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FIFA クラブワールドカップ ジャパン2007 マッチレポート トヨタカップ対談プレイバック

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2007/12/11

TOYOTA プレゼンツ FIFA クラブワールドカップ ジャパン2007

北健一郎(本誌) 取材・文

準々決勝
12月10日(月)/19:30キックオフ/愛知県・豊田スタジアム/観客33263人/試合時間90分
浦和レッズ 3(1-0、2-1)1 セパハン

得点者
(浦)永井、ワシントン、オウンゴール (セ)カリミ
ゲームのあらすじ
アジア王者の浦和がクラブワールドカップに初登場。立ち上がりから浦和は積極的なディフェンスでセパハンを圧倒していく。32分、⑯相馬崇人のクロスに⑨永井雄一郎が合わせて先制点。54分にはエースの21ワシントンのゴール、70分にはよもやのオウンゴールで3点を奪っての快勝。13日の準決勝ではヨーロッパ王者のミランに挑む。

「日本代表」として世界に自慢したいサッカー

 浦和がセパハンに3-1で勝って、13日の準決勝でミランへの「挑戦権」を獲得した。大会主催者側はホッとひと安心だろうし、浦和サポーターは今年最後の大一番に胸を高鳴らせていることだろう。

 浦和にとっては、ACL決勝でセパハンに勝利して今大会の出場権を決めて以来、ぱったり勝てなくなった。天皇杯ではJ2の愛媛FCに敗れて4回戦敗退(浦和の出場はここから)、Jリーグでは最終節で最下位の横浜FCに敗戦。鹿島に優勝をかっさらわれていた。

 浦和は今シーズン、Jリーグ、ACLを平行して戦い、日本代表選手も多く抱えていたため、いくつもの活動を“掛け持ち”しながら、常にベストメンバーで戦ってきた。そのツケを年末に全部払っているかのような停滞ぶりに、CWCへの不安は募った。だが、浦和のイレブンはそんな不安を吹き飛ばす、痛快なサッカーを豊田スタジアムで見せる。

 天皇杯を失い、Jリーグを失い、残されたものがこれしかなくなった浦和は、どこか吹っ切れた感じ。大黒柱のトップ下⑩ポンテの穴には⑰長谷部誠、ボランチには22阿部勇樹、左CBには⑤ネネが入った新布陣が見せたものは、「外国人頼み」と揶揄(やゆ)された浦和のサッカーとは全くの別物だった。

 32分、浦和に待望の先制点が生まれる。中央の⑰長谷部が左横の⑯相馬崇人へパス。この瞬間にFWの⑨永井雄一郎はゴール前へ走り込む。⑯相馬が敵に一度向かってから離れるドリブルで、縦に突破してGKとDFの間へグラウンダーのクロス。これを「相馬から合わせるだけの優しいボールが来た」と⑨永井が左足で合わせた。

「プレス、プレス、前に出ろといった」(オジェック監督)。浦和のチャンスを生み出していたのが“前で取る”積極的なディフェンスだった。これまでの浦和の守り方は敵にボールが入ってから、リトリートして、クロスなりドリブルなりを仕掛けてきたものを止めるというものだった。必然的にDFラインはかなり下がった状態になるし、チームは全体的に間延びする。

 だが、今日は中盤での縦パス、横パスを中盤の選手がことごとくカット。FWへのロングボールも、④田中マルクス闘莉王がさすがの打点の高さで跳ね返した。そうすることによってチーム全体が押し上げられ、高い位置から攻撃できるので、人数をかけて攻めることができる。

「こんな強いレッズ見たことない!」、記者席で、記者会見場で、あちこちで、そんな声が聞こえてきた。「強いけど、つまらない」サッカーではなく、「強いし、面白い」サッカーがそこにはあった。これが「日本代表」だと、世界のサッカーファンに自慢したくなるようなチームだった。

 54分には、22阿部のパスをペナルティーエリア右角で受けた21ワシントンが、飛び出してきたGKをかわし、角度のないところから決めて2点目。これで勝負ありだったが、70分にも⑯相馬の縦突破&クロスから、⑨永井が叩きつけたヘディングを、セパハンDFがクリアしきれずオウンゴール。

  ACLの決勝では特に後半は押し込まれっぱなしだったが、ピンチらしいピンチは26分の右からのクロスを⑭カビル・ベロの選手が空振りしたシーン、47分に⑫アブドゥル・ワハブ・アブ・アルハイル(長い!)がペナルティーエリア右サイドでボールを受けてシュート。23都築龍太がセービングしたボールがポストに当たったシーン。そして、⑬79分に⑬マフムド・カリミにDFラインの裏に抜け出されて決められた、この3つぐらい。浦和がここ最近では出色の内容で勝利を収めた。

 この日の浦和の良さをわかりやすく示すのが、21ワシントンの「体の向き」だ。ゴールに背を向けてのプレーが大半だった大型FWが、この日はゴールに向かってのプレーが目立った。ドリブルでの仕掛けも、決してうまくはないものの、敵にとっては嫌なものだっただろう。チームが前でボールを取れることによって、押し上げが早くなり、サポートの距離も近くなったことによって、いい体勢でボールをもらえるようになったのが大きい。気持ちに余裕があるので、ヒールパスなどのトリッキーなテクニックも飛び出す。今シーズンは、常にフラストレーションをため込みながらプレーしていた21ワシントンだが、今日のようなプレーができれば「造反」もなかったかもしれない。

 さて、次はいよいよ「ヨーロッパだけでなく世界のトップチーム」(オジェック監督)ミラン戦だ。浦和にとってみれば、準決勝に進出した時点で「最低限の仕事」は果たしたことになる。まさに「失うものは何もない状態」なわけで、今日のようなポジティブなエネルギーに満ちたサッカーを見せてほしい。

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