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トップマッチレポートAFCフットサル選手権大会日本2007>壮行試合 第1戦 日本対アルゼンチン 対談レポート

Match Report マッチレポート


AFCフットサル選手権大会日本2007 マッチレポート


組み合わせ・大会日程

AFCフットサル選手権 大会プレイバック

大会実施概要
2007/5/4
AFCフットサル選手権大会日本2007
壮行試合 第1戦 日本-アルゼンチン 対談レポート
杉浦文哉(フリーライター)、菊地芳樹(本誌) 構成

5月3日(祭)/13:01キックオフ/兵庫県・ワールド記念ホール/観客2309人
日本 2(1-1、1-3)4 アルゼンチン

得点者
(日)金山、比嘉
(ア)コスタス、ダグエル、アマス、ルクイス

ゲームのあらすじ
アルゼンチンが4分に左のキックインからファーサイドへパスを通して先制。日本は8分に金山友紀のゴールで同点にして1-1で折り返す。後半は立ち上がりから日本が攻め込まれ、小野大輔の退場もあって苦しい展開。何とか凌いだものの、終盤になってカウンターから1失点。その後日本はパワープレーに入ったが、1失点1得点。終了間際にもCKからダメ押し点を食らった。

観客数は2309人も、何となくのんびりムード

菊地 今日は杉浦文哉さんを迎えての対談レポートです。相変わらず精力的に取材されているようですが、最近はフットサルのどんな点に注目されて見ているんですか?

杉浦 特にこれというこだわりはないんですが、チャンスがあれば何でも見ようという感じで。

菊地 ポルトガルにも行かれて。

杉浦 はい、4月にインターコンチネンタルカップ(クラブワールドカップ。今回は名古屋オーシャンズが出場)に行ってきました。昨年秋の日本代表のポルトガル遠征にも行ったんですけど、まあ、世界との差はとてつもなくあると。2回の取材で感じましたね。

菊地 さて。今日試合が行われたのは、神戸にありますワールド記念ホール。

杉浦 ちょうど昨年の全日本フットサル選手権の、1次リーグと準々決勝が行われた場所ですね。

菊地 ここはちょっとピッチが暗いですね。屋根が高くて照明の位置が高いのかな。観客は2309人入りました。

杉浦 東京の駒沢体育館と比べると、体育館が大きいだけにあまり「人が入ってるなあ」という感じはしないですね。ただ、スタンドの傾斜がキツめなので、それは見やすくていいですよね。

菊地 まあ、Fリーグはこの規模の体育館でやるわけで、そこで2000人だと何となくのんびりした雰囲気になるんですね。2000人入ると熱気ムンムンの駒沢のほうがちょっとイレギュラーなのかな。
 では、試合行きましょうか。

ミスの多かった試合

菊地 2-4で日本が敗れましたが、どんな感想を持たれましたか。

杉浦 ちょっとしたミスで勝負が決まっちゃった試合。アジア選手権(AFCフットサル選手権)前で、結果より内容なのかもしれないけど、リードされて追いつこうとする状況がほとんどで、本来やりたいことができたのかなと、そこが気になりました。

菊地 日本のMAXの力を知っていると、ちょっと物足りなかったね。チームとして実戦感覚がまだつかめていない。

杉浦 昨年のアジア選手権前の壮行試合では、ブラジルと戦って常に劣勢の状況でした。比べて今回は日本もボールを持てた試合だったけど、フィニッシュがうまくいかない感じだった……。

菊地 アルゼチンのほうもパン・アメリカン選手権を控えているとかで、チームの準備段階。国内の若手選手を中心に来日して、チーム全体の底上げ、新しい選手の発掘を目的としているところがあった。だからといって選手たちは下手というわけでは全然なく、かといって飛び抜けた選手がいるわけでもないという。よく動いてよくボールを回してというスタイルでした。どちらもいろんなことを試しながらというゲームでしたね。
  まあ、2軍とはいえ、前回の世界選手権ベスト4のアルゼンチンに負けたのは、何となく悔しいと感じている。それだけ日本がレベルアップしたといえるんだけど。

杉浦 もちろん、一番いいのはやりたいことやって結果も出てという試合。でも今日の試合は、点を取られて負けている。じゃあ、逆にどれだけこちらが点を取れたかというと、1点目こそパス回しから北原亘→金山友紀という形が出ましたけど、2点目はパワープレー。何かすっきりしないというか。

