1回戦
12月31日(月)/12:10キックオフ/神奈川県・等々力陸上競技場/観客4800人/試合時間80分
藤枝東 1(0-0、1-1、PK5-4)1 香川西
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結果はPK戦だし、試合内容を知る一つの目安になると思うシュート数も、藤枝東10本に対して香川西9本とほぼ互角。全くどっちが勝ってもおかしくないゲームだった。
高校サッカーに、もう格上も格下もないことはわかりきっているけど、やっぱり何となく、藤枝東に香川西が挑戦する、みたいな図式を描いて試合を見てしまう。実際、結果もチャンスの数なども、今、読んでいただいた通り互角だったんだけれども、それでも、伝統や、「名前力」や、ひょっとしたら両校の経験の差や、そういったものが試合を分ける部分があるのかなあ、と、そんなことを感じた。
前半から、香川西は前から前からガツガツプレッシャーをかけて、藤枝東に全く良さを出させなかった。
藤枝東の良さは、各ポジションにタレントが散らばっていて、後ろからキッチリ組み立てることができて、⑩河井陽介を中心としたチャンスメークを2トップが決める、と、そういうことだと思う。そういう狙いを、1試合通して感じることができた。でもそれを、香川西がさせてくれなかった。
前半、藤枝東がつかんだ大きなチャンスは2回。元々浅い香川西最終ラインを、さらにFWが引いてきて引きつけ、空いた裏側のスペースに別の選手が入り込んでGKと1対1になったもの。だが、ともにシュートをヒットさせるところまではいかず。
逆に香川西は、スピード豊かな左サイド⑧登里亨平にボールを集めて何度かチャンスを作った。3分には左⑧登里からボールを受けた⑤中西雅也が右足で狙う。10分には、やはり左⑧登里の低くて速いニアへのクロスに、⑥村上聖弥が合わせたがGKの正面をついた。
香川西のガツガツに、藤枝東は、つきあわないようにしながら、何とかキッチリ組み立てる糸口を見つけようとしてる──。そんな前半のプレーぶりが、まず「挑戦者=香川西vs受けてたつ者=藤枝東」のように感じた点だった。
後半に入ると、4分、いきなりゲームが動く。それも、香川西が先制する。⑳黒岩龍之輔のスルーパスに⑦石田一貴がスパッと抜け出す。いったんはGKに阻まれたが、しぶとくつめた。
だが、「これは、藤枝東はヤバイんじゃないか?」と、思う間もなく、藤枝東が追いついてしまう。1分後、⑦藤田息吹の右からのクロスを、ファーサイドで後ろ向きでボールを受けた⑧平井大樹が反転シュート。こぼれ球を⑨岡崎太一が押し込んだ。
先制した相手に息つく間を与えない勝負強さというか何というか、そういうのを、やっぱり藤枝東は身に着けているのかなあと。逆にいうと、先制した後、踏ん張れない、ちょっとした甘さが、香川西にはあるのかなあと。「格」で片付けてしまえる範疇(はんちゅう)に入るかわからないが、そんなことを感じた。
後半ロスタイムになって、香川西はGKを⑰石川孝一から①玉置英二に代えた。もちろんPK戦に自信を持つGKなのだろう。だけど、少し気負ってしまったのか、動くのが早かった。特に、PK戦3-3から味方4人目のキッカーが外してしまい、藤枝東の残り2人を絶対に止めなければ、という状況に置かれてから、さらに顕著になってしまった。
藤枝東はというと、4人目⑫中村龍一郎、5人目⑤石神幸征ともに、ものすごく落ち着いていた。早く動くGKに先に飛ばせて、しっかり逆をついて決めた。
内容は互角。どっちが勝ってもおかしくない。だけど、チームとして身に着けることはなかなか容易にできない形而上の要素を作用を、うっすらと感じ取ることができた試合だった。
藤枝東・服部康雄監督
「特に前半は全然ダメだった。サイドからクロスが上がらず、中につめる選手も行き切れず、敵のセンターバックのマークも厳しかった。0-0で終われて良かった。前半の終わりになってようやく少しボールが回り出し、後半は風上になるので、少しはやれるかと期待していたが……。これだけシュートが少ないのも珍しい」
香川西・大浦恭敬監督
「両サイドから2、3本ずついいボールが入って決定的なチャンスもつかんだが、そこを決め切れなかった。決定力不足は香川県大会から課題だったが、今大会でも解消できず、決定力を発揮できなかった」 |