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Match Report マッチレポート
PUMA CUP 2007 第12回全日本フットサル選手権大会 マッチレポート
グループ分け スケジュール
2007/1/29

PUMA CUP 2007 第12回全日本フットサル選手権大会

菊地芳樹(本誌)、北健一郎(本誌) 構成

決勝ラウンド1回戦 対談レポート

縦4メートルの差は大きい

  大会3日目は決勝ラウンドに入り、準々決勝4試合。勝てば、約1週間後の東京・駒沢体育館での準決勝に進める。

菊地 今日はコートが広くなって。エラい長く見えたな、縦が。

  もう、広々としてましたねぇ。しかし、縦4メートルの差は、こんなにも実力差を隠してしまうものなんでしょうか。

菊地 「実力チームが格下に食われるかも!」という興味はコートを狭くすることで出てくるかもしれない。でも、小さくしてもパス回しによる展開の面白さは全然なくて、目の前の敵をはがしてドンとシュートを打つというシーンばかり……。やっぱり狭いコートは面白くないよね。
  観客は少なかったね。1試合目から順に800、1200、1000、500人。最後はマグの試合だったのに、500人って何だ?

  マグが攻め込んで、自然発生的に「ワーッ」ってなるのもなかったですね。別にサポーターや応援を求めるわけではないけど、大阪で名のあるチームの試合がこれだと寂しいですよね。やっぱり、関西はやる人は多いけど、フットサルを見に足を運ぶという人は少ないらしいですね。

菊地 そういう人たちを含めて、どうやって多くの人に体育館に足を運んでもらうのか。Fリーグに向けての大きな課題だね。
  では、試合を振り返ってみますか。

第1試合
大洋薬品/BANFF 5-0 DEAR BOYS

強すぎて、すでにヒールに

菊地 ディア・ボーイズは当然引いて守るだろうと。でも結果は5-0。まあ、予想通りの展開でした。それだけにもう少し大洋薬品には、見る人を楽しませる部分での追求を見たかった。ただ勝つことだけに固執しすぎていて、ゲーム内容が面白くない。相手がすごく引いてしまったという言い訳もできるだろうけど、そこでこじ開ける工夫をしてみるとかね。「どうせ最後は相手が疲れて、こっちに点が入るでしょ」っていう姿勢は、やっぱり楽しくないよなぁ。チームにとっては初の大きな大会で、今回はとにかく優勝してプロチームとしての実績をと、現場は相当なプレッシャーがあるみたいだけど。

  ここまでの4試合、特に今日などは最終的には勝つのが明らかだっただけに、そこまでのプロセスで、何か訴えかけるものがあってもいいですよね。フィジカルの部分で絶対的に上回れるのが、チームの強みではあるんですけど。

菊地 そうした本物志向を、売りにしていくんだろうなというのはわかるけどね。

  そんな状況だけに、現状だと、どうしてもチームがヒールとして見られてきてますよね。

菊地 こんな強いチームを、どこかが苦しめてくれないかとか、あわよくば勝っちゃわないかという雰囲気になってきている。でも、逆に他のチームは、まだまだのレベルなんだというのを思い知らされたね。

  ゲームについていうと、ピッチが広くなってもやることは変わりませんでした。むしろ広くなって守る側がさらに疲れるようになり、そのスキでポン、ポンと点が入るような感じでした。ディア・ボーイズも何本か「おっ!」というシュートがあったんですけど、まあ勝つところまでは頭になかったでしょうね。守った後に、攻めて点を取ることはイメージできていなかった。

菊地 これだけの差があれば、格好悪くやられないようにってなるのはしょうがないよ。大洋薬品は話を聞くと、もっと速くうまくパスを回して、引いた相手を崩す狙いだったらしい。その点はまだ課題があるということ。

第2試合
FIRE FOX 2-1 PREDATOR URAYASU FUTSAL CLUB

これぞ関東フットサル!

菊地 これは何というか……、よく見慣れた展開ではあったね。これが関東フットサルという感じかな。0-2とリードされたプレデターが、最後パワープレーを仕掛けて1点。さらに最後の最後、左からの展開で⑧藤井健太が体ごと押し込んで、会場が「オオーッ!」って盛り上がったら、その前にタイムアップだったというオチ。まったく色んなシナリオがあるもんだね。

  関東同士の戦いって、お互いの演じ方を知っているところがあって、お互いのよさを引き出すというか。エンターテインメントとしては、一番のゲームになった気がしますね。

菊地 でも、第1試合の大洋薬品の凄みを見たりすると、レベルとしてこれでいいのかなと思ったりするけど。でも、やっぱり関東のチームは監督も含めて、ゲームに抑揚をつけるのがうまいよ。
  試合は、ファイルフォックスは⑮伊藤雅範が出場停止で、プレデターも⑩岩本昌樹がケガで出られなかった状況。お互いファーストセット同士で拮抗していて、ファイルが早めに交代しだした。それでプレデターのセカンドセットが、そろそろ交代というときにファイルはファーストセットに。そこでプレデターのパスミスが出て、ファイルのカウンターから先制点。

