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小池 キトのほうは、そんなパチューカを淡々と受けて、ショートカウンターを狙っていたよね。1点目はディフレクションになって、パチューカには不運なところがあったけど、その前のキトのスルーパスはスゴかったからね。あれは「らせんスルーパス」ですよ。
菊地 らせん?
小池 21マンソがボールを持っていて、内側から左斜め前に⑯ビエレルが走る。でもそのタイミングで縦にスルーパスは出ないわけ。ビエレルがその後膨らむような動きから、中方向へ体の向きを変えた瞬間に出てくるんだよ。受け手の動きの線と、パスの線が、らせん状になる。これが「らせんスルーパス」。
粂田 ああ、なるほど。
小池 これだと、最初の段階で出すより、もうひとつ裏を狙えるというのかなぁ。いやぁ、マンソにはしびれたね。狙いどころがやっぱり洗練されてるよね。
菊地 キトは非常にクラシカルというか、必ずマンソから決定機が生まれるというね。見ていて分かりやすいよね。
清水 あのマンソが持っているサイドの逆サイドから、アタッカーの速い選手が入ってくるのはいやらしかったですね。
菊地 ああ、右が⑬レアスコで、左が⑦ボラーニョスね。
清水 その他のシーンでは、ゲームに参加してない感じもあるんだけど。
粂田 カウンター要員って感じで、後半も彼らにボールを出して、行ってこいみたいな感じでしたもんね。
清水 でもパチューカは、それにものの見事にやられてしまったわけで。
小池 前にスコットランドで中村俊輔に話を聞いたときに、今のサッカーはトップ下にドンと選手がいるというより、その位置を空けておいて、そこにサイドのMFやボランチやFWが下りてきて、トップ下のスペースを使うのが、主流になっていると。マンソなんかは、前戦から下りてきてボールを受けて、前を向くというスタイルだったね。
清水 気が利く選手でしたね、しかし。非常に頭がいい感じで、パチューカはかき回されっぱなしだった。
小池 ボールを持てば、センスのいいスルーパスは必ず出るからね。
菊地 あのスルーパスには、日本のオールドファンもしびれるんじゃないですかね。コーナーフラッグ目がけてスルーパスが出ていくシーンなんて、最近なかなかお目にかかれないもの。スルーパスが出ていって、サイドの選手がガーっと走っていくじゃない。それで会場が「おおっ!」と沸く。あの瞬間が好きなんだよなぁ。
小池 一度出す方向とは逆に持っていってから、アングルをつけて出すというのもきちんとやっていたしね。
菊地 あれこそ、ボクらが小さいころに見た、「昭和のサッカー」だな(笑)。やっぱ南米はそういうのを大事にしているっていうのは、いいことだよ。
清水 ボクはそのときの、追いかける敵のサイドバックの顔を見るのも好きですよ。「やられたぁ! 追いつかねえ!」みたいなやつ(笑)。
菊地 じゃあ、ウチの雑誌のレッスンの「やられ役」にスカウトしないと!
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