2回戦
1月2日(金)/14:10キックオフ/埼玉県・埼玉スタジアム2002/観客6,000人/試合時間80分
近大和歌山 1(1-0、0-0)0 長崎日大
|
主導権を握られながらも、
近大和歌山が守備力で2回戦を突破 |
試合後、長崎日大・亀田陽司監督とFW⑰前田大智が敗因として挙げたものは、「技術のなさ」だった。しかし試合は、技術の長崎日大、守備の近大和歌山というくっきりとした輪郭を持っていた。果たして、敗因は何だったのか――。
前半の立ち上がりは、五分の展開。両チームともボールが落ち着かず、主導権の奪い合いになっていた。そして19分、この日唯一の得点が入る。近大和歌山⑦木村祥吾が、ペナルティーエリア内にドリブルで進攻したところで相手に体当たりされ、PKを獲得。これを②谷口総康が決めた。
その後は、技術に勝る長崎日大がボールを支配。近大和歌山・川合寛征監督はここで明確な指示を出す。「スペースを与えるな」。両サイドバックは攻撃参加を控え、前線、中盤、最終ラインで3ラインを形成。一糸乱れぬ連動したプレスを見せた。たとえバランスが崩れて、サイドのスペースでドリブルを許しても、素早く帰陣し、ピンチを最小限に食い止めた。特に圧巻だったのが、センターバックの④岩橋香季と③徳田雄大の2人。高さと強さを兼ね備え、裏のスペースのカバーにも抜かりがなかった。
攻撃でも戦術は明快だった。得点後は、プレスで奪い取ったボールをシンプルにつなぎ、リスクを犯さない攻撃に終始。チャンスの回数は減ったが、終盤は前掛かりになっていた相手の裏を突き、決定的なシーンを作り出している。試合は、川合監督の指示を忠実にやり切った近大和歌山が狙い通りに逃げ切った。
敗れはしたが、長崎日大は長崎県代表に恥じない戦いを見せてくれた。個々の技術レベルでは一日の長があった。チャンスメーカーで攻撃の柱だった⑩岩永快平は、クライフターンやアウトサイドでボールをすくい上げるシャペウまで披露した。3バックと4バックのシステムを併用し、どちらのスタイルでも中盤でボールを支配できた。ただトップの⑰前田が厳しいマークに合い、くさびのボールが収まらなかったため、2列目が裏へ抜け出すシーンを作れず、チャンスを広げられなかった。
前回大会でも2回戦を突破した近大和歌山。かたや初出場ながら「(県予選で)国見を倒した自負がある」長崎日大。自信だけでは勝ちあがれない選手権。経験がものをいう世界に、長崎日大は引きずり込まれたようだった。
近大和歌山・川合寛征監督
「うちは相手に比べて足が遅いし、反転も遅かったので、とにかくスペースを消そうと思っていた。それは忠実にやれていた。DFの岩橋、GKの辻(①辻柾次)を含め、よくがんばった。これからも毎試合全力で戦うだけ」
長崎日大・亀田陽司監督
「リスクを負って前にでるために、最後は2バックでやった。相手は高さ、強さがあった。国見を倒した自負があったので、恐れはなかった。失点は前半だったし、焦りはなかった。ここ数カ月、無得点で終わったことがなかったので、今日も得点できると思っていた。ボールを運べても、最後の壁を破るのは技術。止める、蹴る、見る、しゃべる、考える。もうワンランク上にいくためには、すべてにおいてまだまだ。次世代にこの課題をつなげていかなくてはいけない」
長崎日大・⑤柿本啓太郎
「やろうとしたことはできた。ただもっと前半からゴールに向かう気持ちが必要だった。相手は高さがあり、ハイボールをはじかれていた。もっと足元でつなげることができればよかった」
長崎日大・⑰前田大智
「前の試合より緊張はなく、楽に試合に入れた。くさびのパスに対して、厳しく当たられて、ボールを収められなかった。技術が足りなかった」 |