2回戦
1月2日(火)/12:10キックオフ/埼玉県・さいたま市駒場スタジアム/観客1680人/試合時間80分
盛岡商 4(1-1、3-1)2 大分鶴崎 |
2回戦から登場の盛岡商と大分鶴崎。立ち上がりはブルーのユニホームに身を包む大分鶴崎がペースをつかむ。「初戦で変な緊張があって、相手の勢いに押されてしまった」(④藤村健友)という盛岡商を、県大会5試合29得点の攻撃陣がパス、ドリブル、フリーランニングを効果的に使い分け攻め込んでいく。
6分、2シャドーの一角⑭河野諒のパスをペナルティーエリア左角で受けた、もう1人のシャドー⑩平川辰也は中に切れ込むと見せかけ、背後に走り込んだトップ下⑦飯田真守へヒールパス。⑦飯田のシュートはGKにストップされたものの、大分鶴崎の志向する「人もボールも動くサッカー」が遺憾なく発揮されたプレーだった。
だが、最初の歓喜は盛岡商に訪れる。23分、大分鶴崎陣地でのスローインを⑨成田大樹がロングスロー。このボールをCBの⑤中村翔がバックヘッドですらすと、ゴール前の⑬大山徹が右足で思い切り良く蹴り込んだ。盛岡商にとってスローインはCK、FKと同じく「1つのセットプレーの形としてある」(④藤村)もの。後半にはコーナーフラッグ目掛けて投げて走り込む味方にマークが集まったところで、後方のスローワーに戻してクロスを上げるなど、たびたびスローインからチャンスを演出した。
37分に大分鶴崎は⑳渡邉徹典のヘディングシュートで同点とするが、後半の“先取点”を手に入れたのはまたしても盛岡商。後半4分、左CKのこぼれ球を⑨成田が押し込んで2-1。だが、2度目のリードはわずか2分で終わる。大分鶴崎のトップ下⑦飯田がマーカーを引き連れながらの力強いドリブルからスルーパス。⑱阿部晋が滑り込みながら打ったボールは、GKにぶつかってコロコロとゴール方向に転がる。ゴールラインを割るかどうかギリギリのところで盛岡商選手がかき出したが判定はゴールイン。
だが、大分鶴崎が食い下がったのはここまで。「中盤の選手で囲んでボールを奪う、という約束事が失点して崩れてしまった」(大分鶴崎・三重野英人監督)。彼らのような攻めに人数を掛けるサッカーは、豊富な運動量が求められるため中盤過ぎにドッと疲れが出る。「1点2点先に取られたことで、点を取らなければいけない状況になった」(三重野監督)チームは、車に例えればずっとアクセルを踏み込んで走り続けてきたようなもの。しかも、前半の27分には「中心的存在」(三重野監督)である⑩平川が接触プレーで負傷している。⑩平川は後半14分に交代するまでピッチに立ったが、実質的に10人だった大分鶴崎イレブンの消耗度は著しい。
取っては取られ、取られては取ってというゲームにケリをつけたのは盛岡商のレフティー⑪林勇介だった。相手の⑩平川が交代する直前の後半13分、③土屋翔吾のグラウンダークロスをDFの前に入り込んでトラップすると左足から3点目をゲット。後半22分には⑨成田のお膳立てから決定的な4点目を決めて大分鶴崎の追撃を振り切った。
盛岡商の齋藤重信監督は、昨年11月15日に心筋梗塞で倒れて手術をしたばかり。チームに再合流したのはわずか1週間前の12月25日だという。次の相手は高円宮杯王者・滝川ニを下した武南。準々決勝の行われる埼玉・駒場は、地元・武南の圧倒的なホームになることは容易に想像できる。それでも、2年生の⑪林が「先生を国立に連れて行きたい」といえば、キャプテン④藤村は「監督は命がけで教えてくれている。感謝の気持ちは言葉ではなく、大会を勝ち続けることで示したい」とチームは一つになっている。
盛岡商・齋藤重信監督
「(大分鶴崎は)クラブ出身の子が多いということで、個々のテクニックにいいものがあった。攻撃はフィフティー・フィフティーだと思っていたがうまく点に結びつけてくれた。選手は一人ひとりが頑張ってくれましたが、特に頑張ってくれたのは中村」
盛岡商・④藤村健友
「点を取ったけど取られてしまうという悪い流れだった。4点取ったけど、2点取られてしまったのは課題が残ります。初戦で変な緊張があって、相手の勢いに押されてしまった。武南は色々な攻撃をしてくるチーム。DFだけでなく、FW、MFからプレスしてつぶせるようにしたい」
盛岡商・⑪林勇介
「出足が全体的に遅かったので修正したい。自分で点も取りたいけど、自分よりもFWにも決めてもらいたいと思っている。武南は一昨日ビデオを見たんですけど、パス回しがうまいという印象を持っています」
大分鶴崎・三重野英人監督
「中盤の選手で囲んでボールを奪う、という約束事が失点して崩れてしまった。1点2点先に取られたことで、点を取らなければいけない状況になった。いいゲーム展開だったので、あのままなら点は取れると思っていました。選手に声を掛けるとしたら? 粘って粘っていいサッカーをしたよ。でも、最後はもっと自信を持ってやろう、といいたいです」
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