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トップマッチレポート第85回 全国高校サッカー選手権大会>1回戦 一条-東海大三
Match Report マッチレポート

第85回全国高校サッカー選手権大会 マッチレポート


2007/1/1

第85回全国高校サッカー選手権大会

奥秋まさし(フリーライター) 取材・文

1回戦
12月31日(日)/14:10キックオフ/東京都・駒沢陸上競技場/観客6845人/試合時間80分
一条 3(1-1、2-1)2 東海大三

得点者
(一)山本、竹本、奥村
(東)平林、池上

安定した守備と走るサッカーで予選を突破した東海大三と、県予選5試合を15得点無失点で制した一条との対戦。

序盤は、両チームともディフェンスラインを高く保ち、コンパクトになった中盤で一進一退の激しいボールの奪い合いとなった。この膠着状態が続くなか一番目立っていたのは東海大三の⑩平林達也だ。「立ち上がりチームみんなが緊張して動きが悪かった。自分が走り回ることでリズムを作りたかった」と本人が試合後に語った通り、⑩平林は攻撃に守備に動き回った。その動きが徐々に実り出し、東海大三が得意とするサイドからのクロスボールが入り始めた。

対する一条は、スペースの少ない中盤でも足元のテクニックで勝負する。特に⑥奥村僚、⑧高橋侑輝の2人は、東海大三陣内へと入るとドリブルやワンツーを駆使し積極的に仕掛けていく。どちらかの選手がボールに絡むと周りの選手も東海大三ゴールを目指していきいきと動き出し、チャンスのにおいが感じられるようになってくる。

試合が動いたのは前半20分。再三、東海大三ディフェンスを手こずらせていた一条の⑥奥村が、スピードで右サイドを切り裂き、ディフェンスを振り切ってグラウンダーのセンタリングを送る。そのボールに⑪山本顕司がしっかりと合わせ先制ゴールを奪う。

一条の攻勢はさらに続く。「タイムアップまでフレッシュな状態でプレーさせたかった」(一条・前田久監督)との理由からスタメンを外れていた⑩竹本有輝が、先制ゴールを決めた⑪山本顕と前半26分に交代して入ってくる。170センチと小柄ながらスピード、テクニックを兼ね備え、2年生で10番を背負う⑩竹本有が、東海大三ディフェンスをさらに苦しめていく。

ペースを掴んだ一条がこのまま1-0で折り返すのではないかと思われた前半39分。一瞬のチャンスを見逃さず、今度は東海大三が自分たちの持ち味を発揮する。2年生ながらボランチに入りパスを供給してきた⑥木下修が、右サイドでボールを受けロングボールをゴール前へ。このボールに絶妙のタイミングで走り込んできたのは⑩平林。鮮やかに頭で合わせ、同点で前半を折り返した。

後半はお互いが自分たちの特長を最大限に出せるよう、戦い方がはっきりと分かれる。一条は⑥奥村、⑧高橋、⑩竹本を中心にショートパスをリズムよくつなぎゴールを目指す。一方の東海大三は、グラウンドを大きく使い両サイドからクロスボールを入れる“走るサッカー”で勝負する。

両チームのディフェンス陣がしっかり守り、どちらも得点が奪えずに進んできた後半27分。一条の⑩竹本がカウンターからディフェンスラインの裏に抜け出し、キーパーとの1対1を左足で落ち着いて決め、試合を動かし、一条の応援席を沸かせる。

東海大三も負けてはいない。⑩竹本のゴールから2分後の後半29分。⑧池上文也がペナルティーエリア内で右足を振り抜き同点ゴールを決め、東海大三の応援席を盛り上げる。

両チームの応援席がヒートアップする中、決着のときが訪れる。決勝ゴールを生んだのは一条の⑥奥村。残り2分となった場面で⑧高橋からのパスに反応し、キーパーとの1対1でコースをついて落ち着いて決める。このゴールで点の奪い合いとなったゲームに終止符が打たれる形となった。

前半からの激しい攻防、そしてお互いの持ち味が存分に発揮された好ゲームだった。勝敗を分けたのは残り2分。「最後に集中力が欠け、(飛び込んで)足を出してしまった」(東海大三・②浅井亮平)との言葉通り、東海大三ディフェンスは疲労がピークに達し足が止まってしまったのに対し、一条はタイムアップの笛が鳴るまで積極的に攻め続けられたことにあったと思われる。

一条・前田久監督
「守備は、東海大三の前に出る力が強くディフェンスに恐れが出た。そのディフェンスをカバーしようとしたキーパーにミスが生まれ、失点をしてしまった。カウンターを受け、失点したのは予想外だった。攻撃は、高橋が効いていて、そこに奥村がシャドーストライカーのようになっていたのがよかったんだと思う」

東海大三・奈良井薫監督
「選手たちはよくやってくれました。2点を奪ったことは財産になります。一条は個人技が非常にあるチームだと感じました。木下は直前にノロウイルスに感染し、病み上がりで体力面に不安があったため交代しました。やはり少し精彩を欠いていたように思います」

東海大三・②浅井亮平
「PK戦は嫌だったので同点になってからは攻めに出た。最後の失点は、集中力を欠いてしまった。選手権で全国の舞台に立つことは、ずっと僕の夢だったので、これから先も、後輩たちには全国に出てほしい」

東海大三・⑩平林達也
「得点したシーンは、⑥木下は常に自分を見ていてくれているから、クロスボールが入ってくると思った。勝敗については、技術面で相手のほうがうまかったと思う。また相手のほうが勝ちたい気持が強かった」

※この大会を含めたユース&ジュニアユース世代の1年をまとめた『06-07ユース&ジュニアユースサッカーパーフェクトレポート』が1月13日、学研より発売されます!! お楽しみに!

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