2015Jリーグプレシーズンマッチ
ボルシア・ドルトムント アジアツアー2015
川崎フロンターレ-ボルシア・ドルトムント

2015年07月08日

菊地芳樹(本誌)取材・文/松岡健三郎(本誌)写真

15年7月7日(火)/19:05キックオフ
神奈川県・等々力陸上競技場/観客24,650人/試合時間90分
川崎フロンターレ
0 0-2
0-4
6
ボルシア・ドルトムント
  得点者 香川真司
(前半5分、36分)
オーバメヤン
(後半8分、12分)
丸岡満
(後半14分)
スタンコビッチ
(後半35分)

ドルトムントが6得点の圧勝劇を見せた。立ち上がり、右からのクロスを香川真司のヘディングシュートで先制。その後、川崎得意のボールポゼッションに手を焼きながらも、36分にロイスの左からのクロスを再び香川が決めて、2-0で前半終了。後半は頭から丸岡満以外の10人を交代し、1トップのオーバメヤンを筆頭にスピードとパワー、そしてプレーの正確さで川崎を圧倒。次々に加点し大勝で終えた。

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ピックアッププレー

「速くて正確」の優位性を見せつけた
ドルトムントのクロスからのゴール

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ドルトムントの6ゴールの内3ゴールはサイドからのクロスにより生まれたもの。相手陣左で奪ってロイスがスピードで持ちだし、ペナルティーエリア内で前に行きながら途中ピタッと止まってマークを外した香川真司に、ピタリとクロスが合った前半36分のゴールシーンもよかった。だが、今回は後半12分に生まれたオーバメヤンのゴールシーンを取り上げたい。

中盤で後方からのパスを受けてボールを持ちだしたムヒタリアンが、左前の丸岡満に短い縦パスを入れ、丸岡は大外をかけ上がるシュメルツァーに縦パス。シュメルツァーはトップスピードで走ったままダイレクトで左足でカーブクロスを入れ、これをニアサイドでオーバメヤンが合わせて、ゴールが生まれた。

「今から構えようというときにものすごくいいものが入ってくる」(川崎・風間八宏監督)という、このドルトムントのクロス攻撃。何か大きく相手の逆を取るプレーがあったりしたわけではないが、「50メートルで5歩の差がある」(風間監督)という走力と、その中でも正確に展開できるボールコントロールとキックの強さと正確性で、川崎の対応をことごとく後手に回らせた。

そしてこのトップクラスの人たちのクロスが、守る側の2人のセンターバックの間にしっかりと入ってくる点にも注目したい。鋭い曲がり、スピード、正確性があってきちんと入ってくるからこそ、オーバメヤンも迷いなく2人の間に走りこんでくることができる。

実は先日まで日本でも中継されていたコパ・アメリカでも、こうした「大外」からのクロスが、ゴール前の味方にビタビタ合うシーンを取り上げ、解説の岡田武史元日本代表監督が「日本にはこのクロスの質がなく、だから(南アフリカワールドカップのときに)もっとゴールに近いニアゾーン(ペナルティーエリア内ゴールエリアの外側の地域)への進入を掲げた」というコメントをしていた。

このニアゾーンへの進入は、相手のサイドバックの守りを攻略して引きはがし、センターバックの1人を引き出してからゴール前へクロスを入れられることが、想像できると思う。そしてこうした展開を、実はこの日のドルトムントも実行していたのだ。遅攻のときに。

つまり、大外からのクロスは中央の対応が間に合わないくらい速く攻略できたときに。それができないときは、「よりゴールへ近いサイド」への進入からのクロスを考えるのである。

ただサイドから攻めて、サイドへ持ちこんでクロスを入れました、というだけではゴールは生まれない。クロスがゴール前の味方に合いやすい条件というものを考えながらの攻撃が、ポイントになるのだ。

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