2回戦
1月2日(金)/14:10キックオフ/埼玉県・さいたま市駒場スタジアム/観客968人/試合時間80分
四日市中央工 2(1-0、1-0)0 山形中央
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「スカウティングして、やろうとしていたことはできていました」(四日市中央工・樋口士郎監督)
スカウティングから導き出した答えは「相手は人についてきて、一人が一人を見る形だったので、それを利用して裏を狙ったり、2列目から飛び出すこと」(⑪近藤悠矢)というものだったが、その狙いはピタリと当たった。
四中工は立ち上がりから試合の主導権を握った。開始わずか2分、⑭稲森睦が長めのスルーパスをドンピシャのタイミングで⑰榎信博に送っていきなりビッグチャンスを作る。そしてその1分後には得点が生まれた。⑭稲森のCKをGKが処理し切れず、ファーサイドに流れてきたボールを「触って入れるだけだった」という⑪近藤が体で押し込み先制点を奪った。
四中工は幸先よくリードを奪ったことで、さらに勢いに乗る。ポジディブ・トランジション(守から攻の切り替え)をスピーディーに行い、縦に早くボールを運んで相手DFラインの裏を狙うのが四中工の攻撃の基本線。そういった狙いはともすれば一本調子になりがちだが、四中工の攻めは決して単調にはならなかった。
「彼はボランチでも前目の意識を持っているので、トップ下のところでああいうプレーができている時がうちのペース。ああいうセンスを持っている」(四日市中央工・樋口監督)
指揮官がそう評価する⑭稲森がリズムに変化を与えていた。
予選では勝利を優先して封印していたサイドバックの攻め上がりも「どんどん行こう」(樋口監督)と解禁。四中工の攻撃は縦に速いだけでなく厚みもあった。25分には左SB⑤樫原直也の果敢なオーバーラップから⑰榎が決定的なヘッドを放っている。四中工は中央、サイドをうまく使い分けて相手を揺さぶっていた。
一方の山形中央も沈黙していたわけではない。四中工に押し込まれはしていたものの、反撃のキバは隠し持っていた。「蹴ってきたのでやりにくかった」と⑪近藤が振り返ったように、山形は素早い攻守の切り替えから速攻をもくろんだ。体格のいい⑨柏倉勇樹を中心に、多少無理な状態からでも強引に仕掛ける力強さがあり、シュートの意識も高かった。25分にはカウンターから⑩酒井誠が鋭いクロスを入れ、DFの頭を超えていれば1点というシーンもあった。
しかし、後半に入ると天秤は完全に四中工に傾いた。6分にCKのこぼれ球を⑱豊田和斗が思い切りたたき込んでリードを広げると、あとは四中工のワンサイドゲームとなった。
四中工が押し込む時間が長くなると、山形はゴール前に張り付くだけとなってしまい、ボールを奪ってもセンターライン付近にいるFWに放り込むだけ。前線と中盤の距離も離れているためセカンドボールも拾えず、防戦一方となってしまった。
後半の四中工にあって、ひときわ輝いていたのは⑪近藤。「体が強いほうではないので、味方を使って抜いたり、逆を突くところが持ち味」という右サイドハーフはその自己紹介どおりのプレーでチャンスを作っていく。相手DFがカットにきたところを右足アウトのパスでスッといなしたり、体勢不十分のときでもクルッと回転しながらダイレクトでボールをはたいてつないだり、ときには簡単にサイドに展開したりと、随所に長所を披露していた。
後半、四中工が11本ものシュートを浴びせたのに対し、山形は半分以下の4本。「後半は決定的なチャンスがいくつかあったので、そこできっちりと決めていれば、もっと楽にできたかなと思います」と樋口監督が語ったように、内容的には両者の間にスコア差以上の隔たりがあった。
四日市中央工・樋口士郎監督
「スカウティングして、やろうとしていたことはできていました。初戦にしてはよかったと思います。後半は決定的なチャンスがいくつかあったので、そこできっちりと決めていれば、もっと楽にできたかなと思います。サイドバックからどんどん行こうという話をしました。予選では勝つために封印しましたが、全国に出たらそういうことを第一に考えていこうと。(⑭稲森がよかったが?)彼はボランチでも前めの意識を持っているので、トップ下のところでああいうプレーができているときがうちのペースだなと。ああいうセンスを持っている。(守備が安定していたが?)DFラインは安定しています。予選以降、またよくなっています。センターバックは高さがあって、サイドバックは一対一に強いので、ある程度守れるかなと思っています」
四日市中央工・⑭稲森睦
「得点したのは11番だと思うんですけど、誰を狙ったとかじゃなくて。僕らはサインがあるので、サインどおりにやった感じ。流れの中から点が取れなかったので、そこは改善しなくちゃいけないところだと思います。(点を取った後は)なかなか取れなかったけど、しっかりがまんして、後半に2点目を取れたので、そこはいいところだと思います。(次の試合は?)今日みたいにしっかりとチームをまとめて、攻守に渡って運動量を増やして、セカンドボールを拾ったり、攻守に渡って起点になれればいいと思います」
四日市中央工・⑪近藤悠矢
「ボールがよかったので決めるだけ。触って入れるだけという感じでした。先取点が入って楽になったところはあります。相手はボールを蹴ってくるのでやりにくかった。自分は体が強いほうではないので、味方使って抜いたり、逆を突くところが持ち味です。今日は決定機で決められなかったし、ディフェンス面でもまだまだ甘かった。初戦としてはよかったけど、次は相手が強くなるので甘さをなくさないと勝てない。決めるときに決められていればもっとよかった。流れがよくても決めきれないと、形だけになってしまう」
四日市中央工・⑱豊田和斗(四日市中央工)
「いいところにこぼれてきたので思いっきり打つだけでした。決まってよかった」
山形中央・②関口和弥
「セカンドボールをなかなか拾えませんでした。自分たちのサッカーがあまりできていなかった。点を取られたので前に行くしかなく、リスクを負って攻めたのですが……」
山形中央・④山岸和樹
「苦しい展開で最後まで戦ったのですが……。相手は情報より強くて、予想と違いました。自分たちのサッカーがやれなかった。DFのヘディングが強くて跳ね返されて、それでペースに持っていけなかった。3年間の集大成なので、悔いが残らないようにやりました」 |