STRIKER DX

ストライカーデラックス
ショップ.学研 Gakken
www.soccerstriker.net
トップページ マッチレポート コラム トピックス セレクション バックナンバー ムック リンク
最近のレポート
更新一覧へ
トップマッチレポートAFCフットサル選手権大会日本2007>準決勝 対談レポート
Match Report マッチレポート

AFCフットサル選手権大会日本2007 マッチレポート


組み合わせ・大会日程

AFCフットサル選手権 大会プレイバック

大会実施概要
2007/5/19

AFCフットサル選手権大会日本2007 準決勝 対談レポート

山戸一純(フットサルネット)、菊地芳樹(本誌)、北健一郎(本誌) 構成

準決勝
イラン7-3ウズベキスタン
日本1-0キルギス


3位決定戦
ウズベキスタン対キルギス(17:00大阪市中央体育館)
決勝
イラン対日本(19:00大阪市中央体育館)

菊地 今日はフットサルネットの山戸さんをお迎えしました。では最初に山戸さん、今日の総合的な感想としてはどうでしたか?

山戸 私はキルギスが思っていた以上に強いなと驚きましたね。中央アジアのチームなのでボールを回すの上手だというのは予備知識としてあったんですが、プレスの回避の仕方だとか、厳しい局面でも体をぶつけたりとか、うまく人を余らせてスペースに入ったりして、したたかにスキを狙ってくるチームだなと。キルギスがああいうチームになっているのが驚きでした。

菊地 自分たちが一番よく知っているチームである日本と対戦することで、キルギスが強くなっているのがわかったところはありますね。

山戸 逆にウズベキスタンは、相手がイランだったということもあるんですけど、止めて、蹴っての繰り返しで怖さがなかった。
  イランのほうはもう少し怖さが出てくるかなと思いましたが。私は前回の大会を見ていないのでわからないのですが、イランが怖いほうが面白いかなと思いましたね。そのほうが大会自体も盛り上がるし、ヒール役としてもいいじゃないですか?

菊地 関東では盛り上がっているんでしょうか?

山戸 どうでしょうか。熱心なフットサルファンはみんなこっち(大阪)に来ているので。ただ、インターネットでの関心は高いですね。今回、テレビ放送がBS朝日のみで、なかなか見られない人も多いので、ネットに情報を求める人は多いみたいです。

七色変化のイラン
決勝ではどんなチームに!?

  この試合はウズベキスタンが先制点を取ったんですけど、すぐにイランが取り返して逆転したと。ウズベキスタンもまた同点に追いついたんですが、徐々に点差をつけられてしまって、最終的には7-3でイランが勝利しました。

菊地 イランがフルパワーじゃないのかなと思ってるんです。2試合目にキタケンが見た試合。完全に格下のマレーシアにボコボコと点を取ったというのがあったんだけど、それ以外は、あまりよくなかった第1試合のイランと変わらない。それだけに、決勝でかなりいろいろとやってくる気がしてならない。そうじゃないと、今までボクが見た中で一番弱いイランなわけですよ。それは「ありえないでしょ」という気はします。

山戸 今日も結構点取られてますもんね。

  でも、その前は8-0、8-0と2試合完封しているんですけどね。

菊地 今日もウズベキスタンに先制されて、最初のうちは行ったり来たりという感じだったじゃないですか? 特に守備面でイレギュラーな展開になると、みんなでワッと取りに行ったりして裏が開く。ウズベキスタンはそこを突けなかったんだけど、結構バタバタしてるなって。

  僕は逆にイランからはバタつき感をほとんど感じなくて。やられてもどっしり構えて取り返しにいったという印象があります。1点目を取られても1分後に同点にして、そのまた1分後に逆転してるっていう。

山戸 これまでイランの印象は何点取られても、俺たちは2分あれば1点取れるぞ、10分あれば5点取れるぞ、みたいな雰囲気があった。だけど、今日のイランからそういう雰囲気を感じなかったのは⑨シャムサエーのシュートが入らなかったからだと思うんです。今日も枠外すシュートこそ少なかったけど、地上70~80センチのGKのお手ごろな高さばっかりで。

  ⑨シャムサエーは絶対に得点王を取りたいわけで、しかも現在はトップじゃないので、手を抜くことはありえないと思うんですが。本当に入らないですね。今大会を通じてですけどね。

菊地 「股関節が外れちゃうんじゃないか!?」って心配になるぐらい(笑)、思いっきり打ってるんですけどね。GKのパンチングしたボールでシュートの威力がわかるぐらいで。右サイドから打ったときなんか、腰を捻りすぎなのか、ファーサイドにいっちゃうのも多かったし。

