1回戦
12月31日(月)/12:10キックオフ/東京都・西が丘サッカー場/観客6088人/試合時間80分
帝京 3(0-0、3-0)0 済美
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東京のみならず全国のファンにとっても「高校サッカー」の代名詞である、カナリア色のユニホームが全国の舞台に帰ってきた。西が丘サッカー場は5年ぶりに選手権出場を果たした帝京を見ようと、6088人もの観客で膨れ上がった。通路を埋め尽くす立ち見客の多さが、帝京人気の高さを物語っていた。
帝京は初優勝時のキャプテンである廣瀬龍監督が率いてからは、初めての本大会出場。古沼貞夫元監督によって成し遂げられた、6回の全国制覇はすでに過去のもの。廣瀬監督が出場決定時に語った「初出場のつもりで挑む」という言葉は、紛れもなく本音だろう。実際に帝京の試合の入り方は、初出場校にありがちなものだった。
「思った以上に過緊張になって、思いどおりのゲーム運びができなかった」と廣瀬監督が振り返ったように、32回の出場回数を誇る伝統校は、これが3度目の出場となる済美の攻撃に何度もピンチを迎えた。
済美は愛媛県大会のMVP&得点王である1トップの⑭篠永諒が、前線を自由に動き回り、後ろからのパスを引き出し、スピードを生かしてシュートに持っていく。特筆すべきは⑭篠永などに供給される、DFラインからのロングボールの精度の高さだった。
済美のCBの⑩西村雄太、⑨藤田怜史がつけているのは、「10番」と「9番」という、一般的には攻撃の選手の番号。実はこれ、コンバートの名残(なごり)。前回大会に攻撃的MFとして出場した⑩西村は今年の8月に中盤から、⑨藤田は大会2週間前にCBのレギュラーにケガ人が出たことでFWのスーパーサブからCBのレギュラーに回ったのだという。しかし、足元の技術があって、高さも十分な済美のCBは、“急造”であることを感じさせなかった。
前半は硬さが見られる帝京を相手に、済美が有利にゲームを運ぶ。それだけに、14分にオーバーラップした⑩西村のパスから⑭篠永がフリーで打ったシュート、16分の帝京DFのパスを高い位置でカットした⑪大谷庸平のクロスに⑭篠永が合わせたシュート、この2つの決定的なチャンスを外したのが痛かった。
後半に入って54分、帝京・廣瀬監督はMFの⑧小磯雅に代えて、DFの⑬日永田祐作を投入。システムを3-5-2から⑬日永田を右サイドバックに入れた4-4-2にチェンジする。これは済美の4-5-1というシステムに合わせてのもの。前半から手を焼いていた左サイド⑪大谷に⑬日永田をつけることで、スピードあるサイドアタックを封じ込めた。
システム変更で格段にバランスが良くなった帝京は63分、左センターバックから左サイドバックに回った⑤浅田大樹が、敵陣深くまで上がってクロス。これを⑪奥山新がダイレクトで合わせて待望の先制点をゲット。すると66分には、ボランチから攻撃的なポジションに上がった⑦椎名正巳が、右サイドから豪快にシュートを振り抜き追加点。その3分後にも、⑦椎名のFKに184センチの長身CB②伊藤竜司が頭で合わせて、済美が「気持ちの切り替えができなかった」(⑩西村)間に、立て続けに3点を連取した。
そして、そのまま3-0でタイムアップ。帝京が5年ぶりの全国大会で、プレッシャーのかかる初戦を乗り越えた。
3点差がついたとはいえ、内容的には「快勝」とは言い難い。守備面では3バックの弱点であるサイドのスペースを突かれてのピンチを招き、攻撃面では中盤から前が交通渋滞を起こして思うように攻められなかった。4-4-2へのシステム変更が当たったこの試合を受けて、2回戦で廣瀬監督がどんな戦い方を選ぶのか注目が集まる。
帝京・廣瀬龍監督
「5年ぶり(の出場)なので、初出場のつもりで挑んだが、最初は過緊張で思いどおりのゲームができなかった。後半は相手のシステムに当てはめて4-4-2にしたら、相手が勝手に崩れてくれたという感じ。三鷹が勝っていたのでウチも勝てて良かった」
済美・土屋誠監督
「前半の2度のチャンスを逃したのがもったいなかった。前半はある程度互角に戦えていたと思う。後半の20分から30分が勝負どころだと思っていたら、逆に1点を取られて、そこから2点目、3点目を取られるのが早かった」 |