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Match Report マッチレポート

第86回全国高校サッカー選手権大会

トーナメント表
大会概要
2008/1/2

第86回全国高校サッカー選手権大会

神谷正明(フリーライター) 取材・文

2回戦

1月2日(水)/12:10キックオフ/埼玉県・埼玉スタジアム2002/観客11000人/試合時間80分

埼玉栄 3(1-1、2-1)2 ルーテル学院

得点者
(埼)伊波2、小野 (ル)秋吉2

 埼玉栄とルーテル学院はともに初出場ということで、両チームとも緊張でなかなか思ったように動けないのではないかと予想していた。が、全体的には両チームとも意図した通りのサッカーができていたように見えた。しかしそれでも、ちょっとした場面では集中力を欠いてしまい、それが互いの失点につながった。

 立ち上がり8分、埼玉栄先制点のシーンでは、縦のボールに対してルーテル学院のDFが軽率にスライディングをして届かず、⑪菊地渉の余裕を持った折り返しに、ゴール前ど真ん中で待つ⑨伊波絢に合わされた。

 ルーテル学院に同点弾が生まれた場面も、⑨山本大貴の左サイド突破に対して埼玉栄のDFラインは完全にボールウォッチャーになってしまい、ゴール前にはDF2人がいたにもかかわらず、一枚だった⑩秋吉泰佑を完全にフリーにする不注意でゴールを許した。

 そしてルーテル学院逆転ゴールのシーンは後半立ち上がり1分と、サッカーでは最も集中を切らしてはいけないといわれる前後半の開始終了5分間に生まれたもの。それも埼玉栄が不用意なファウルでPK献上というものだった。

 さらに52分の埼玉栄の同点シーンも、ルーテル学院守備陣の集中不足。相手の攻めをしのいだと思って気を抜いてしまい、セカンドボールを拾われてロングフィードを入れられたときに、⑨伊波を完全にフリーにしていた。

 ただ、そういった局地的なミスを除けば、両者とも見応えのある試合を展開していた。失点の場面も、視点を変えれば、それぞれ相手のミスを確実にゴールに結びつける勝負強さを見せたと評価もできる。

 埼玉栄は4-2-3-1のフォーメーションを敷き、ボールを取ったらシンプルにサイドへつないでルーテル学院を攻略しようとした。特に右サイドからの攻撃に非常に興味深い形があった。1トップの⑨伊波が右サイドに流れて起点となるか、あるいは右ウイングバックの⑦矢野裕貴がそのまま突破を仕掛け、彼らのクロスに対して左ウイングバックの⑪菊地がゴールに向かって斜めに飛び込んでくる。この形は、スペインリーグを見ている人なら懐かしいと思うかもしれないが、数年前のデポルティーボのルケの得点パターンを思い出させるものだった。

 対するルーテル学院は最初4-3-2-1で試合に臨んだが、「バランスが良くなかったので前半途中から3-3-3-1に変えた」というように、完全に後手を踏んだ。フォーメーションを変えた後も、相手の右サイドアタックには手を焼いていたが、後半に入るとDFラインと中盤がうまく連係を取ってサイドにふたをして対処できるようになっていった。

 ルーテル学院は攻撃もなかなか面白かった。特徴的な攻めの一役を担っていたのは試合開始時には左サイドバックに入っていた⑨山本。3-3-3-1になった後は中盤底3枚の左に入ったが、チームがボールを持てば積極的に前線までかけ上がり、左サイドでチャンスを作った。25分にルーテル学院が同点に追いつくシーンでも、その攻め上がりがゴールを呼び込んだ。

 試合は65分、⑩砂川太貴世のCKに⑤小野宏太がヘッドで合わせて埼玉栄が勝ち越し。結果的にこれで勝負は決まるが、ルーテルも最後まで相手ゴールに迫って一歩も引かなかった。終了間際には⑥野添が決定的なシュートを放った。埼玉栄GK①柳沢昇一のビッグセーブがなければ2-2の同点でPK戦に入っていただろう。

 80分を通してみれば埼玉栄が優勢に試合を進めていたが、ルーテル学院も惜しい場面を何度か作っており、どっちが勝っていてもおかしくない好ゲームだった。

埼玉栄・磯貝一直監督
「この初戦が大事だと思っていたし、先制点も取れた。思っていたより緊張せずにやれていた。(逆転されたが)今までの大会でも点を取られてから追いついて、逆転というのがあったので、逆転されてもやり方を変えずに点を取れるという気持ちで全うした。(ルーテルは)選手一人ひとりの技術が高く、スピードもあり、シンプルにやってきたのでマークしづらかった」

ルーテル学院・島村征志監督
「ちょっときれいにやろうという感じが強かった。先制されてガタガタ崩れるかなとも思ったが、よく落ち着いてプレーしてくれたと思う。(埼玉栄は)サイドの選手が強く、特に⑦番(矢野)がキーになると思っていたが、⑨番(伊波)もうまかった。最初4-3-2-1でスタートしたけど、バランスが良くなかったので前半途中から3-3-3-1に変えた。それからはバランスが取れたと思うし、練習や予選でもその形がうまくいっていた」

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