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Match Report マッチレポート


第87回全国高校サッカー選手権大会 レポートコラム Supported by gol.japan (株)カレッジリーグ エーライン事業部

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卒業生に贈るメモリアルボール (株)カレッジリーグ エーライン事業部

トーナメント表
大会概要
2008/12/31

第87回全国高校サッカー選手権大会

寺下友徳(フリーライター)取材・文

1回戦

12月31日(水)/12:05キックオフ/千葉県・柏の葉総合競技場/観衆2600人/試合時間80分

前橋育英 2(1-0、1-0)0 京都橘

得点者
(前)米田、六平

1・2年生多きフレッシュ対戦
チーム経験値高き前橋育英の快勝

 高校サッカーの試合レポートとしてはいささか唐突ではあるが、人生において「はじめての経験」というものは多くの緊張を伴うものである。ましてや、その経験が多くの注目を集める全国大会という場ならば? 緊張度は想像を絶するものとなるに違いない。

 過去には1998年フランスW杯日本代表のMF山口素弘、現役JリーガーでもDF松田直樹(横浜FM)、MF青木剛(鹿島)など数多くの名選手を輩出し、これが3年連続14回目の選手権出場となる高校サッカー界の名門・前橋育英と、今大会が選手権初出場となる京都橘との1回戦は、そんな人生の摂理が如実に現れた試合展開となった。

 この試合、早々に主導権を握ったのは前橋育英。2分、まずはJ2草津入団内定の右MF⑩佐藤穣が中へと得意のドリブルで仕掛けると、今度はFW⑬西澤厚志が絶妙のワンタッチコントロールでペナルティーエリア内へと飛び出すボランチ⑭米田賢生へ。「相手がブロックを作ってリトリートするトレーニングはやっていた」と今季が就任26年目となる名将・山田耕介監督も胸を張ったブロック崩しのお手本のようなゴールで先制に成功する。

 その後も彼らは、「こういう雰囲気は初めてなので、地に足が着いていなかった」(①片岡新之助キャプテン)京都橘のディフェンス陣をあざ笑うかのようにボールを支配。試合開始から23分間は相手に1本もシュートを打たせないなど、ゲーム序盤は完璧なポゼッションサッカーを展開してみせた。

 もちろん、京都橘にも全く見せ場がなかったわけではない。このように苦しい前半をなんとか1失点でしのぎきると、「0-1ならOKと思っていた」という米澤一成監督から、ハーフタイムに「後半の入り方だけ気をつければいける」と元気をもらって送り出され、スタメン11名中7名がJ1京都のジュニアユース出身者らしい、足元のテクニックと立ち姿美しきボディーバランスを利して、ボール支配率で前橋育英を上回った。後半キックオフからの20分間は、「いい選択をしながら、相手にサッカーをさせない」チームコンセプトを、十分具現化できたといえるだろう。

 しかし、そこは百戦錬磨の前橋育英・山田監督。後半5分には期待の1年生、185センチのFW⑮小牟田洋佑を投入。184センチのFW25皆川佑介とのツインタワー体制を敷くと、迎えた27分、その⑮小牟田が相手DFを引っ張ることにより、バイタルエリアでフリーとなった25皆川のポストプレーから絶妙のスルーパスがペナルティーエリア内へと放たれる。

 そこに走りこんでいたのは、これまで⑭米田とのダブルボランチで再三敵のラストパスを封じていた⑦六平光成。かくして、まるで実父である俳優・六平直政氏が演じる役どころのような渋いゴールがネットを揺らした瞬間、勝敗は決したのである。

 ちなみにこの対戦においては、両チームのスタメン11名中、6名ずつがフレッシュな1、2年生と年齢的な差は全くなし。加えて先述のとおり、技術的にも両者に大差は見られなかった。

 それだけに「今日は硬さもあったし足元のパスを狙われたが、その中でも結果を残せたのが大きい」と振り返った前橋育英MF⑩佐藤の言葉どおり、前橋育英と京都橘の全国経験値差がますます際立つ形となったこのゲーム。京都橘と同じく選手権初出場となる武蔵工大二との2回戦でも、彼らのかけがえのない「経験値」は大きな威力を発揮することだろう。

前橋育英・山田耕介監督
「立ち上がり、⑭米田のゴールの後にビックチャンスもあったし落ち着いてできればよかったが、相手がリトリートする中で、パスを相手に引っかけてしまうことが多かった。後半は⑮小牟田を出して、25皆川との2人をターゲットに使って打開しようとして、そこで2点目を取れて、さらにそれをやればバイタルエリアも空くのでもっと点を取ろうとしたのですが……。初戦は難しいです。でも、あまりよくない中勝てたのは、よかったと思う」

前橋育英・⑭米田賢生
「(先制ゴールは)立ち上がりなのでシュートを打とうしたら入った。ウチはくさびが入ったときが攻撃の合図だが、主導権を握れてもリトリートされてうまく攻められなかった」

京都橘・米澤一成監督
「相手が立ち上がりからくることは十分予測していたが、わかっていてもいかれてしまった。一瞬のスキを突くところが違うし相手が強かった。いつもどおりができなかった。だだ、次の世代に向けてこのステージでやれたことは収穫だったと思う」

京都橘・⑭河合二三弥
「前橋育英とは個人のフィジカルに差があった。ボールキープしようとしても、いつもならキープできるのに相手の体が強くてできなかった。感覚としては大学生に近い感じがした」

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