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トップマッチレポートFIFA U-17ワールドカップ 韓国2007>グループリーグ 日本-フランス 対談レポート[2]
Match Report マッチレポート

FIFA U-17ワールドカップ 韓国2007 マッチレポート

組み合わせ・大会日程
大会概要
2007/8/27
FIFA U-17ワールドカップ韓国2007 グループリーグ 日本-フランス
浅田真樹(フリーライター)、後藤健生(サッカージャーナリスト) 構成
韓国で行われている17歳以下の世界選手権、「FIFA U-17ワールドカップ韓国2007」。ストライカーDXでは、現地で取材しているフリーライターの浅田真樹氏に日本の戦いぶりをレポートしてもらいます。
今回は日本の第3戦、フランス戦を終えての対談レポート。サッカージャーナリストの後藤健生さんお迎えしてお送りし、試合を振り返ると共に、日本チームの総括も行います。

STRIKER DX名物 対談レポート
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普通の選手のレベルが上がっている
日本は穴のないチームだった

浅田 柿谷曜一朗のゴールに関してはどうですか?

後藤 あれはすごいよね。後ろから来たボールをコントロールするだけだって簡単じゃなかったと思う。そこでよく抜いて、どこでGKの位置を見ていたのか知らないけど、あそこで打とうとするとは。

浅田 しかもあの距離を、ちゃんとゴール枠へ飛ばすキック力とコントロールもすごかった。

後藤 パスなんかでも、彼は遠くがよく見えているよね。

浅田 このチームではいろんなポジションをやりますけど、そのへんの適性などはどう見ますか。

後藤 それは前にフランスの20番(リビエール)みたいなのがいれば、その下がいいんだろうけど。以前は前田遼一が、トップ下がいいのか、トップがいいのか、長いこといろいろやっていたけど……。どのへんで決めたほうがいいのか。適正はどこなのか。ちょっとこれから悩みどころかもしれない。

浅田 フランス戦の柿谷に関して、ちょっと気になったのは、あまりにもトリッキーなことをやろうとしすぎているというか。それって相手のことを意識しすぎている結果なのではないかと。

後藤 だんだん増えたよね。故障がどういう状態なのかはわからないけど、やっぱりだんだん辛くなってそういう方向にいっちゃったんじゃないかな。

浅田 もうちょっとちゃんとキープして、前を向いて持ったって、勝負になりそうなところでも、一発でヒールなどでパスしてみたり。

後藤 粘りがね。キレも粘りもなくなっていた。だから、交代したけど随分引っ張ったよね。もっと早く代えたかったんだろうけど。

浅田 ぱっと見た印象では、テーピングも今までになく、がっちり固めていたような……。

後藤 もうちょっといいコンディションでやれればね。本人とってもチームにとっても、大変なことだった。でも、ハイチ戦でね。時間がない中で、ああいうことやってみせたのは、すごいよ。

浅田 でも、このチームは柿谷だけではなく、小野伸二世代以来のアジア優勝ということもあって、この世代は新黄金世代ともいわれているわけですよね。レベルアップしたという話がありましたけど、個人のタレントという面ではいかがですかね?

後藤 柿谷は間違いなく、ナイジェリア大会の世代(99年ワールドユース準優勝)に匹敵する、別格の選手だよね。ただ、別格の選手が大勢いるという点ではナイジェリアの世代のほうがすごくて、これはそう滅多にあることではない。でも、そうじゃない普通の選手のレベルが上がっていて、例えばディフェンス面では今回のほうがしっかりしているし。

浅田 本当にディフェンスはただズルズル下がって守るのではないですよね。

後藤 いい形で前で奪って、しっかりつなげる。

浅田 スルーパスも裏へ出されて慌てて追いかけるでなく、きちんと選手間を閉めてカットするなど、そういうことがものすごくできていた。

後藤 こういうエイジグループのチームというのは、どこかのポジションに穴があるのが当然で、ブラジルだって、いい選手と悪い選手の間にえらく差があったりする。それを見ても、日本は穴のないいいチームだと思う。

浅田 ただ、それでもナイジェリア戦などを見ると、この世代で決定的にトップとは差があるなと思います。何かこう、やり方一つで何とかなるという感じではなかったですから。どうしても日本って、この世代に限らず立ち上がりが悪いじゃないですか。そこで相手ががっと出てくるのを乗り切れるかどうかが、日本がその試合をものにできるかどうかの1つのポイント。それでナイジェリアと日本くらいの差があると、それはもう持ちこたえられない。逆に今回のフランスくらいだと、ちょっとラッキーな部分はありましたけど、持ちこたえられた。

後藤 ナイジェリアは違いすぎたかもしれない。だけど、このフランスを相手に、きちっとサッカーができて、耐えるところを耐えて、1発だけど先制点も取って、後半もある時間帯まで、まあフランスが勝手におかしくなった気もするけど、日本のペースでいったと。あそこまでできれば、まあしょうがないんじゃないかな。そこで点を取られるか、取られないか。1点目はGKが弾いてしまったので、あれは防げたと思うけど、あそこで取られなかったら何とかなったと思う。もう、そこから先はどっちにでも転ぶ感じだったしね。

浅田 じゃあ、後藤さんとしては、相手のチームのレベルも違うとはいえ、01年にナイジェリアとフランスにこてんぱんにやられたことを考えたら、よくここまでになったなと。

後藤 そうそう。試合というのは相手がいるから、強くなったかどうか判断するのは、それは難しい。だけど、それは間違いなくあのときよりは強くなっていると思うよ。01年のときは、「どこまで耐えられるか」って最初からそんな感じでさ。勝負って感じじゃなかったもんね。

浅田 ただし、ここまで日本のレベルが上がってきていることが実感できた中で、でも最初に言ったような課題があると。結局、シュートを打たないでパスしてしまうというのは、もうどうしようもないといっては何ですけど……。

後藤 今すぐはどうしようもないけど、いずれは何とかしないといけない。

浅田 結局は意識みたいなことになっちゃうんですかね。

後藤 単にシュートなんだから、キックの技術だと思うんだよな。20メートルのところから打って、10本に1本でも入れる自信があれば、シュートを打つようになるんじゃないかな。

浅田 サイドで詰まって、もう1回やり直して、ボランチのあたりにボールが戻ってくると、世界のサッカーではもうそこはシュートなんですよね。

後藤 打って入らなくても、枠の中に飛んでいれば何か起こる可能性がある。それにシュートじゃなくても、ゴール前のフィニッシュの形まで作る、そこの部分だよね。パスの精度とか。日本はあれだけボールは回しているのに、ペナルティーエリアでシュートを打てるようなチャンスにほとんどならない。しかも遠目からも打たない。やっぱりこれは点が取れないよね。最初に言ったように、遠目から決めるのは日本人は難しいというのがあるなら、じゃあどういうところで点を取るのかを作らなければいけないけど、それもできていない。

浅田 これは段階的なものなんですかね。

後藤 いや、これはみんなでもうちょっと考えて、アイデアを出していかないと。アジアカップではその部分に手はつけられていなかったけど、オシム監督は何か考えていると思う。この間の大分での試合は結構よかった。前田がトップに入って、クサビのボールを落とすのではなくて、ダイレクトでポンと前にはたいて、それを両サイドの足の速い大久保嘉人と田中達也が走りこんでいく形だよね。ああいう形の精度をもっと上げていけば。小さい選手でも2人くらい相手の裏へぽんと抜けて、ゴール前に出ていく。そういうのをやっぱりやっていかなくてはいけないのかなって思ったね。

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