FIFAクラブワールドカップ ジャパン 2015
【M8】決勝
リバープレート−バルセロナ

2015年12月21日

川原宏樹(本誌)取材・文 松岡健三郎(本誌)写真
山本孔一(フリーライター)取材協力

15年12月20日(日)19:30キックオフ
神奈川県・横浜国際総合競技場/観客66,853人/試合時間90分
リバープレート
(アルゼンチン)
0 0-1
0-2
3
バルセロナ
(スペイン)
  得点者 メッシ(前半36分)
スアレス(後半4分)
スアレス(後半23分)

南米とヨーロッパの対決となったFIFAクラブワールドカップ決勝は、ヨーロッパチャンピオンが上質なサッカーを見せて、戦前の予想どおりバルセロナが勝利。4年ぶりに世界ナンバーワンの称号を手にした。

リバープレートのガジャルド監督が、「自分たちのプランは35分間できました」と試合後に振り返ったように、前線からの激しい守備と球際での厳しさでバルセロナを追いこみ、試合の主導権をバルセロナに握らせなかった。しかし、前半36分にメッシが先制点を決めてからは、完全にバルセロナのペースになった。後半の頭から2人の交代枠を使い流れを引き寄せようとしたリバープレートだったが、早々にスアレスに追加点を奪われてしまった。「後半は前半よりもラインを上げてプレーしましたが、バルサにスペースを与えて、5分後にゴールを入れられて2失点目。これがかなりこたえました」とガジャルド監督がコメントしたように、その後のリーベルはチャンスと呼べるようなシーンを作りだすことができなかった。試合巧者ぶりを発揮したバルセロナが終始試合の流れを作り、終わってみれば3−0で圧勝。内容においても世界一のサッカーを見せて優勝を決めた。

ピックアッププレー

メッシの先制点

準決勝でのバルセロナも素晴らしいサッカーを見せてくれたが、メッシとネイマールがそろったバルセロナは桁違いに素晴らしかった。個でも組織でも相手を圧倒し、世界一にふさわしい戦いを見せてくれた。

特に病床明けとは思えぬほどの無双ぶりを見せたメッシは、チームが苦しい時間帯できっちりと先制点を挙げてエースの役割を果たした。

前半36分、ダニエウ・アウベスからクロスボールが入り、そのボールをファーサイドにいたネイマールがヘディングでメッシの足元へ落とす。このときにあのゴールまでの道筋を想像できていた人は、どのくらいいただろうか。メッシは利き足の左足でタッチするように見せてスルーする。左足を警戒していたマイダナは完全に釣り出され後手となる。さらに、メッシはバウンドしたボールを胸で押さえると同時に左足を上げ、ボールが高い位置にある状態でゴールへ蹴りこんだ。ボールが落ちてくるのを待ってから右足でボレーをしていれば、おそらくカバーに飛びこんだバランタの足に当たっていただろう。あるいは、後方から寄せてきていたモラによって蹴り足を振る間を与えてもらえなかった可能性もある。

得意な左足が瞬時に出ただけのプレーなのかもしれないが、結果的にゴールを奪うためには絶妙のタイミングと間合いを作ったシュートで、上体のバランスを崩されながらも打てる最高の選択肢だった。

(コメント)
メッシ
この偉大なクラブの歴史に新たな一ページを刻めて本当に幸せだ。ネイマール、スアレスとはリーガエスパニョーラ、コパ・デル・レイでもプレーをしていて、いい連携ができて、どの試合でも3人でいいプレーができている。優勝で1年を終えられるのはうれしい。これからも大事な試合が続くのでそこでも結果を出していき、これからもクラブとして多くのタイトルを取っていきたい。

スアレス
ゴールを決められてとてもうれしい。
メッシとネイマールがいて、本当に心強く、よりたやすく勝つことができました。このタイトルを取るためにプレーしてきたし、みんなで協力して勝つことができ、いいプレーができたと思います。
ここで立ち止まるのではなく、これからもタイトルを取りたい。