菊地 僕は攻撃は大体この程度なのかなと。逆にこうした拮抗した展開では、点を取られてはいけないタイプのゲームになったのだと思った。その点で守りのミスが多かったのが気になりましたね。例えば遠い間合いのところからふわっと飛び込んでいって簡単にかわされたり、自陣に攻め込まれているのに敵を捕まえにいくのが遅かったり、失点の場面でいえば、自分たちのゴール前で簡単に裏を取られてマークを外すのが目立った。
  もちろんここで100パーセントというわけにはいかないだろうけど。こんな単純なミスが出ていいものなのか。合宿ではどんな感じだったんですか。

杉浦 僕が見たときは、守備というよりはこうやって攻めましょうという攻撃のボールの回し方の練習が多かったですね。確かに今日は守備のミスも多かったし、攻撃面でのパスミスも多かった。それで数的優位のカウンターを食らって。

菊地 後半に小野大輔が退場したシーンがありましたね。金山からのパスがあっさりインターセプトされてカウンターを食らい、小野が追いかけて後ろから引っかけた。最終的にまだ分かりませんが、小野は5日の試合に出られないとか。試合後に金山は「(小野に)3、4回おごります」っていってたけど(笑)。

杉浦 チームの目標はアジア選手権の優勝なわけですけど、今日初めて日本代表を見る人たちが多い雰囲気だったので、そういう人たちが「フットサル面白かったね」となったのかは疑問。
  ただ、岸本武志や北原亘など、新しい選手が頑張ったのはいい部分ですね。ずっと前から代表入りを期待されていただけに、ようやくという感じですけど。サッポ監督の下では新しい選手は第3セットとかで使われるのが普通なんですけど、今日は第2セットとか、それよりも重要なシーンで使われたりもしていた。監督の信頼も高いんでしょうね。

菊地 これまでの新入りは、こうした親善試合のレベルでも、硬くなってチームになじめなくて、結局数分しか出られなくてというデビューばかりだったんですが。新しい選手がそつなくできる。そういう面でも日本のフットサルのレベルは高くなったのかなと。もっとも2人は今まで呼ばれなかっただけで、力は十二分にあったという見方もあるけれども。

杉浦 これまで固定されていたメンバーの中で、「おっ、新しいのが来た!」と。2試合目の見どころの1つでもありますよね。

菊地 そうですね。岸本なんか試合後にサインを求める観客がすごく多かったからね。やはり地元だけに期待が大きいんだね。

攻撃のコンビネーションはこれから

杉浦 今日の日本はボールを回していても、最後のシュートがよくないというか。「おおっ!」と思わせるようなシーンがあまりなかったですね。

菊地 攻撃の最後のシュートの部分で余力が残ってなかったり、打っても相手に余裕を持ってブロックされたり。パスを回していてもどこかでちょっと質が悪かったりして、決定機をあまり作れなかった。

杉浦 引かれてしっかりと守ってくる相手を崩さなければいけないことが、アジア選手権では多くなるじゃないですか。そこをどうするかはずっと課題のような気がするんですよね。

菊地 今日はいろんな選手の組み合わせを徹底的に試していた。チームとしてはまだこれからと思っているだろうけど、もうちょっとコンビネーションを作っていきたいよね。

杉浦 結局、点が取れるのは、厳しい試合になればなるほど限られたところになる。例えばファーストセット(FP鈴村拓也、藤井健太または金山、木暮賢一郎、小野)のメンバーとか。でもそういった選手の連携、意思の疎通がまだまだですよね。これが5日の試合でどう変わってくるのか。アジア選手権のグループリーグでどう変わってくるのか。まあ、本番までお待ちくださいと(笑)。

菊地 それにしてもねぇ(笑)。もうちょっといいプレーを見せてもいいんじゃないの? まあイランの監督も見に来ていて、サインプレーなどはあまり手の内を明かしたくないというのもあるんだろうけどね。
  あとは特記事項あったっけ? あっ、アルゼンチンについて付け加えると注目はラリャニャガ監督ね。この人はアルゼンチンの監督をもうずっとやっている重鎮で、3年前の世界選手権前に日本が壮行試合をしたときも来ているんだけど、そのときや世界選手権のときとか、ベンチでまったく動かないので記者同士で話題になったことがあった。「考える人」の像みたいなんだわ。だから今回はそのときの人たちと「今日は動くか?」なっていっていたら、動くわ動くわ。びっくりしちゃった。

杉浦 というか、ベンチを立って指示を出したり、いたって普通でしたけど(笑)

菊地 いやいや、3年前のときはタイムアウトのときすら動かないでピッチを見つめていたような。

杉浦 それと一番気になったことがあったじゃないですか(笑)。この壮行試合のパンフレットは日本代表選手が予備メンバーも含めて多めに紹介されているんですけど、稲葉洸太郎のところの所属が「バルドラール浦安」になっていました。

菊地 おおっ!

