1回戦
12月31日(月)/12:10キックオフ/神奈川県・三ツ沢球技場/観客数3000人/試合時間80分
神戸科学技術 1(0-0、1-1、PK5-3)1 秋田商
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最終的にはPK戦で決着したのだが、試合を大きく左右したのは風だった。07年の大晦日、三ツ沢球技場付近は秒速9メートルの風が、メインスタンドから見て右から左に吹き続けた。秒速9メートルとはどれくらいかというと、例えばバックスタンドの上段に立つ国旗や大会旗が常にキレイに張って見える状態。セットプレーのためにキッカーがボールをセットしても転がっていく。風下に立ったチームは浮き球のボールを攻撃で有効に使うことは困難なほどだった。
当然ながら両監督、選手とも風を考慮し試合を進めることを考えた。まず前半風上を選択したのは秋田商。つまり、秋田商は前半のうちの先制点を狙った。だが、気まぐれな風は時間帯によって強さを変えた。「風を利して試合を進められればと思ったのだが、強すぎてボールのスピードについていけないこともあった」と秋田商の長谷川大監督。浮き球のボールを主体に、相手ゴールに迫ることを試みたがうまくいかず、「後半みたいにつないでいけばよかったかな」(長谷川監督)と振り返った。風の力もあり、前半だけでコーナーキック7本と圧倒的に攻めながら、ゴール直前でミスを繰り返したこともあり、シュート自体は0本。悔やまれる前半となった。
一方、風上を秋田商に選択された神戸科学技術。「前半に耐えられたのが大きかった」と神戸科学技術の鈴木利章監督が言うように、どうにもコントロールできない環境下でやるべきことをやった。選手たちは、ピッチに入ってから風向きと、自分たちの形勢を読み取り、前半40分を「耐えようと話し合った」(⑥須ノ又諭)という。結果、0-0で前半を折り返した。
後半に入り風上に立った神戸科学技術は、狙いどおり風上から⑧増井直樹のミドルシュートで先制。ここまでは良かったが、試合を終わらせる術までは知らなかったのか。あくまで攻め続けようとしたことから、最終的にはカウンターからの同点弾を後半ロスタイムに許してしまった。「自分たちのサッカーをしたかった。守るなんて考えられなかった」と選手たちは話したが、その攻撃に運動量を使い、守備に戻りきれない場面も少なくなかった。後半は前半に比べミスの減った秋田商の支配する時間帯もあり、決して相手を圧倒しての勝利ではなかった。
風を味方にするという点で、軍配は神戸科学技術に挙げられるが、試合はPK戦でようやく決着。「とにかくただただほっとしている」と、神戸科学技術の主将である⑩須ノ又が試合後に見せた苦笑いのような表情が、難しかった試合を物語っているようにも見えた。
神戸科学技術・鈴木利章監督
「(ロングボールを放り込んでくる)秋田商の戦い方は予想どおりです。長いボールへの対応はしっかりやろうと話をしていたが、実際は相手のミスに助けられた。風下に立った前半に耐えたことが大きかった。ハーフタイムに、後半は風上に立つのでミドルシュートを打つぞという話もした。そのとおりの得点になった」
神戸科学技術・⑩須ノ又諭
「前半は風があったので、ピッチ内で話し合って、前半は耐えようということにした。相手に中央は抑えられていたので、サイドから攻めようと話した。(全国の舞台で初勝利だが)インターハイのときは勝てると思っていたのに負けてしまい、そこから走り込みなどを行ってきた。まず目標にしていた全国一勝を挙げられたので、次は国立を目指したい」
神戸科学技術・⑧増井直樹
「ミドルシュートは狙っていた。気持ちよかった。運が良かった。今日は勝てたが、個人的にはボールを中盤で取られすぎた。また、チームも個人も動けていなかった」
秋田商・長谷川大監督
「流れの中で得点が入るかと思ったけど、つめが甘かった。あとちょっと精度が高ければ…。後半、ボールを回し始めたら相手のサイドやスペースは突けていた。相手の決勝点は一生に1度あるかないかのシュート。それはほめるしかない」
秋田商・⑪下田光平
「試合は一生懸命やったのだが…勝ちたかった。前半は浮き球を多くしようとして失敗した。後半はつなぐことができた。昨年に続き、PKで初戦敗退は悔しい」 |