2回戦
1月2日(水)/14:10キックオフ/埼玉県・駒場スタジアム/観客4099人/試合時間80分
近大和歌山 2(1-0、1-1)1 前橋育英
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1回戦の両チームの試合を見て、近大和歌山と前橋育英が2回戦でぶつかるのは本当にもったいないと思っていた。それだけどちらも光る逸材がそろっている。結局、前橋育英が敗退することになってしまったが、多くの高校サッカーファンにその戦いぶりを焼きつけておいてほしかったと思う。
開始2分の近大和歌山の先制点は、1回戦の反省を生かしたことから生まれたものだった。1回戦、前半5分に失点した近大和歌山は、「立ち上がりから思い切ってやろう」(川合廣征監督)と序盤からアクセルを踏み込む。ハーフウェィラインやや右からのFKが風で流れてゴール左に抜けると、走り込んだ⑧浦島彰洋が折り返し、中央で⑪宮本宗弥がヘッド。決して威力のあるシュートではなかったが、ゴール手前でバウンドし<GKの手をすり抜けた。
その後は前橋育英⑩廣瀬智靖がテクニックを駆使し次々チャンスを作っていく。前半13分には⑩廣瀬のヒールパスからシュートチャンスが生まれ、前半26分にはスルーパスに⑥笛田祥平が抜け出してシュートを放つが、わずかに枠を外れた。前半32分と35分には、1回戦で決勝ゴールを決めている⑮喜屋武聖矢が決定機を迎えたが、2度ともDFに体を投げ出され、ゴールラインを割ることができなかった。
後半に入っても前橋育英が押し気味に試合を進める展開は変わらなかった。前橋育英・山田耕介監督は「相手は引いていて、あれだけDFがいっぱいいると突破できない」というように、近大和歌山の狙いが“1点の死守”にあるように思われた。しかし近大和歌山に守り切るという意識は微塵もなかった。ハーフタイムには「3点取るまでいけ! 取られたら取り返せ! 取ったらさらに取りにいけ!」と川合監督は指示している。
そして後半14分、右CKの混戦から②鈴木康平がヘッドで押し込み、前橋育英が同点に追いついた。この同点ゴールがターニングポイントになったように思う。この得点でお互いの心理状態が決定づけられた。
前橋育英イレブンの頭をよぎったのは、1回戦の5-4という乱打戦。この試合の終盤は、取っては取られの連続だった。「一昨日の4失点がまだ断ち切れていなかった」(前橋育英・山田耕介監督)。また取られるんじゃないか――。自分たちが攻め込んでいるにも関わらず、前橋育英は不安を感じながらプレーをしていた。
一方、同点とされた近大和歌山は「取られたら取り返せ!」という攻めの意識がさらに加速していく。
そして後半18分、近大和歌山のカウンター攻撃。中央右のルーズボールを、⑦土屋翔平が一瞬早く触ってDFを振り切ると、一気に右サイドを突き進みクロス。ファーサイドにフリーで走り込んだ⑨谷口友隆がワントラップから思い切り蹴り込んだ。
前橋育英は後半24分、⑩廣瀬がDFとの1対1を、体のフェイクとスピードで抜きさり、左足でシュートを放つもクロスバーに嫌われるなど、最後まで2点目が奪えなかった。
1回戦の課題をしっかり修正した近大和歌山に対し、修正し切れなかった前橋育英。U-18代表の⑩廣瀬は「改善ができていませんでした」と力なく語った。前橋育英は他にもU-18代表の⑤青木拓矢ら豊富なタレントを擁し、頂点を目指せるチームだった。その技術の高さは随所に見られ、特にプレッシャーをかけられた中でも冷静に判断できる能力はハイレベルなものだった。それだけに2回戦での敗退は惜しまれる結果だった。
近大和歌山・川合廣征監督
「守りに入ると、相手はテクニックがあるのでDFは持ちこたえられないと思っていました。それと相手は動き出しが早いからボールウォッチャーになるなと指示しました。立ち上がりから選手は意欲的にやってくれたと思います。同点になっても弱気にならなかったです。頑張らないと次につながらないですから。たとえ負けたとしても結果ですから仕方ないと思っていました」
前橋育英・山田耕介監督
「もったいない試合でした。うちの選手は力があるのに……。もっと3人目の動きやダミーの動きをしないと、あれだけの人数のDFは突破できないと思います。生徒たちにはごくろうさんといいたいです。サッカーはこれで終わりじゃないんだぞと」 |