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トップマッチレポート第85回 全国高校サッカー選手権大会>2回戦 広島皆実-大津
Match Report マッチレポート

第85回全国高校サッカー選手権大会 マッチレポート


2007/1/3

第85回全国高校サッカー選手権大会

北健一郎(本誌) 取材・文

2回戦
1月2日(火)/14:10キックオフ/埼玉県・さいたま市駒場スタジアム/観客972人/試合時間80分
広島皆実 0(0-0、0-0、PK6-5)0 大津

得点者
 

広島皆実が“ノーゴール”での3回戦進出を決めた。1回戦では中京大中京、2回戦では大津という強豪校相手にどちらもPK戦で勝利したのである。

広島皆実を率いる鯉迫勝也監督は「いつの間にか守備のうまいチームになったような錯覚をしています」と笑う。堅守の4バックの構成は1年生から3年生までがそろう。左サイドバックの1年生、23井林卓に至っては「県大会でも1試合も使っていない」(鯉迫監督)。だが、1回戦5ゴールの大津もノーゴールに抑え込んだ守備力は“カテナチオ”と呼ぶにふさわしい。

「抜かれた後にしつこく追えるようになっている。最後にシュートコースを切れているのは、手前味噌ですが、足が動いているからだと思う」(鯉迫監督)。

1回戦では変幻自在のパスワークと鋭利なドリブル突破で高志から5得点を荒稼ぎした大津攻撃陣。だが2回戦の大津は“よそ行き”のサッカーをしてしまう。③宮坂翔が「よく研究されていた」というように、敵将は「ゴール前で厳しく回されるだろうけど、とにかく粘り強くついていこう」とイレブンに指示を出している。

だとしても、大津が1回戦のようなコンビネーションを見せることはほとんどなかった。「サイドからピンポイントのクロスを入れる」はずの⑰網田慎、⑱四本祐太朗の両サイドMFも可能性の低いロングボールを蹴り込むばかり。決定機といえるものは、前半ロスタイムに訪れた1回のみで、これは⑰網田のグラウンダーのクロスから生まれているのだが……。

「セットプレーしか得点チャンスはないと思っていた」(鯉迫監督)広島皆実にとって、0-0→PK戦というシナリオは思い描いていた通りのシナリオだろう。PK戦突入を目前にしても、広島皆実の中盤でのプレス、しつこいマークは衰えない。「思っていた以上に後ろからの蹴り込みがあったので、DFはしんどかったと思いますが、逆に中盤が持ったのはある」と鯉迫監督。

そして、先行・広島皆実、後攻・大津でのPK戦。2人ずつが決め合っての3人目、広島皆実のキッカー⑱澤井勇貴は、06ワールドカップ決勝でジダンが蹴ったような、チップキックを試みるもクロスバーに当ててしまう。「何も考えられませんでした」という⑱澤井は、その場に倒れ込み泣き崩れた。だが、顔を手で覆いながら列に向かう途中で、チームメートが「ワーッ」と盛り上がるのが見え、広島皆実応援団からの大声援が聞こえた。GK⑰増田卓也が後攻のキッカーのシュートを弾き出したのである。「あれでハッとなりました(笑)」。2年生守護神の⑰増田は大津7人目の⑦末吉達也のキックも逆を取られながら、右足一本で跳ね返し3回戦進出の立役者となった。

鯉迫監督はPK勝ちに喜びながらも「流れの中からのゴールが欲しい。1点取れば流れに乗れると思うのですが……」と正直な気持ちを吐露。それでも、攻撃力自慢の強豪校を無失点に抑えたことが「守備面では相当な自信になっている」のは間違いない。過去最高成績は3年前のベスト16(3回戦)、今大会では先輩越えを狙っている。「一戦必勝でやっている」という、この集中力を持ってすれば十分に実現可能だろう。

広島皆実・鯉迫勝也監督
「いつの間にか守備のうまいチームになったような錯覚をしています(笑)。抜かれた後にしつこく追えるようになっている。最後にシュートコースを切れているのは、手前味噌ですが、足が動いているからだと思う。セットプレーしか得点チャンスはないと思っていた。思っていた以上に後ろからの蹴り込みがあったので、DFはしんどかったと思いますが、逆に中盤が持ったのはある。90分ゲームだったらやられていたと思う。DFラインは足をつっていましたから。2試合連続無失点? 守備面では相当な自信になっている。だけど、流れの中からのゴールが欲しい。1点取れれば流れに乗れると思うのですが……。PK戦は神様のみぞ知るもの。練習? すいません、全くしていないんです」

広島皆実・⑰増田卓也
「(PKを外した澤井には)『自分が止めるから任せろ』って声を掛けました。守りはみんなまとまっているし、後ろから安心して見ていられます。守りには大会前から自信がありました」

広島皆実・⑱澤井勇貴
「PKは自信があったから、というよりも、思い切り蹴ったら外しそうな気がしたから。ああいう風に打つ方が得意なんです。外した瞬間は? 何も考えられませんでした。真っ白ですよ」

大津・平岡和徳監督
「80分ネットを揺らせなかったのがすべて。中盤を飛ばすのが向こうのやり方だと予測はしていた。PKの練習はずっとやってきたから、大丈夫だという気持ちは強かった。だけど、それ以上に広島皆実の1回戦の経験が大きかったということでしょう。このホイッスルは終了ではなく、次の人生のスタート。選手は次の場所で成長して欲しい。……いいサッカーをして勝つのは難しい」

大津・③宮坂翔
「自分たちの持ち味が出せなかった? その通りです。よく研究されていた。詰めの甘さが最後に出てしまったのかな、と思う。大差で勝った後は『気をつけよう』と話はしていたんですが……。選手権で全然満足できなかったので、目標を高く持ってがんばりたい。東京Vに入団するが? 人に対する強さを求められていると思います。課題はヘディング。もっとうまくなりたい」

※この大会を含めたユース&ジュニアユース世代の1年をまとめた『06-07ユース&ジュニアユースサッカーパーフェクトレポート』が1月13日、学研より発売されます!! お楽しみに!

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