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FIFA クラブワールドカップ ジャパン2007 マッチレポート トヨタカップ対談プレイバック

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2007/12/17

TOYOTA プレゼンツ FIFA クラブワールドカップ ジャパン2007

小池正人(本誌)、菊地芳樹(本誌)、北健一郎(本誌)、清水英斗(本誌) 構成

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決勝
12月16日(日)/19:30キックオフ/神奈川県・横浜国際総合競技場/観客68263人/試合時間90分
ACミラン 4(1-1、3-1)2 ボカ・ジュニアーズ

得点者
(ミ)インザーギ2、ネスタ、カカ (ボ)パラシオ、オウンゴール
ゲームのあらすじ
21分、22カカのシュート性のパスを、ファーサイドにポジションを取っていた⑨インザーギが合わせてミランが先制する。ボカ・ジュニアーズも負けじと22分、ショートコーナーから⑭パラシオがヘディングを決めて追いつく。1-1のまま前半終了。後半、先手を取ったのはミランだった。50分、⑬ネスタのゴールで勝ち越すと、61分には22カカのロングドリブルがさく裂、自らシュートを決めて突き放す。71分、⑩セードルフ→22カカ→⑨インザーギとつながってダメ押し。85分にボカ・ジュニアーズに1点を返されたものの、4-2で勝利したミランがヨーロッパクラブとして初めてクラブワールドカップチャンピオンに輝いた。

STRIKER DX名物 対談レポート
レベルの高いゲーム
カカが試合を決めた

清水 ボールが気持ちよさそうでしたね。スケートリンクの上でサッカーをしているように滑らかに動き回っていて。見ていてメッチャ楽しかったですよ。

北  トラップミス、ほとんどなかったもんね。

清水 3位決定戦と決勝が連続したから、レベルの差がハッキリとわかった。3位決定戦でのパス回しは、「ゴツゴツ」している感じでしたから。

小池 浦和はパスが行き当たりばったりなんだよ。空いているところ、フリーのところに回しているだけで狙いがない。

清水 ボールをもらってから、次に何をするかを考える。浦和はその繰り返しなんだけど、決勝の2チームは2手先、3手先を考えながらプレーしている。

菊地 サッカーって「不確実要素が多いスポーツ」ってよくいわれるでしょ? でも、今のトップレベルのサッカーに「不確実要素」ってないと思うんだ。こういう風にやれば点が入るという、「確実要素」を計算に入れてゲーム運びをしている。ミランはカカのロングドリブルからゴールを決める形を、90分間の中のどこでやるか、みんなが狙っていたと思う。

小池 こうすればチャンスになる、点になりやすいというのをわかっている。象徴的だったのがインザーギの1点目のシーン。カカの最初のシュートがブロックされて、普通だったらボールの近くに行きたくなるのに、逆に離れてファーにいってるんだもん。で、そこにボールが出てくる。

菊地 “そこ”にいるね、インザーギってヤツは。

小池 でも、そのすぐ後にボカがCKから同点ゴール。ミランのゴール前の人数はそろっていて、ボカはパラシオしか動いていないのに、ミランの選手はフリーでヘディングさせてしまった。ミランほどのチームでも先制した後っていうのは「ポカン」としちゃうんだなと。高校生レベルの話じゃない? 先制した後に気が抜けちゃうっていうのは。それがミランにも起こったのは面白かったな。

清水 あの場面ではショートコーナーでパスをもらった選手が、すぐにクロスを蹴らずに足裏でトラップして一つタメて、ミランの選手の注意がそこに引きつけられた。その間にパラシオが動き出たからフリーになったのでは。

北  パラシオは準決勝のエトワール・サヘル戦を見たときには、左サイドでチャキチャキやるけど、今ひとつ迫力に欠ける印象だったんですが、今日はよかった。右に左に動き回って、ドリブルでミランDFを困らせていた。

小池 残念なのが9番(パレルモ)だね。大会を通じて何にもしなかった。

菊地 ね! 外して短パンを上げるシーンすらないんだもん(笑)。

北  パラシオがパレルモの分まで働いてるような感じでしたね。

小池 2000年のトヨタカップでレアル・マドリードから開始6分で2点取ったとか、コパ・アメリカでPKを3本連続で外してアルゼンチンで株価が暴落したとか、数々の伝説を持ってる選手なんだけども。残念だったなあ~。

清水 開始10分までに、ミランのDFが自分のゴールに向かってボカの選手を追いかけるシーンが何度かあったじゃないですか? あんなシーンは浦和戦ではほとんどなかった。そんなところでボカは強いんだなあと感じたり。

