が決めて4-0。後半に入り2分、19分にも、⑪野村と交代で出場したFW⑭平原慎也が連続ゴールを奪いついに6-0。ここまでは、鹿児島城西にとってパーフェクトなベスト4へのシナリオが描かれていた。
しかしここからは、「蹴るところを遅らせて、くさびのコースを変えるようにできた後半は、2人目、3人目が動き出すウチのサッカーもできた」(栫裕保監督)滝川第二が、まるで60分間の鬱憤(うっぷん)を晴らすような圧倒的攻勢に転じることに。後半25分にMF⑱矢野亮、31分にFW⑳大村亮平が、執念でゴールをもぎ取った。この他にも、バイタルエリアへくさびを入れて相手のキーマン・ボランチ⑩安田啓優を引き出し、少ないタッチ数でサイドへと展開した後に低く速いクロスに2列目の選手が飛び込み、滝川二の組織的攻撃パターンは、鹿児島城西の守備網を大いに混乱させるに値するものであった。
結局、試合は6-2というおよそサッカーらしくないスコアで鹿児島城西が快勝し、初のベスト4へと駒を進めたが、「2失点は修正しないと」と語った小久保監督の厳しい表情が物語るように、その内容は決して楽観視できない。高円宮杯の予選リーグでは5-4と壮絶なゴール合戦の末に勝利した前橋育英との準決勝で、彼らが今度こそ後手を踏むようだと……。見え隠れする不安要素をつぶすために残された時間は、あと4日間である。
鹿児島城西・小久保悟監督
「先手、先手でいこうと思っていたので、前半のいい時間帯に取れてよかった。ハーフタイムには『立ち上がりを大事にゴール前のアプローチをしっかり確認していこう』という話をして、その結果2点が取れたと思う。ただ、最後の2失点は修正しないと。出場停止のGK①神園優の代わりに入った、⑰下市茂樹も落ち着いていたし、DFとの連携もよく取れていた」
鹿児島城西・⑨大迫勇也
「今日も2点を取れてよかった。(準決勝で対戦する)前橋育英は高円宮杯で対戦しているが、そのときとはお互い違うチームになっている。相手は前線の選手もいいし、いいチームなので失点しないようにして、先に点を取れるようにしたい」
鹿児島城西・⑩安田啓優
「今日は最初から鹿児島城西のサッカーができていたと思う。自分としては特にDFラインとの連携について意識することもなく、いつもどおりプレーした。ただ、今日はゼロで抑えたいと思っていましたが……」
滝川二・栫裕保監督
「⑨大迫勇也くんは強烈すぎました。彼は日本の宝です。大事にしなくちゃいけませんね。彼についてある程度の想像はしていましたし、うまいのも分かっていましたが、実際に対戦してみると短い距離のスピードが速い。ウチの選手が並んだときについていけなかった。最初は彼に2人をつけるとかも考えましたが、そうしたとしてもやられていたでしょう。彼に対してはくさびのボールも強くいこうとしていたが、そこでもキープされて前を向かれてしまった。やはりすごい選手です。
今日は相手を別にして悔いの残らない試合をやろうということで、蹴るところを遅らせてくさびのコースを変えるようにできた後半は2人目、3人目が動き出すウチのサッカーもできたし、2年生が2点を取ったので、その意味では収穫があったと思う。前半は相手に蹴りこまれて相手にキープされてしまったが、そこを跳ね返せたらもう少し戦えたかもしれない。4点を取られて吹っ切れた部分はあったかもしれない。
チームとしては昨年のほうが強かったが、昨年はそこで勝ちにこだわっていない自分がいた。でも、(選手権兵庫県大会決勝で)負けた後に真面目でよく努力した子たちがダメだといわれて、私も『評価してもらうには勝たなくてはいけない』と気がついた。昨年の3年生20人も、今日は学校のTVで応援してくれたので、その子たちに報告したいと思います」
滝川第二・⑱矢野 亮
「ゴールシーンは春さん(⑬吉澤春風)が突破してくれたので、自分では押し込むだけでした。『何点取られても点を取りにいこう』とみんなもハーフタイムでいっていたし、崩せていい形からゴールできた。やってきたことがみんなでできたと思う。
ただ、攻撃ばかりでもなく守備も頑張らなくてはいけないし、今日は走りも足りなかったと思う。⑨大迫勇也くんは体の使い方がうまいし体も強かったが、反転の速さははじめて体験する速度だった」
滝川第二・⑳大村 亮平
「ゴールシーンは試合途中に⑯時本寛史くんに『(クロスを)上げられるときは上げてくれ』といっていたので、ゴールめがけていったらゴールに入っていた。GKは見えていなかった。自分が縦に入って動くことでできるスペースに、チームが動いていくことを心がけていた。
僕は後半頭から入ったが逆転しようという気持ちしかなかったし、大差でもあきらめないでできたことはよかった。最高の試合でした」 |