準々決勝
1月5日(月)/14:10キックオフ/東京都・駒沢陸上競技場/観客6867人/試合時間80分
広島皆実 2(1-0、1-0)0 四日市中央工
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遂に破ったベスト8の壁!
広島皆実、『堅守強攻』新スタイル確立 |
広島皆実が、2年連続阻まれ続けたベスト8の壁。この分厚い壁を打ち砕いたのは、今年のチームのテーマである『強攻』であった。藤井潔監督が掲げた今年のテーマは『堅守強攻』。広島皆実の堅守といえば、ここ数年で築き上げた確固たるスタイルであった。しかし、このスタイルでは全国で勝つことはできても、上位を目指すのは難しい。一昨年、昨年の選手権では準々決勝で2年連続のPK戦負けを喫している。そして昨年の高円宮杯全日本ユースでも、準々決勝で名古屋ユースの前に延長戦の末、0-1で敗れた。
「これまで3回もベスト8の壁にはじかれ続けた。いずれもPK戦や延長戦での負け。より上に行くためには、何かを変えていかないといけない。何かといえば、堅守をベースにした攻撃。勝負どころでリスク覚悟で切り崩す。それが『堅守速攻』ではなくて、『堅守強攻』なんです」(藤井監督)
全国ベスト8の壁を突き破るための、新たなるチャレンジ元年でもあった。インターハイ、高円宮杯で思ったように結果が出なかったが、ついに最後の選手権で『強攻』が結果に直結した。3年連続でたどり着いた準々決勝で、相手は四日市中央工だった。攻撃陣にタレントをそろえる相手に対し、④松岡祐介、③井林章の両CBを軸にした『オールコートディフェンス』で封じにかかる。特に「最も警戒した相手」(④松岡)である四中工FW⑰榎信博に対しては、CBの一方が必ずマークにつき、時には右サイドバックの②村田俊介もカバーに入って、自由を与えなかった。
攻撃の糸口を完全に封じた広島皆実は、ボールを奪うと、1年かけて築き上げた『強攻』で、容赦なく四中工守備陣に襲いかかっていく。「ひたすらギャップを狙いました」と攻撃的ボランチの⑦浜田晃が語ったように、彼と⑪玉田耕平、⑨金島悠太の2トップが素早い動き出しから、相手のDF陣の間、DFラインとMFラインの間のギャップに果敢に飛び出していく。彼らの動き出しに連動して右MF⑧佐々木進、左MF⑩谷本泰基、左SB⑤﨑原拓也らが、ギャップにチャレンジパスを通していく。これは2回戦の徳島商戦の先制弾、3回戦の作陽戦の決勝弾を生み出した、広島皆実の『強攻』の必殺パターンであった。
この試合の決勝点もこの必殺パターンで生まれた。21分に左サイドでボールキープした⑤﨑原がワンフェイントのあと、DFラインのギャップに走り込んできた⑨金島へクサビを打ち込む。⑨金島はDF間でボールをキープし、相手を引きつけると、そのまま縦に走りこんできた⑤﨑原へパス。⑤﨑原はDF1人を交わして深く切れ込んでいくと、同じようにギャップに走りこんできた⑦浜田へグラウンダーのセンタリング。これは直接は合わなかったが、相手のクリアミスを誘い、こぼれを⑦浜田が押し込んだ。
⑨金島、⑦浜田の2人がギャップに走りこみ、⑤﨑原がチャレンジパスを通した。まさに理想どおりの形で広島皆実が先制した。今の広島皆実はこのゴールで十分だった。あとは『いつもどおり』の堅守で相手の自由を奪い続けると、後半3分には右CKから②村田が2点目となるヘッドを叩き込み、勝負あり。その後は若干DFラインが引き気味になってしまったが、四中工を前後半シュート2本ずつに抑えこみ、磐石の勝利で、ついに分厚いベスト8の壁を突き破った。
『堅守強攻』。壁を突き破ったことで、新スタイルが正しかったことを証明できた。藤井監督は長く続く広島皆実の歴史に、新たなるテイストを付け加えたことを、この試合で実証してみせた。
広島皆実・藤井潔監督
「選手が本当によく頑張ってくれた。本当にこれまでいろいろなことがありましたし、皆実の強化は歴史の中で積み上げてきたものであって、初めての(全国高校選手権での)ベスト4に立たせてもらうことになりました。やはりいろいろな歴史があってこそ今がある。本大会は初戦からテンションの高い試合が続いていたので、立ち上がりからいい入り方をしようと思っていました。2点とって2-0になってから、少し流れが向こうに傾いてバタバタした時間がありましたが、すぐに落ち着くことができました。やはりボールを落ち着けられたことが大きい。慌てず2-0の状況を長く引っ張れたことは、本当に大きかったと思う。夏を過ぎて高円宮杯以降は、攻守のバランスを全体で上手くコントロールできていると思います」
広島皆実・③井林章
「相手のFWの技術が高いので、FWのコースを切って、コンパクトにすることを意識しました。そして、相手は1対1にも強いので、カバーリングを明確にすることを意識しました。④松岡(祐介)が行ったら僕がカバーして、僕が行ったら④松岡がカバーするといった流れにしてやりました。相手は空中戦も強いので、空中戦のときはサイドバックもフォローしてもらうようにしました。今は松岡と非常にいいコンビが組めています。チャレンジ&カバーはしっかりとできているので、しっかりと守れていると思います」
広島皆実・⑦浜田晃
「皆で声をかけて、あと1点取るまでやろうと最後までやった。1点取って、守りに入らないようにした。今、監督も選手も一体になっているし、それがうちのカラーだと思います。みんな調子がいいと僕らも感じているし、それを次にしっかりと生かしていきたい」
四日市中央工・樋口士郎監督
「広島皆実はうちと同じようなタイプのチーム。相手はボールにプレスしてきたし、うちはものすごく下がってしまった。ボールプレスにいけるのがうちの特長だったのに、それができなかった。コンパクトにしようとしても間延びしてしまったところがあった。本当に広島皆実はよく似たタイプで、局面局面のマッチアップがキーになると思っていた。マッチアップをハッキリして戦うことをやってきましたが、どうしても相手のサイドバックが高い位置を張って押し込まれたり、センターバックのスライドが甘かったりと、おかしくなってしまった。ズルズルと下がってしまったところもあった」 |