  ⑮伊藤にしろ、⑩岩本にしろ、チームの戦術的なキーマンなんですよね。ファイルフォックスの松村栄寿監督は、⑮伊藤の代わりに、ピボに⑨三井健を入れる手もあったところを、あえてそうしないで③吉成圭を入れましたよね。普段のピボに当てる攻撃よりも、守備面でより前目でボールを奪う作戦のほうを強く意識して戦った。それで先制点のシーンでは、うまく前で奪えて点が入りましたね。⑮伊藤がいない中でベストの戦い方をということだった。
  ただ、プレデターのほうは、今日は⑰江藤正博や⑭諸江剣語らのドリブラーを重用して、⑩岩本の代わりとなる活躍を求められていた。誰が出ても同じフットサルを、ということですが、どうしてもコンビネーションがよくなくてなかなか結果に結びつかなかった。

菊地 プレデターはパス回しで崩すシーンが少なくて、どうしてもファイルフォックスの急所を突けない感じだった。じゃあ、勝負どころでドリブル突破という感じでもない。決め手に欠けるんだよね。

  それをできるのが、現状では⑩岩本しかいない。

菊地 パスで崩すなら、もっとパススピードを上げるとか、ダイレクトパスを入れるとかね。それが出ている時間と出ていない時間があって、出ている理由は、やっぱりコンビネーションだよ。

  セット制がいいとかどうとかではないけど、今日のプレデターは何通りものセットになったと思うんですが、なかなか選手たちのよさを引き出せない感じでした。

菊地 そのうちにファイルフォックスがCKから2点目。プレデターのチェックをうまくブロックして、ファーサイドにフリーな選手を作って打たせたもの。ここぞというときの場面だったので、決めたのはさすがだったね。

第3試合
府中アスレティックFC 6-1 Praia Grande

府中いいね

  これは圧勝でしたね。府中の。

菊地 あの、ハイレベルで波のない、淡々としたパフォーマンス。プライア・グランジを苦しめたね。プライア・グランジのほうも、グループリーグの3試合はいい出来だったけど、今日は差が出たね。話を聞くと、「府中はすごくフィジカルが強かった」というコメントだった。

  ああ、やっぱりそうなんですか。グループリーグで府中と当たったマグの選手も、そういうことをいっていました。⑲前田喜史を筆頭に強くて速い選手がそろっているんですよね。だからもし大洋薬品と府中が決勝まで進んだら、お互いに引かずに面白い試合になるのかなと思います。

菊地 あと「シュート力の差」もいっていたね。確かにプライア・グランジは、守備面で結構頑張ってたけど、攻撃はもう一つだった。府中はいい状態の選手が多いよね。雰囲気もいいし。

 昨年優勝したプレデターと似ていますよね。プレデターに遅れる形でいい選手の補強に動いて。昨年はチームが熟成せずにうまくいかなかったけど、今年は関東リーグ2位になって、全日本選手権もここまで来ている。優勝するなら今回のタイミングだと思いますね。大洋薬品に似ていて、内容が面白いかといえばそうではないんですけど。

菊地 技術的にはカスカベウ未満。フィジカルも大洋薬品未満。でも、どちらもいいレベルにあると。7、8合目という。

第4試合
MAG’S FUTSAL CLUB 2-0 arusa

マグはどこまでも泥臭い

菊地 大会始まってから、昨年いいプレーをしたアルーサにずっと肩入れして見てきたけど、今日はマグにスペースをうまく消されたね。結局、持ち味が出ないまま大会を去ることになったけど、トーナメントまで来たのはさすが。ここからもう1ステップだね。

  スペースがあるときは、自分たちでもビックリするくらいのすごいプレーが出たりするんですけど、相手に引かれたときのやり方が、いわゆる「パラレラ」って呼ばれる、一度サイドの味方にボールを預けて、中から同サイドの縦に抜けてボールをもらうプレーだけなんですよ(笑)。

菊地 そこから強引に突破してのシュートシーンもあったけど、なかなかいい形で打たせてもらってなかったね。まあ、完敗かな。

  そうですね。まあ、足ワザでいえば、面白いのがいっぱいありましたね。

菊地 ウチの小池さんが好きな、ダブルタッチ以上のプレーとか。ワザのコンビネーションとかね(笑)。

  逆にマグでは、③原田健司の大阪名物「パチパチまたぎ」!

菊地 東京の準決勝では「8回またぎます」だって。即答だったもんな。物分りのいい人。今日は他にも随分出てたよねぇ。エラシコもやったし、敵を背負いながらダブルタッチで振り向くプレーも淀みがなかった。

  そこからのヒールパスでファウルを誘いました。今大会は関西のライターさんたちも戸惑うくらい、調子がいいらしいです。

菊地 マグはまだ若くて、自分たちがこれからのチームだと思っていて、相手をしっかりとリスペクトするので、地に足が着いた戦いをしている感じ。③原田がいうには、役割分担がハッキリしているので、自分の持ち場で120パーセント力を出せといっているらしい。選手たちがそれを理解して頑張って、うまくかみ合っている。試合を見ると、何となく勝っている感じに見えるけど、攻守の切り替えが速いんだと思った。

  全日本選手権に前に出たときは、藤井健太、福住有紘(以上現プレデター)、鈴村拓也(現バルガス/スペイン)、丸山哲平(現カスカベウ関西)らがいて、「西の横綱」なんてあだ名を付けられてましたけど。今はそういうチームではなくなったけど、すごく頑張るチームで謙虚ですよね。

菊地 府中が有利に見える準決勝だけど、マグはどこまでも泥臭いよ。粘るよっていうのを感じさせている。

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