3回戦
1月3日(土)/12:05キックオフ/神奈川県・等々力陸上競技場/観客6000人/試合時間80分
鹿島学園 3(2-0、1-1)1 情報科学
|
前半と後半で別の試合を見ているようだった。特に情報科学は全く別のチームだった。前半から後半のような戦い方ができれば、得点経過も試合内容も、ずっと後手に回る展開にならずに済んだかもしれない。
鹿島学園が、ゆったりパスを回しながら試合は立ち上がっていった。最初は、情報科学が落ち着いて回させている、鹿島学園の出方を慎重にうかがっている、そう思っていた。ところが10分、早くも鹿島学園に先制点が生まれる。左サイドから⑭金井洵樹のクロスに、166センチと小柄な⑨忍穂井大樹がDF2人の潜り込むように入ってヘディングで合わせた。
「これで情報科学もなんとかしなきゃならないだろう」と思った矢先の3分後、今度は右クロスから鹿島学園が追加点を挙げる。⑨忍穂井の折り返しに、ゴール前でダイビングヘッドをヒットさせたのは、右サイドバックの②阿渡真也だった。
2-0。相変わらず鹿島学園はゆったりとしたパス回しから仕掛けのチャンスを狙う。相変わらず情報科学はパスが通った先へ出かけていくだけ、という感じになってしまっていた。
ただ、すべて情報科学の悪い面だけのために鹿島学園が2得点したかというと、決してそんなことはない。緩いペースのパス回しから、⑨忍穂井が突然ギャッと走り出してペースを変えるなど、崩しの工夫も随所に見受けられた。右サイドバックが、右サイドからのクロスに合わせて奪った2点目も、どうして②阿渡がゴール前に進出していたのか、ちょっとわからなかった。受け身でゲームに入ってしまった情報科学が目覚める前に、動きに変化をつけて2点を取りきったからこそ、きっちりゲームを仕留めることができたわけだ。
後半、ようやく情報科学が走り始めた。相手ボールに対するチェイスも、ただ追いかけているだけでなく、鹿島学園に対するプレッシャーとしての機能を果たすようになった。
そして後半12分に、この試合初めてといえるビッグチャンスをつかむ。前半から孤軍奮闘という感じだったボランチ⑤河野斗馬が、エネルギッシュなドリブルでセンターに突っ込んでいき、右横の⑪高平幸樹へ。高平はうまくステップを踏んでシュートを打ったが、戻ったDFにブロックされてしまった。
情報科学が1点取れば、まだわからない。そんな雰囲気で試合は進んでいったが、次の1点を奪ったのは鹿島学園だった。後半29分、⑦小黒翔太が右サイドでボールを受けるとセンターへドリブルで切り込み、左足で左スミへ流し込んだ。
後半37分、情報科学も左CKのこぼれ球を⑦瀧本貴哉が蹴り込んだが、それも、最後の最後まで後手後手になってしまった情報科学の戦いぶりを、いっそう浮き彫りにするような印象になってしまった。
初戦を国立で飾り、2回戦では野洲を撃破し、ますます乗ってきた感じの鹿島学園。次の相手は、これも強豪・大津で、正直いって大津有利の予想が大方だろうが、なんだかひょっとすると……という雰囲気はプンプンにおっているのである。
鹿島学園・鈴木雅人監督
「苦しいゲームになると思っていたし、後半はその通り防戦一方の場面もあったが、選手が耐えて勝ってくれてよかった。前半、いいリズムで得点できたが、後半は風下、疲れもあり、相手のパワーにも押し込まれた。この後も一戦一戦チャレンジ精神で戦っていきたい」
鹿島学園・⑨忍穂井大樹
「今日は苦しい試合になると監督にいわれていた。立ち上がり、早い時間に得点を決めることができてよかった。最高です。FWなので、また自分が点を決めてベスト4に行きたい」
鹿島学園・②阿渡真也
「(後半苦しむ場面もあったが)自分たちも、これまで走りこんできた。苦しいときには、そういうのを思い出してプレーしている」
情報科学・中津留正三監督
「前半の失点が最後まで響いた。後半に入って、気持ちが吹っ切れたのか悪くなかったが、ゴールを割れなかった。早いクロスや、一瞬のスキでやられた」 |