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トップマッチレポートAFCアジアカップ2007>グループリーグ 日本-ベトナム 対談レポート[4]
Match Report マッチレポート

AFCアジアカップ2007 マッチレポート

組み合わせ・大会日程
大会概要
2007/7/18
AFCアジアカップ2007 グループリーグ 日本-ベトナム
西部謙司(サッカーライター)、清水英斗(本誌) 構成
東南アジア4カ国共同開催による、アジアカップ2007。日本にとってはワールドカップに向けた強化、そしてコンフェデレーションズカップへの出場権など求められるものが多い大切な国際大会です。現地ベトナムにて取材中の清水英斗がさまざまなゲストをお迎えして、ストライカーDX名物の対談レポートをお送りします。
グループリーグ最終戦のゲストは、普段「弾丸ミドルシューター」でならしている西部謙司さん。テクニック面のマニアックなところにまで、深く突っ込んでみました。

STRIKER DX名物 対談レポート
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テクニック系マニアック論

清水 さて、ここからは個人のテクニックにポイントを絞って話を進めたいと思います。

西部 中村憲剛なんか、かなりいいタイミングで顔を出すよね。憲剛が面白いのは、アンドレア・ピルロ(ACミラン)と同じで、方向転換がすごく上手。たとえば左側から来たボールを、右インサイドでスーっと引きながら止める。そのとき、引きながら周りも見えてるんだよ。それがすごい特徴。

清水 「トラップ → ルックアップ → キック」、普通の選手はこのつなぎの部分を早くすることでプレースピードを上げるわけですが、憲剛の場合は「トラップ&ルックアップ → キック」という具合にステップが2つで済んでいる。しかも憲剛はそのときに見えている範囲も広い。足元のボールをコントロールしながら、逆サイドまで見えている。これはかなりオリジナリティの高い技能です。

西部 あとは、インサイドキックが強い。短いモーションで強いボールを蹴ることができる。

清水 それは僕も思ってたんですけど、憲剛って遠目から見てもわかるくらい「O脚」じゃないですか。外側にぐにゃっと曲がってるんじゃないかってぐらい。この足の形が、短いモーションで反動のあるインサイドキックを生んでいる理由のひとつなんでしょうね。

西部 ただ、それはデメリットもあるんだよ。憲剛ってゴール前でマイナスに折り返したクロスを合わせようとしてミスキックする場面が多いじゃない? あれは何でかっていうと、正面にあるボールをインサイドで蹴ろうとすると、憲剛の足には逆に蹴るポイントが狭くなっちゃうと思うんだよ。真横から来たボールを横殴りで蹴るような形のほうが憲剛の足には合っている。

清水 たしかに。実際にイメージしてみればわかりますね。そういう特徴を考えると、今の憲剛がやっているボランチのポジションは、彼の体の特徴にもっとも合っているのかもしれないですね。

西部 逆に全く蹴るポイントがわからないのが、巻(笑)。どこにポイントを置いたら、良いシュートがいくのかわからない。

清水 本人もまだつかんでないんでしょうね~。

西部 遠藤についていうと、自分のポイントをつかんでいるんだけど、すごくそれを確実に狙いたがる。絶対に入るタイミングまで待つから、シュートがいつも遅くなるんだよね。

清水 そう考えると、高原って選手はすごいですよね。蹴るタイミングを待つ時間がないポジションなのに、きっちりとシュートを打って決めていく。

西部 あれはもう才能だよ。「DFがブラインドになってるからここに打てば入る」っていうような感覚のイメージがあるから、考えなくてもすぐに蹴って決めることができる。もしこれが遠藤なら、もっと相手の様子を見ちゃうと思うんだよね。それはストライカーとプレーメーカーの違い。

清水 以前ウェズレイ選手をインタビューしたときに、僕は「どうしたら良いストライカーになれるのか?」って聞いたんですよ。そしたら、「ゴールを決めること。一つでも多くゴールを決めれば、さらに良いストライカーに成長できる」って言ってたんですよ。高原もこれまで常に大量のゴールを決めてきたストライカーなので、「このタイミングで、こういうシュートを打てば決まる」っていうイメージの積み重ねがあるんでしょうね。

西部 だってゴール入れたことない人は、決まるかどうかわかんないからシュートしないもの。イメージがない。

清水 たしかに自分たちでサッカーやってても、「このシュート、入るかしら……」なんて考えながら蹴ったシュートは、なかなか決まらないですしね。

西部 もうビビったら終わりだよ。今の高原だったら、「この俺が蹴って外したんだからいいだろ」ってぐらいの感じでしょ。

清水 そのくらいの風格はありますね。センターフォワードはこうでなきゃ……と思いつつも、今までの日本にはなかなか現れなかったタイプの選手ですね。あと、他にテクニック的に気になる選手はありますか?

西部 阿部はすごくキレイなインサイドキックをするんだけど、「テレフォンパス」っていって、敵に「これからパスしますよ」って電話してからパスするような感じだから、読まれるんだよね。

清水 そして受けたほうは、ボールが飛んでいる間にプレッシャーをかけられてしまうと。ルックアップからキックまでのモーションが長いんですかね。あとはフェイントが足りないのか。

西部 芝生が長いとボールが走らないから、ちょっと怖いときはありますね。

清水 僕は似たようなプレーで、加地のパスにちょっと不満があります。視野が確保しやすくてスペースもあるサイドなのに、プレッシャーを受けている中央の味方にパスする回数が余りに多くて。ベトナム戦では、鈴木啓太が試合中に注意していましたが。

西部 別にGKまで戻したっていいわけだからね。近くにパスコースがなければ。

清水 そういうパスって、「ホスピタルパス」っていうらしいんですよ。ギリギリの状態の味方にパスをするから、トラップした瞬間に敵のタックルを受けて病院送りになっちゃう。そこから命名されたそうなんですけど。まさに加地はホスピタルパサー、もしくは各駅停車パサー。自分にいちばん近い味方しか見えてないから、窮屈なパスが多くなる。

西部 今日なんか、ダイレクトで相手に渡しちゃったのもあったしね(笑)。

清水 ミスは一回ならしょうがないけど、ホスピタルパスは毎試合、しかも何度となくありますからね。誰かが大きな怪我をして、それこそ病院送りになる前になんとか解決しておきたいところですよ。

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他会場で行われていた「カタールvsUAE」の結果(1-1)を知って喜ぶベトナム人たち
他会場で行われていた「カタールvsUAE」の結果(1-1)を知って喜ぶベトナム人たち

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