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北京オリンピック取材記 追跡! 反町ジャパン

2008/8/15

北京オリンピック グループリーグB

浅田真樹(フリーライター)、了戒美子(フリーライター)、清水英斗(本誌) 構成

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STRIKER DX名物 対談レポート
反町監督がこだわり続けた
4-5-1と梶山陽平

清水 試合後のミックスゾーンで、本田圭佑が面白いことをいってましたよ。ミーティングでは、「オランダ相手にうかつに飛び込むとやられる」ということを注意されていたようですが、「僕の感覚では全然いけると思っていた。だから積極的に取りにいったほうがいいということを数人の選手に伝えて、彼らも賛成してくれた」と。そして実際にボールを奪うことができていた。試合での動き方を見ていれば、その数人というのはだいたい想像がつきますね。

浅田 確かにボールを取れていたけど、今日のオランダはかなり動きが鈍かったよね。アメリカ戦のときは、前半序盤はワイドにボールを動かしながら仕掛けて、オランダが完全に圧倒していた。そして先制ゴールを決めて、「こりゃ楽勝だ」って思ってギアを落としたら、アメリカに追いつかれて引っくり返されちゃった。で、あわてて攻めようとしたんだけど、時すでに遅しというか。何とかシボンのFKで帳尻を合わせたんだけど、自分からギアを下げておいて逆転されたり、自滅っぽい印象はあったよね。

清水 アメリカを甘く見て、油断しちゃった感じでしたよね。

浅田 そう。だけど今日のオランダは、自滅以前に、ギアを上げようにも上がらないみたいだった。

了戒 オランダでも緊張するのかなぁ。

清水 個人はすごいけど、チームとして何か問題を抱えているのは間違いなさそうですね。で、日本に話を戻すと、今日は梶山陽平がよくボールに触ってましたよね。アメリカ戦は全然ダメだったけど。

浅田 梶山はムラがあるタイプだからね。ただやっぱり、ビルドアップのボールの受け方とか、一回受けてボールを出した後の動き直しとか、あまりうまくないよね。あとは、中途半端で狙いのハッキリしないミドルパスみたいなのが、すごく気になるんだよ。

清水 梶山は人によって好みが別れますよね。後半に一度、左サイドでスローインになったとき、梶山がボールを見ないでフラフラと歩いていたことがありましたよね? あのとき、ピッチサイドで写真を撮っていたあるカメラマンさんが、「ボール見ろよ!」って怒鳴ったとか(笑)。

浅田 最後まで交代カードを切っていっても、梶山を残したんだから、それなりの信頼を受けているのは間違いないよね。

了戒 そうですね。私もそう思った。

清水 確かに、スパーンと相手の読みの逆を取るような選手は、あの中には梶山しかいないですからね。

浅田 ボディーバランスがいいから、体をぶつけられてもボールキープできるとか、そういうところはあったよね。例えば、前半24分に梶山が中盤で体をぶつけられたけど持ちこたえて、そのまま右にドリブルで持ち出し、最後はノールックみたいな感じで左にパスを出した。豊田陽平が追いつけなかったシーン。ああいうのは、反町さんが期待しているところなんだろうけどね。

清水 あれこそ、THE・梶山。あのプレーがなかったら梶山を使う意味がない。

了戒 ただ、その回数が少ないんですよね。

浅田 そうだよね。今日は豊田が先発したから余計にそう思ったんだけど、個人のポテンシャルは置いといて、豊田や香川真司がこのチームでどう生かし生かされるかってことがハッキリしないままメンバーに選ばれちゃったよね。結局、豊田も3月のアンゴラ戦で活躍した後は、終盤の合宿に呼ばれただけで、そのまま北京オリンピック本大会に選ばれた。香川も、アメリカ遠征とアンゴラ戦だけで、その後はA代表に行ったからこのチームではやってないわけでしょ。このチームは連動性が命みたいなことをいうけど、その辺のコンビネーションのよさが出なかったよね。3試合を通じて。

清水 今から思えばアンゴラ戦が、反町ジャパンはチームベースでいくのか、個人ベースでいくのかの分かれ目になったって気もしますね。

浅田 豊田や香川が悪い選手だとは全く思わないんだけどね。

了戒 このチームでの役割ってことですよね。謎ですよね。反町さんが何を期待したのか。

浅田 初戦のアメリカ戦は良くなかったしね。あと、この世代はサイドにいい選手がいるチームだった。水野晃樹、家長昭博、本田圭佑、中村北斗。それがこのチームの特色だったはずなんだけど、トゥーロン国際あたりから、右に本田圭、左に香川という感じになってきた。

清水 利き足とは逆側に配置してますよね。

了戒 あとは、梶山もサイドで試したりしてました。

浅田 そうそう。要するに、サイドハーフにウイング的な仕事を求めるのではなく、中央に入ってくる仕事をするようになったから、中が狭くなって攻め手がなくなったんだよ。

清水 なぜ、あの4-5-1のフォーメーションにこだわったんでしょうね? ワントップで、なおかつサイドハーフを利き足と逆側に配置すれば、中盤が狭くなってビルドアップに苦労するのは当然の話だと思うんですけど。僕は次の試合こそ2トップかなと思い続けて、結局、最後まで変わらなかった。それがずっと不思議でした。

浅田 やっぱり反町さんの考え方は、相手のよさを消すことから入るのが前提にあるから。相手チームについて、4-4-2、4-2-3-1といった形を想定してるから、日本はあのフォーメーションがいちばんハマりがいい。4バックに対して、1トップと2人のサイドハーフが見ていくことになるから。

清水 前線からのプレッシャーをかけやすい、という意味ですね。

浅田 あとはやっぱり、単純にFWの人材不足が大きかったと思うんだよね。それだったら谷口を使いたい。で、谷口を生かそうとなるとどうするか? 完全な2トップよりは、もう一つ下から出て行ったほうがいいってことじゃないかな。谷口は結局、3試合すべてに先発したわけでしょ? 

清水 出てますね。実際、チャンスさえ決めておけば、「谷口が反町さんの期待にこたえた」ってことになってたでしょうね。

了戒 やっぱり、FWの人材不足がいちばん深刻なんだと思うよ。ここに選ばれなかったからといって、パッと思い浮かぶFWっていないから。中盤はいるんだけどね。ただ、あれだけサイドからクロスが上がるんなら、平山相太を入れとけば……って思いはある。結果論に過ぎないんだけど。

浅田 そうだね。まぁ18人でやる難しさはあったよね。それはどのチームも同じことなんだけど。

>ページ[3] ”スター不在のぶつ切りメンバー選考”へ続く

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