ネイマール
クラブワールドカップを勝てて本当にうれしい。今シーズンは自分の人生の中でも、最高のシーズンの一つとなっている。ブラジル人にとって、このタイトルの意味は大きく、クラブワールドカップ、ワールドカップに勝てることは信じられないこと。

イニエスタ
とても幸せです。これだけのタイトルを獲得できるのは、個人としてもチームとしてもうれしいこと。さらにうれしいことは、まだまだ獲得出来るタイトル、成功があるということ。
チームの限界? 自分たちは前にあるものを見ていく。昨シーズンは5冠だったが、それは記憶に残るもの。だけど、30日も過ぎればいつもと同じ状況になると思う。勝ち続けていいサッカーをして、3冠を狙っていく。タイトルを取れなければいいシーズンだということはできない。

ダニエウ・アウベス
それぞれの選手が自分の役割をわかっている。責任とか周囲との関係、チームの中での立ち位置を知っている。プレーする11人だけがすごいわけじゃない。全員が大事な存在。サブのメンバーも虎視眈々とレギュラーを狙っているし、それはレギュラーにとって気を抜けない理由になっている。
決勝はタイトルがかかる試合だけど、ほかの試合と大きく分ける必要はない。自分達はプロとしてしっかりと日々の取り組みを見せないといけない。タイトルはその取り組みに対しての報償だ。別にタイトルをとったからといって、自分たちは何も変わらないよ。変わらずにサッカーに取り組んでいくだけだ。

ブラボ
いい試合をしたと思うし決勝相手はとても強かったので、勝てて本当にうれしい。ハードな大会だったから気を抜くことはできなかった。 とても幸せで、この1年は本当信じられない。今は次の試合のことを考える。幸せといえば、タイトルよりも子供が生まれたことや家族のことの方が大きいけど、自分たちはプロとして何をすべきかをわかっている。しっかりと成功を収めるため1つにまとまり取り組んでいかないといけない。もちろんタイトル獲得はうれしい。

ルイス・エンリケ監督
優勝できてとてもハッピーです。家を出てからかなりの時間が経っていますし、とにかくこれからお祝いをしたいです。
メッシに関しては、本人の出たいという意志が強く、そしてみんなが満足する結果になりました。彼の姿勢がほかの選手にもいい影響を与えたと思います。
今日のプレーを見てもわかるように、我々はタイトルを目指し、そして獲得してきたが、どのようにタイトルを獲得するかが重要です。
非常に素晴らしいレベルの選手たちがいるので、チームが今よりもレベルアップするのはもちろん可能です。いろいろな選手が出たり入ったりしますが、育成組織も同じアイデア、同じ目標で練習しているのがバルサの強いところ。そしてサッカーだけでなく、人間的な成長もできます。

ガジャルド監督
まずはバルセロナを祝福します。とても強い相手でした。自分たちのプランは35分間できましたが、メッシのゴールからは自分たちの体勢が崩れてしまいました。
後半は前半よりもラインを上げてプレーしましたが、バルサにスペースを与えて、5分後にゴールを入れられて2失点目。これがかなりこたえました。
ファンは本当に素晴らしかった。希望を持ってこの大会についてきてくれたファンには、がっかりさせたかもしれません。傷つけてしまって申し訳なく思います。ただ、バルサのような素晴らしいチームとは、こういったことがあると考えなければいけません。
今は本当に残念で、敗北感にうちのめされています。それでもこの半年はさまざまなポジティブなことがあり、目標としていたタイトルも取りました。
この大会はデザートのイチゴのようなもの。チームがピークでないときのプレーになってしまったけど、この大会に参加できたことが重要です。

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上質なサッカーを見せたバルセロナが世界一の称号を手にした
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先制点を決めてネイマールと抱き合いながら喜ぶメッシ
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