
サウジアラビアに負けて3位決定戦に回った日本。準決勝までの5試合で、3得点3失点とロースコアのゲームを続けてきた韓国。意外な形で実現した「日韓戦」は、韓国がイエローカード2枚での退場者を出すものの、日本は再三の決定機を決められず。
またしてもPK戦にもつれ込むことに……。 |

菊地 今回は「PK対談」をしようってことだけど、なぜPK戦を取り上げようと思ったの?
清水 PK戦ってそれぞれいろいろな蹴り方をしているし、GKとの間にも駆け引きがありますよね。それにメンタルの強さが求められるから、決定力のない選手には決められない。見るべき要素がたくさんあるにも関わらず、どんな人の文章を読んでも「PK戦は運だからしょうがない」の一言で片付けてしまっているじゃないですか。「本当にそうなのか?」と問いかける人は誰もいない。だからこそ、ここは俺たちストライカーDX編集部の出番だな……と思ったわけですよ。
菊地 なるほど。僕たちはPK戦にはうるさいですよ。小池さんなんて、高校選手権でもPK戦しかメモをとらないぐらいなんだから(笑)。
小池 いやいや、そんなことはない(笑)。
菊地 やっぱりPK戦にだって、戦略をもって臨んだほうが有利なのは間違いないよ。ただ蹴るだけじゃなくてね。
小池 今回の日本、PK戦はオーストラリア戦と韓国戦の2試合あったわけだけど、2試合とも、すごくいいPK戦をしたと思うよ。だってさ、延べ11人蹴って2人しか外してないじゃない。オーストラリア戦で外した高原直泰だって、ちゃんと狙いを持って蹴っていたし。
清水 その高原の狙いというのは?
小池 ここから先の話、「右」「左」は、全部キッカー側から見て、ということにしよう。まずボールの真後ろに立って、助走で左にふくらみながら角度をつけてボールにアプローチする。そしてゴール右側に向かって左足を踏み込んで、右に蹴るようなフリから左に蹴る。いわゆる「逆蹴り」だよ。ただね、このときキックがインフロントに当たって浮いてしまった。本当はインサイドで狙いたかったんだと思うんだけど。
菊地 このレベルで単純なキックミスはあり得ないからね。そういういろいろな駆け引きが必ず存在しているわけですよ。
清水 なるほど。そういう感じで、韓国戦のPKを頭から分析してみましょうか。まずは1本目、中村俊輔ですね。彼のPKは助走がかなり短くて、3ステップぐらいでボールを蹴っています。他の選手のように助走でGKのタイミングをずらすやり方とは大きく違うと思いますが。
菊地 俊輔のPKって、FKと同じような感じで蹴るんだよね。ボールの横側に立って、右側(野球でいうとバッターが引っ張る方向)を狙うときは、足先に引っかけてこするようにして蹴る。GKにもそれは頭にあったと思うけど、逆の左側(流す方向)にズドンと決めた。
小池 俊輔はボールの真横に近いような位置から助走するから、そのまま真っすぐ蹴ると、左サイドネットに飛ぶようなアプローチの角度なんだよ。今回は引っ張らず、横振りのインステップで真っすぐに強いボールを蹴った。
清水 なるほど。一般的には、「体を巻き込んで引っ張る方向に蹴る」、「体を開いて流す方向に蹴る」という選択肢になるけど、俊輔は完全に独特ですね。
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