明治安田生命2015Jリーグチャンピオンシップ
決勝 第2戦 サンフレッチェ広島−ガンバ大阪

2015年12月07日

川原宏樹(本誌)取材・文 松岡健三郎(本誌)写真

15年12月5日(土)19:30キックオフ
広島県・エディオンスタジアム広島/観客36,609人/試合時間90分
サンフレッチェ広島
1 0-1
1-0
1
ガンバ大阪
浅野拓磨
(後半31分)
得点者 今野泰幸
(前半27分)
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第1戦を劇的な逆転劇で制した広島が、G大阪を迎えて行われたチャンピオンシップ決勝の第2戦は、超満員で盛り上がるなかでのキックオフとなった。

試合展開は戦前の予想どおりで2点差をつけて勝たなければ優勝できないG大阪は、第1戦と同様に長澤駿を先発させて前線からボールを追い回してマイボールにし、多くの決定機を作ろうとしていた。長谷川健太監督は第2戦に向けて守備とセットプレーを強化してきたようで、試合終盤までのことを考慮しないほど追いかけ回すプレッシングと、都度手を変えるセットプレーで広島ゴールに迫っていった。そして前半27分に、そのセットプレーから先制点を挙げる。右からのCKに今野泰幸が戻りながらボレーで合わせ、それが佐々木翔の足に当たってコースが変わりG大阪が先制点を挙げた。

後半も同様の展開で、攻めの気持ちで上回るG大阪が優勢に試合を進めていた。攻め手を欠いていた広島だったが、予定調和の交代と見られていた浅野拓磨の投入でスイッチが入る。森保一監督の「我々は受けるのではなくて攻撃に出るんだ。1点を取りにいくんだ」と試合後に交代の意図を語ったように、その意図がチームに伝わり後半31分に同点弾が生まれた。同じく途中出場の柏好文からのクロスに浅野がヘディングで合わせて貴重な1点を奪い取った。

その後はパトリックの空中戦を軸にゴールを狙っていったG大阪だが、広島ゴールには届かず1−1で試合は終了。年間順位1位の広島が2戦合計スコア4−3でチャンピオンシップを制し、2015年度チャンピオンの座を手にした。

ピックアッププレー

攻守に渡り脅威な存在となった浅野拓磨

第2戦のMVPに選ばれた浅野拓磨のプレーは、最後までG大阪の脅威となり続けていた。

後半12分に佐藤寿人に代わって浅野拓磨が投入されたが、この交代は今シーズンのJリーグを見てきた人であれば誰でも予定調和の交代であることはわかり、ボールを支配し続けるG大阪にとっては想定内ということもあり、大きな対策を立てるほどのことではなかったはずだ。

しかし、交代直後のプレーでG大阪に衝撃を与える。センターライン付近からドリブルでぶち抜いて浅野一人でゴールまで迫った。前がかりになるG大阪にとって想定内のプレーのはずだったが、最低限残しておいたディフェンスの数をスピードで一気にゼロにされてしまった。その後のG大阪は、なんなくマイボールにできる相手のクリアボールですら、必要以上にケアせざるを得なくなってしまった。

「前半を見ていて、スペースはあるんですけど生かしきれていない、チームとして幅というか、その深さを生かしきれていないと思っていました。ピッチに入ってみないとわからない難しさはあるんですけど、僕がピッチに入れば、その堅くなっている状態を広くできればと思っていました。その動きだけでもチームの力になれるんじゃないかと思って入りました

と語ったように、浅野は自慢の推進力でチームを引っぱり上げる狙いどおりの動きをファーストプレーからやってのけた。

さらに、そのスピードで前線からボールを追い回した浅野は相手に自由にボールを蹴らせず、G大阪は頼みの綱であったパトリックへのロングボールを思うように供給できなかった。

ルーズボールをチャンスにつなげる脅威、一瞬で距離を詰めて自由を与えてくれない脅威を最後までG大阪に与え続けた浅野は、貴重な同点弾を抜きにしてもMVPにふさわしい活躍だった。

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2戦合計4−3でCSに勝利した広島は2年ぶりにチャンピオンの座に返り咲いた
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相手の脅威となった浅野は、値千金の同ゴールを挙げた
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