3回戦
1月3日(土)/14:10キックオフ/神奈川県・等々力陸上競技場/観客7500人/試合時間80分
大津 3(2-0、1-2)2 藤枝東
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見ごたえのある好ゲームは、前半の貯金がモノをいった大津が制した。
大津の先制ゴールは前半13分。⑧谷口彰悟のシュートが⑩西田直斗に当たり、足元にこぼれてきたところを⑨黒木一輝が決めたもの。ただ、完全に崩されたという形ではなく、藤枝東にしてみればアクシデントっぽいゴールで、この1点はそれほどダメージにはならないだろうと思われた。
しかし、前半25分に大津が2点目を挙げる。このゴールは見事だった。右から⑪鵜木俊介がクロスを送る。ただこのボールは藤枝東DF②増田有岐の元へ。増田が待ち構えてクリアしようとするところ、その足の前に大津⑩西田が飛び込んできて合わせた。ヨーロッパのクラブのゲームでもよく見かけるシーンで、味方に合わせようとするボールよりもDFとしては非常に守りにくい。
日本代表のように……とはいわないが、クロスがなかなかゴールに結びつかないというチームは、お手本にしたいようなファインゴールだった。
0-2で折り返す。相手はインターハイ3位で、タレントが各ポジションに散らばり、技術レベルも高い──そんな状況で藤枝東は後半を迎えなければならなかったが、2ゴールを目指し、よりテンションを上げて後半に入っていった。「玉砕覚悟」というような悲壮感もない。ただただ「自分たちは必ず追いつけるんだ」という信念と自信を持って戦っているように見えた。
そして後半10分、左サイド、角度のないところからの⑳海野智之のゴールで1点返すと、会場全体の雰囲気は一気に同点を予感させるムードに傾いていった。
ところが、このムードを断ち切ったのが、大津・平岡和徳監督の決断だった。⑪鵜木、⑦蔵田岬平の2人の2列目を、⑮藤崎裕太、⑰澤田崇に交代させた。
その交代から6分後の後半20分、後半ここまで、藤枝東の鋭い出足に何もできなかった大津が、歓声と悲鳴が交錯する3点目を奪う。
交代で入った⑮藤崎が右サイドのスペースでボールを持つと、シザーズとダブルタッチを織り交ぜながらゴール方向へ仕掛け、ザクッと縦へ切り返すと、右足で左スミへクロスシュートを突き刺した。藤崎はこの後も何度か藤枝東ゴールを脅かすプレーを披露。「なんでこの選手が控えなんだろう?」と思わせるキレキレのドリブルが、大津に復活のエネルギーをもたらした。
だが、それでも藤枝東はあきらめないし、めげなかった。「ハードワークができる選手たち」と大石和孝監督も自信を持つその体力と精神力は、最後まで折られることはなかった。34分、セットプレーからチャンスをつかみ、最後は⑤岡崎太一が押し込んでまた1点差。4分あるロスタイムを勇気に変えて同点ゴールを目指したが、わずかに及ばなかった。
さて大津。苦しみながら、それでも難敵でしかも伝統校でもある藤枝東を、力づくで押さえつけたという感じで下した。攻撃陣の華麗さがクローズアップされがちだが、どつき合いに耐えたようなこういう勝ち方ができるのは、トーナメントを勝ち上がっていくために、すごく大きな要素だと思う。
大津・平岡和徳監督
「厳しいゲームになるとは思っていたが、そこに屈せずに選手たちが頑張ってくれた。一人一人が役割分担をしっかり果たした結果だと思う。(ベスト8は)まずはしっかり休んで、相手を観察していいゲームができるように頑張りたい」
大津・⑨黒木一輝
「前の試合で決められなかったので、この試合で得点できてよかった。1試合1点ずつ取れるようにすれば、勝ちに貢献できると思う」
大津・⑩西田直斗
「プレッシャーが速くて、なかなか自分のプレーができなかったが、昨日ゴールを決めて、今日も絶対ゴールを決めてやろうと思っていた。自分のゴールでチームが勝てれば、それがいちばんいいこと」
藤枝東・大石和孝監督
「前半0-2でもいけると思っていたが3点目が余分だった。左サイドの弱い部分を突かれてしまった。後半は立ち上がりから積極的にいくしかなかったが、ハードワークができる選手たちなので、絶対に追いつくというつもりだった。流れもよかったが1点が遠かった」
藤枝東・⑥小林勇輝
「(大津は)個々の能力が高く、厳しい試合になると思っていた。でも自分たちのサッカーも通用した。あとはフィニッシュのところで確実に決めていれば……。フィニッシュの差が出たと思う」 |