1回戦
12月31日(月)/12:10キックオフ/千葉県・市原臨海競技場/観客4431人/試合時間80分
野洲 1(0-0、1-0) 0韮崎
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2年前の選手権で、「セクシーフットボール」と呼ばれるスタイルが高校サッカー界に驚きを与えた、野洲の1回戦。昨年はスーパースターの乾貴士(現横浜FM)を擁しながら3回戦で姿を消してしまったが……。
果たして今年の野洲はどんなチームなのだろうか? そしてそれを迎え撃つ、韮崎はどんな戦い方を見せるのか。今、注目の試合が始まった。
試合開始と同時に、ショートパスを使いながらボールポゼッションを取って攻める野洲。基本となるスタイルは今年も変わらなかったが、パス回しは例年よりもぎこちなく感じられた。その理由について、山本佳司監督はこう語る。
「選手権本大会の抽選が終わってから今日まで、1カ月くらいの期間がある。これが曲者で、相手チームはこの期間に野洲のサッカーを研究してくる。今日の韮崎も5バックのような形で、ウチにスペースを与えてくれなかった」
3-5-2システムの野洲の両サイド、⑥上田大輔と⑦藤野友貴はドリブルの得意な攻撃的な選手。しかし、このドリブラー2人に送られるパスを出足良く韮崎がインターセプトし、逆にカウンターを狙う場面が多く見られた。おそらくこれは韮崎の作戦どおりだったのだろう。
こうしてサイドから攻める得意な形を封じられたうえに、今日の野洲にはイマジネーションが感じられない。
シザーズ、ヒールパスなど選手個人のテクニックはさすがと思えるものの、過去の野洲はそれにプラスして流動的なポジションチェンジから、豊かなグループ攻撃を見せることが大きな特徴だった。しかし、今日の試合ではそれが少なかったのが残念だ。
こうなれば韮崎のペースか……と思いきや、こちらにも誤算が一つ。それは「風向き」だった。
計算どおりに野洲のパスミスを誘ってボールを奪い、すぐにロングフィードを行うのだが、ボールが風に押し戻されて前線まで届かない。それならばショートパスを使ったり、低いシュート性のパスを蹴ったりと、技術の幅を見せてほしかったところだが、韮崎の選手からはそうした試みはなかなか見られなかった。
韮崎は追い風になった後半こそ、怒とうの攻め上がりで何度か決定機を作ったものの、前半に関しては野洲のゴール前までボールを運んだのはわずかに1回。守備が機能したおかげで野洲に作らせたチャンスも少なかったが、攻撃面では物足りなさが残った。
というわけで、試合全体を通じてなかなか力を発揮し切れなかった両チームだったが、野洲は後半の59分、途中出場で入った⑱福原拓己が左サイドを駆け上がってクロス。これを⑩坂本一輝がヘディングで叩き込んで先制し、結局これがこの試合唯一の得点に。野洲は、ギリギリの勝利で1回戦突破を決めた。
もはや野洲が相手チームに研究されるのは宿命ともいえる。それを乗り越えるクリエイティビティを、次の試合には期待したいと思う。
野洲・山本佳司監督
「ウチは1、2年生が多いですからね。フィジカルである程度圧倒されるのは予想していました。セクシーフットボール? いや、今日は全然セクシーじゃないですよ」 |