FIFA U-20 ワールドカップ韓国2017
グループD 第3節
U-20日本―U-20イタリア

2017年05月27日

松尾祐希(フリーライター)取材・文

17年5月30日(土)17:00キックオフ/Daejeon World Cup Stadium
/試合時間90 分+延長30分
U-20日本
2 1-2
1-0
2
U-20イタリア
堂安律(前半22分)
堂安律(後半5分)
得点者 リッカルド・オルソリーニ(前半3分)
ジュゼッペ・パニコ(前半7分)

1勝1敗で迎えた若き日本代表。グループリーグ突破を掛け、最終戦はイタリアと対戦したが、課題としていた試合の入りがまたも甘くなり、開始の7分間で2失点を喫してしまう。その中で嫌なムードを断ち切ったのは堂安律(G大阪)だった。22分に遠藤渓太(横浜FM)のクロスに合わせると、後半開始早々の5分には圧巻の4人抜きで同点弾を奪取。試合を振り出しに戻した後は落ち着きを払った試合運びを見せ、グループリーグを3位で決勝トーナメント進出を決めた。

G大阪ホットラインが躍動!
劣勢を跳ね返すコンビネーションで
チームを決勝トーナメントに導く

日本が決勝トーナメントに進むには、勝ち点3をつかんで2位となる。もしくは引き分けで3位となった場合は、各グループ3位チームの上位4つに与えられる枠で、進める可能性があった。つまり、負けないことがイタリア戦に課せられたミッションだった。しかし、開始7分間で2失点。よもやの立ち上がりに誰もが頭を抱えたのは言うまでもない。それでも日本に歓喜の瞬間が訪れたのは、堂安律と市丸瑞希のG大阪コンビの存在があったからだ。

前半22分に堂安が1点を返し、迎えた後半5分だった。中央でパスを受けた市丸はすかさず堂安にくさびを打ち込む。すると、背番号7はゴールに向かってドリブルを開始。進行方向に立ちはだかる相手を1人、2人、3人と交わしていき、最後は相手GKのタイミングを外してネットを揺らした。そのスーパーゴールにどよめくスタジアム。誰もが堂安のゴラッソに酔いしれるほどの衝撃的な一撃だった。

試合後、堂安は同点弾の場面を振り返り、ドリブルで前に出た理由をこう振り返った。

「市丸のパスがやっぱりちょっと前に出してきたので、わざと『前を向け』というメッセージが込められていたと思うし、ああそういうことかと思ってドリブルした(笑)」

このシーンで市丸はわずかに前方にボールをつけ、堂安にドリブルでゴールをこじ開けてこいというメッセージをパスに込めた。その結果、堂安は前に仕掛ける決断。ヨーロッパ2位でこの大会に参戦してきたイタリア守備網を、1人で打開する圧巻のプレーを見せたのだ。

ただ、このコンビネーションも中学校時代からの仲だからこそ成せる技だ。

「すごいっす、うまいっす。なんかやっぱり一緒にやっている分もあると思うけど、右サイドの(初瀬)亮くんを含めて、やっぱりあの2人はうまいなと思って(自分はパスの)受け手になっているし、すごいなと思って一緒にやっていた」(堂安)

市丸のプレーを知り尽くす男はすべてを分かっていた。そうでなければ、あのメッセージ付きの縦パスも受け取ることはできなかったに違いない。「ポテンシャル、パーソナリティを持っているけど、野心家でもある」と内山篤監督が賞賛する日本の至宝だが、その輝きは市丸のサポートがあってさらに増す。

次なる相手はベネズエラ。エース小川航基(磐田)を負傷で欠くチームにとって、決勝トーナメント1回戦でもこのホットラインがチームに必要不可欠だ。

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