杉浦 何気に移籍発表!

Fリーグチームの前座試合
デウソン神戸登場

菊地 ちょっと軽くFリーグなんですが、この壮行試合の前座として、デウソン神戸とシュライカー大阪のゲームが15分ハーフで行われました。神戸の姿は、私たちは初めて見る状況。大阪は岸本が代表に、原田健司が監督専任ということで、ベテラン2人がいない中の試合でした。前半は1-1でしたが、後半はバタバタっと点が入って、6-2で大阪の勝利。
  杉浦さんは一緒に見ていて、もう開始早々から「ダメだ……、ダメだ……」って念仏のように唱えてましたが(笑)。

杉浦 開始1分くらいだったと思うんですけど、相手の裏を取る動きをした大阪に、神戸の選手が完全にワンテンポ遅れてしまったシーンがあったんですよ。そうしたベタな動きにも付いていけてなかったので、大丈夫なのかなと。神戸にもボールを持ったら面白い選手がいたんですけれども、そのあたりから解消していかなければならないとなると、実際のFリーグに間に合うのかなと。

菊地 神戸は元ジュビロ磐田の鈴木将方氏が監督をやっていて、元清水エスパルスのシジマール氏がGKコーチを務めている。鈴木監督によれば、チームは若い選手たちが多く、それぞれは都道府県リーグレベルでプレーしていた選手が大半らしい。こうした舞台の経験もあまりなかった状態。動き自体は割りとこなれていたから、ベタなことは知っていても全国レベルのスピードや精度についていけなかったのかもしれない。

杉浦 関東のチームがこれまで強かったのは、やはりシビアなゲームをたくさんやってきたから。そのあたりの経験はすごく大きいと思うんですよね。だからFリーグが始まったときに、こうした神戸のプレーにお客さんが集まるのかどうか。

菊地 でもあえていえば、Fリーグの集客に関しては、一見さんを当て込んでいるわけでしょ。最初のうちは一生懸命戦う姿を見てもらえばいいのではないかと。我々は日本のトップレベルをたくさん見ているから、それに比べてダメだダメだとなるけど。

杉浦 いや、でもそのへんのフットサルコートでやっているゲームでも、ふと足が立ち止まるのはやはりテクニックがあるとか、惹かれるポイントがあるわけですよね。じゃあ、Fリーグのチームのある選手がすごいテクニックがあると。でも、それを試合で出せないと意味がないわけで。多分神戸の選手も、条件が整えばいいプレーができると思うんですね。でも今はそうしたいいところを出す土台ができていない感じ。

菊地 1対1で抜ける選手がいても、その状況の作り方を知らない、まだできていないと。

杉浦 そうなってしまうと、お客さんはどこを見ればいいのかということになってしまいますよね。それに、面白い部分が見せられて、それで観客が集まるのならいい。だけど、そうでなければ強くないといけないという部分もある。

菊地 では、こうなったら面白いのではという部分は?

杉浦 今日の試合ではまだ、元FIRE FOXの伊藤雅範、元琉球FCのブルーノ、元府中のフランキーらが出ていない。彼らが入ったときにチームがどう変わるか。例えば1対1に強いブルーノを生かすための戦い方を徹底するとか。もしくはフィジカルが強い伊藤に全部当ててという方法もあるでしょう。

菊地 なるほど。個人的にはしょっちゅう股抜きを狙っていたりして、遊び心があって面白そうな選手が何人かいただけに、是非ものになってほしいですけどね。そこがこのチームのウリだったはずだから。5日も前座で試合をするので、期待したいですね。

杉浦 これからプレシーズンマッチを何試合かやっていくので、そこで課題を修正しながら、どう変わっていけるかですね。

菊地 遅いとは思うけど、ここが彼らのスタートラインですからね。


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