北  トヨタカップで南米のチームが勝つ場合の展開は大体同じ。早い段階で先制点を取って逃げ切るか、0-0で引っ張って、最後の5~10分のところでカウンターとかからゴールを決めるか。途中まではボカも後者のパターンに持ち込むかな、と思ったんですが……。

菊地 カカのドリブルが試合を決めたね。

北  でも、準決勝からの傾向としてカカは右サイドでドリブルするときは結構止められている。ゴールになったときはどれも左サイドからだった。

菊地 やっぱり右利きの選手にとっては、中を見ながらドリブルできる、左サイドのほうがやりやすいんだと思う。

北  確かに。

菊地 で、浦和戦でセードルフにアシストしたのと、今日の2点目のゴールはどちらも同じような形だったじゃない? 左サイドで1対1で縦にかわして、っていう。このドリブル、どちらも2タッチで抜いているんだよね。1発で抜くのではなく、軽めの1タッチをして敵を食いつかせたところで、次のタッチでグッと引き離している。カカって「スピードでぶち抜いているだけ」と思われがち。でも、本誌の「マサハルレッスン」のためにカカのプレーを研究した身としては、スピードよりもタッチにポイントがあるんだということをいいたいね。より詳しいことは、現在発売中のストライカーDX08年1・2月号をご覧下さい(笑)。

北  シュートにも意外性があった。カカは右利きだし、角度がなかったから、浦和戦のように中に折り返すかなと思ったら、左足でそのまま打っちゃった。

小池 「角度がなくても打て」ってことだよ。角度がないと日本の選手はマイナスのクロスを考えちゃう。ヨーロッパのサッカーを見てると、角度がなくても打っちゃって、GKに当たって入っちゃうシーン、すごい多いもんね。

北  クロスのモーションと同じだったので、GKも中途半端な対応になってしまった。

小池 そんなに強いシュートじゃないし、どっちかっていうと当たり損ね。それでも入っちゃう。あとは、セードルフのプレーが印象に残った。

菊地 セードルフは……ケツがすごい。

小池 そうそう。

菊地 本来だったら、ジラルディーノやインザーギがもっとやるべき、縦パスを引き出すという役目を、カカ、セードルフは担っている。縦パスをもらうときに、敵に後ろからガツンと当たられてもセードルフがボールを取られないのは、ケツの使い方が抜群にうまいから。

小池 その縦パスの入れ方もミランはうまかった。縦に真っすぐ入れるのではなくて、斜めからパスをしていた。真っすぐな縦パスだと、ゴールに対して背を向けて受けるから、なかなか前を向けない。浦和ではワシントンがそういうシーンが多かったよね。でも、ミランの場合、斜めの角度からパスを入れるから、受け手の選手が次のプレーをしやすくなっていた。もしも録画した方がいたら、28分あたりに組み立て方のお手本になるシーンがありますので、チェックしてみて下さい(笑)。

マルディーニも足ワザの時代

北  点差がついたミランは最後の時間帯は右サイドバックがカフー、左サイドバックがマルディーニになった。これはオールドファンにはたまらなかったでしょう。

菊地  カフーは何度かオーバーラップしたんだけど、カフーって、パスを中に預けて、タッチライン際をドスドスと上がっていくじゃない。今どきあんなにオーバーに攻め上がる選手はいないよ。カフーの攻め上がりを見ながらちょっと笑っちゃったもん(笑)。

清水 クラシックでしたね~。

小池 トヨタカップがまだ昼にやってた頃にタイムスリップした感じだった(笑)。

北  あのカフーのクロスをパリーニャが合わせるっていう(笑)。1993年のサンパウロFCvsミランでは、サンパウロFCの一員だったカフーが、見事なクロスでパリーニャの先制点をアシストしたんですよね。

菊地 今日のミランは白いユニホームだったし、余計そう見えたね。(サンパウロFCのユニホームも白)

小池 ビックリしたのはマルディーニがサイドでボールを持ったときに、またいだり、ダブルタッチしたりしたこと。あんなことをやる選手じゃなかったのに。だけど、このスタジアムって不思議と足ワザが出るんだよな。バルセロナのデコなんて、「サーフェス」が合っているのか、ここで試合をするときはいつも“ヤリヤリ”になる。

菊地 「横国」のピッチは足ワザをやりやすいのかもしれませんね。

小池 だけど、Jリーグではそんなに出ない。

菊地 マルディーニだってやれるんだから、日本人選手だってもっとできるはずだよ。

小池 そう、だから、もっと“ヤリヤリ”でいこうよ、と。世界は“ヤリヤリ”なんだから。永井も長谷部ももっとやれたと思うよ。実際に長谷部や山田は3位決定戦でルーレットをやっていたしね。

菊地 だから、来年のレッズはどう? 坪井? 彼がクラブワールドカップでまたぐようになったらすごいことだね。

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