
最初に主導権を握ったのはオーストラリア。両サイドのMFカーニーとMFエマートンが高い位置を保って日本をサイドから崩す。決定的チャンスが少ない試合ではあったが、その後は日本が押し気味に試合を進める。後半24分、オーストラリアのCKからFWアロイージが詰めて先制するが、3分後には日本のエース、FW高原直泰がゴール前でDFをかわして同点ゴールを決めた。オーストラリアはMFグレッラが一発レッドで退場するアクシデントもあったが、結局延長戦に入っても勝負はつかず、PK戦にもつれこんだ。 |

菊地 いや~川口能活ですねぇ。ほとんどアジアカップ名物だな、ありゃ(笑)。
清水 最初の2本を止めたっていうのが大きかったですよ。あれで日本が一気にメンタル的に優位に立った。
菊地 そうだねぇ。
清水 正直、PK戦に入ったときはイヤな感じがしましたから。オーストラリアは1人少なくなって、日本がより多い決定機を作ったにも関わらず、90分では勝てなかった。これでもしPK戦にも負けたら、気持ち的には「2回負ける」ようなもの。日本のキッカー側にかかるプレッシャーは相当大きかったと思いますよ。
菊地 川口が救ってくれたよね。これでまた、川口を目指してGKをやる子どもたちが増えるわけですよ(笑)。
清水 そして高原が外したのもお約束というか何というか(笑)。ゲーム中に良いプレーをした選手って、なぜかPK戦で外すことが多い。高原は助走を長く取っていたので、「あ~フカしそう……」って思って見てたんですよ。
菊地 でもね、PKは助走を長く取ったほうが統計的には良いはずだよ。ペナルティエリアの中から助走を始めて、「イチ、ニ、サン。ドン!」って蹴っちゃう人は、すごくGKとのタイミングが合いやすい。それをずらすには、助走の距離がある程度あったほうがいいわけ。最後の中澤佑二のキックはそうだったよね。
清水 なるほど。
菊地 逆に助走距離が短い中村俊輔の場合は、最初歩くようにしながら途中で助走のスピードを上げてボールを蹴りにいった。遠藤保仁の場合は、最初はゆっくり走り始めて、蹴る寸前でさらにリズムをゆっくりにした。これもGKのタイミングを緩急でずらしているんだよね。
清水 ただ、相手のタイミングをずらして蹴りに行くのは、自分の蹴るタイミングがずれることでもありますよね。距離を取って助走すると、踏み込みがイメージと違うところに来てしまうこともある。高原のキックは、まさにそんな失敗に見えました。
菊地 PKも奥が深いってことですよ。しかし、中澤のPKは爆笑だったよね。多分、もう一度蹴れっていわれても蹴れないコースじゃない?(笑)。
清水 あんなプレッシャーがかかる場面で、ゴールネットの天井に突き刺す選手なんて、ジネディーヌ・ジダンか中澤くらいしか見たことありませんよ(笑)。
菊地 上を狙うのは難しいからねぇ。
清水 そうですね。ちょっとした加減でバーを越えかねないし。終わってみれば、あの緊張の場面でキッカーを任せられる選手なんて中澤以外には考えられなかった。
菊地 ただ、ゲーム的には1-1ですから。今日の試合を「勝ち」と捉えて喜んで終わるのか、「引き分け」と捉えて勝ちきれなかったと反省点を探すのか。これは大きな違いですよ。
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