
浅田 このチームのいいところの一つが明るさ。今日も点が入るごとにバカ騒ぎしていたけど(笑)。だけど、試合後に話を聞いた印象では、みんな案外落ち着いている。浮かれてない。ああいう風にやってはみせたけど、わざとバカを演じている部分はあるのかもしれない。
了戒 「頭のいい子どもたち」みたいな感じはある。
浅田 大会前に了戒さんが「このチームは勝たなきゃいけない試合では勝っているけど、引き分けでもいいとか、位置づけが中途半端な試合ではことごとく結果が出ない」と書いていたじゃない? そういう意味でいうと、スコットランドに勝ったことによって、グループリーグ突破の可能性が高くなったのが逆に心配。次のコスタリカ戦で「引き分けでもいい」っていってたらコロッとやられちゃって、ナイジェリアにもボロ負けしない限りは大丈夫だっていってたら大敗する―――みたいな。
了戒 それは本当にありえるし、この間のツーロンはいい例だと思う(第3戦のコートジボワール戦で引き分けでも決勝トーナメントに進出できる状況だったが敗戦)。ただ、あのときは第2戦の一番強いフランス戦でメンバーを総取替えしているから、何ともいえないですけど。
だけど、「勝たなきゃいけない試合では勝っている」といっても、本当に逆境に追い込まれたときにどうなるかは未知数。そこまで信用はできない。気合いの入る初戦という状況でこうなるのはある程度は予想できたから、2戦目でどうなるかが見物ですよね。そこでも勝って勝点6あれば上がれるでしょうから。
浅田 勝点6だったら、万が一、勝点6で3チームが並んだとしても、3位でも確実に上がれるよ。
了戒 だけど、吉田監督はコスタリカ戦を引き分け狙いで戦うのかもしれない。今日のミックスゾーンでも「監督が引き分けでいいといっても、僕たちは勝ちたい」というコメントがあったから。
浅田 確かに吉田監督はインタビューでも、「ナイジェリアに勝つのは厳しいだろうから、最初の2試合で勝点4をとりたい」ということはいっているけど、でも、選手の前で「引き分けでいい」とはいってないんじゃないかな。
了戒 そこら辺の「勝ちたい」と「引き分けでもいい」という気持ちがチーム内でバラバラな戦いをしかねない。まあ、ツーロンでああいう経験をして、今回も「積極的にやらないといい戦いができない」といっているから大丈夫なのかな。
浅田さんはどうなんですか、歴代のユース代表と比べて、今回のチームはどう違うと思いますか?
浅田 一番思うのは、やっぱり「子ども」だなということ。練習中とかもキャッキャッキャッキャッ騒いでるとか、調子に乗ると強いとか、まさに高校サッカーの世界。今までのチームに比べると、よくいえば明るい、悪くいえば幼い。前回のチームのほうが、いい意味でも悪い意味でも大人だったというか、メディアに対して多くを語らない感じがあったけど、今回のチームは素直に喋ってくれる。
了戒 それについてはいくつか理由があると思っていて、一つは地方クラブ出身の選手が主力だということ。柏木にしても槙野にしても。もう一つが全体的にクラブユース出身の選手が多いこと。高校サッカー上がりの選手は、高校選手権で注目されすぎてしまって、メディアに対して構えるようになるのかもしれない。
浅田 では、そろそろ締めにいきましょうか。普通に考えれば好スタートを切ったことになるんですが、一筋縄ではいかないのがこのチーム。第2戦はこうなるんじゃないかというのはありますか?
了戒 さっき浅田さんがいったように、コスタリカにコロッとやられて、ナイジェリアに大敗してしまう、というのは可能性として大いにあると思うし、そういうのを実際に見てきている。逆にコスタリカにさえ勝てば、結構いいところまで行くんじゃないかな……というか行って欲しい。
浅田 今日見た印象ではコスタリカもナイジェリアもどっちも強い。スコットランドとはワケが違うぞ、という感じがある。今日の収穫は梅崎司がよかったところ。余裕があるし、落ち着いてボールを扱えるし。
了戒 体も強くなっている。
浅田 スコットランド戦に関しては向こうが悪すぎたし、この点差ほど日本が特別よかったとは思わないけど。
了戒 梅崎はポルトガル遠征、ツーロン国際大会とそんなによくなかったから、現地での調整がうまくいったんじゃないでしょうか。
浅田 第2戦に期待しましょう。
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