
日本は前半からゲームを優位に展開。22分、左CKをCBの⑤槙野智章がヘディングで突き刺し、先制点を挙げる。長身FWへのロングボール主体のチェコにも日本のDFはしっかり対応、1-0で前半を折り返す。後半2分、⑧田中亜土夢が倒されてPKを獲得。これを⑨森島康仁が落ち着いて決めて2点差とする。だが、2-0となって「受け身」になったか、チェコに攻め込まれた日本は後半29分、32分と立て続けにPKを取られ、あっという間に同点とされてしまう。その後、チェコの選手が退場し10人になるも、日本は勝ち越し点を決めることはできずPK戦へ。日本は1人目の③安田理大と4人目の⑨森島が失敗。悔しいPK負けでの敗退となった。 |

浅田 さて、今はビクトリアの空港で飛行機を待っているわけですが。あれだけ盛り上がったわりにはあっさり負けちゃいましたね。
佐藤 もったいない。延長戦でケリがつくかなと思ってたけど。相手は一人少なかったし、日本はまあまあ動けてたし、チャンスもいっぱいあったし。だから、そういうところで決められないと、しっぺ返しが来るという見本のような試合だった。
浅田 前回の対談で、1999年のチームは、決勝トーナメント1回戦のポルトガル戦がヤマになって、そこを勝ったのが大きかったという話をした。あのときもポルトガルが交代枠を使い切っているところでケガ人が出て、一人少なくなった。そして、延長戦でも決着がつかなくてPK戦で勝ったから、「これ、似ているんじゃないの?」と思ったんだけど。
佐藤 あのときはポルトガルでケガをしたのがGKで、PK戦は素人(FP)がやっていたから。日本にとっては、すごくラッキーだったと思う。だけど今回は、2点リードしていて、追いつかれて、突き放せないという、悪い状況のままでPK戦になったから、流れはあまりよくなかった。
浅田 テレビで見ていると、もしかすると“押されている感”があったかもしれないけど、現場で見ているとシュートの精度も、クロスの精度も低かったし、点を取られそうな感じはしなかった。
1-0のままでも勝てそうな気がしたぐらいだから、もう2点目が決まってほぼ(勝利は)間違いないと。チェコはスコットランドよりも前に運ぶ意識があって、その辺の迫力はあったけど、「負ける相手」じゃなかったと思う。
佐藤 点を取った時間帯も理想的だった。前半の半ばに取って、後半の半ばに引き離して--敵のダメージも大きかった。後はしっかり守って3点目を取れればいい、という感じだった。日本が疲れて足が止まったのがあったから、チェコに押されていたように見えたかもしれないけど。
浅田 うまく行き過ぎているのが、逆に不安だなと思っていたのが、残念ながら当たってしまったというか。
でも、受け身に回ったとか、バタバタしたとはいいつつも、崩されてはいなかった。だからこそ、あのPK2本は悔いが残る。ただ、1点目のPKの後に10番(ヤクブ・マレシュ)がシミュレーションを取られたから、もう1本はないかと思っていたら……。
佐藤 まあ、あの2本のPKはアンラッキーとしか思えない。仮に同点になったとしても負けてるわけじゃないし、相手は一人少ないわけだから、落ち着いて戦えば何てことはないんだけど、妙にバタバタしてしまった。でも、ああいう追い込まれた状況がこの大会ではなかったから。例えばグループリーグの中で先制されたり、追いつかれた状況で突き放して勝っていれば、あんなにバタバタはしなかったと思う。グループリーグがよすぎて、その反動が来てしまったと思う。
浅田 それでも、前半から9番(マルティン・フェニン)とのヘディングの競り合いで、全部9番のファウルを取ってくれていたから、そこに関してはかなりラッキーだったと思う。前半、日本が自分たちのペースで試合を進めた一つの要因だったと思うし。そういう意味では、前半、レフリーがちょっとずつ日本に加担してくれてた分を、まとめてチェコにお返ししたというか(笑)。
佐藤 あの3分間で。“倍倍倍返し”ぐらいにされた。
浅田 あそこまではジャッジも含めて、完全な日本の「勝ちゲーム」だった。相手も積極的に来なかったし、逆にこっちがプレッシャーに行くと相手はミスをしてくれた。
佐藤 それでも、負けるんだよ、やっぱり。ああいう風にチャンスを逃してしまうと。
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