山戸 ⑨シャムサエーがすごいときは「すごいな!」としか見てなかったんですけど、冷静に見てみるとシュートのキックの種類が少ない。例えば⑩木暮賢一郎だったら、インステップでもインサイドでも蹴るし、トゥーキックもループもと多彩じゃないですか? けど、⑨シャムサエーって常にインステップで思いっきり蹴るしかない。

菊地 だから「隠してる」んですよ。こんなに弱いわけはない。これで決勝で⑨シャムサエーがピボにずっと張ってたらすごいと思いません? いつもの知ってるイランだったら。

  いや、でも、昨日のオーストラリア戦では⑨シャムサエーはピボに張りっぱなしだったらしいですよ。だから、ホセイン監督の「毎試合戦術を試している」という発言は方便ではないみたいです。

菊地 それって本当だったんだ。

  オーストラリア戦では、ピボのマッチアップで点を取ろうということだったんだと思います。

菊地 そうすると考えられるのは、もしかしたらイランは日本戦で「引いてカウンター」をやるのかもしれない。

  それはありえますね。

菊地 ベトナムのときの決勝がそうだったから。イランだけでなくベスト4レベルのチームにそれをやられると、日本はすごく苦戦する。

  日本に関してはどうやってくるのかは知ってるから、「引いてカウンター」の可能性はあると思う。

山戸 自分がイランの監督だったらそうするかもしれない。キルギスの監督も記者会見でいってましたが、アジアのトップレベルになってくると、「手の内を見せる、見せない」というのが、すごく重要な要素になってきているだなと。逆に手の内を知られてしまうと、いろいろな対策が立てられるということなんだと思います。

菊地 とにかく「自分たちのフットサルをする」という高校サッカー的な初々しさはなくなってきてますね。常に今年の相手はどう出てくるのか、誰がいい選手で、利き足はどっちで、どんな特徴があるのか、各チームものすごい研究してますよ。

  しかも、3年連続ベスト4が同じ顔触れですからね。お互いにやり尽くしてる。そういう意味でも駆け引きが大事になってくる。

菊地 ウズベキスタンはそういう流れの中では、もしかしたら遅れを取っているのかもしれない。

山戸 攻撃のバリエーションが少なかったですよね。パワープレーも拙くて「エッ」と思いましたよ。

  でも、3点差になったときのオプションが「パワープレー」しかなかった。

山戸 そうそうそう。やり続けるしかないっていう。

菊地 この試合でイランに勝つにはなかなか難しい状況だったね。

  ということで、明日の試合でイランは何か仕掛けてくるんじゃないかと。

菊地 そう思っていたほうが楽しいんじゃないかな。

山戸 実は我々はイランファンですから(笑)。

菊地 ものすごい強いイランを見たくて、で、それに勝つ日本を見たいわけでしょ? 昨年の勝利についてイランの関係者に「アクシデントみたいなもの」っていわれたときに、すごい悔しいんだけど、そういわれちゃったらというところもあるわけじゃない? 今回は⑩ヘイダリアンのすごさも、⑨シャムサエーのすごさも、さんざん紹介したんだから(笑)。

山戸 前回は⑩ヘイダリアンは出てないんですか?

  出てないです。だから客観的に見ると、昨年のほうがイランは弱かったと思います。⑩ヘイダリアンもいなかったし、若手も中途半端な選手が多かったし。でも、去年はザレイという若手のいいフィクソの選手がいて、その選手がいないので、そこはマイナスだと思うんですが。

山戸 イランは小倉純二副会長(AFCフットサル委員長)がいってたんですけど、代表チームのトレーニングセンターがあるらしいんですよ。それでクラブの練習が週3日、代表の練習が週3日で強化しているそうです。イランは以前からそうやって代表チームを強化しているみたいで。今回の親善試合でもスペインやイタリアといい戦いをしていて、あれはどうやって戦ったのか。どうやら⑨シャムサエーがゴールを決めているみたいなので。僕は日本戦はピボに立たせてくるんではないかと。やっぱり⑨シャムサエーがいるとプレッシャーになりますよね。

  でも、彼とのマッチアップで、②鈴村拓也なんかは精神的に優位に立っていると思うんですよ。ここ2年ぐらいはすでに。

菊地 逆に、明日②鈴村がほえちゃうと、⑨シャムサエーを目覚めさせちゃうかもしれない。「あ、これ、これ!」みたいな(笑)。開始30秒で「ウェーイ!」ってやったら、スイッチが入っちゃうかもしれないから、気をつけないと。

  ②鈴村は明らかに隠してますからね、「ほえ」を(笑)。

パワープレーの選手起用に疑問
日本の疲れが心配

  1-0というロースコアの展開は予想の範囲内でしたか?

山戸 僕はさっきもいいましたけど、キルギスがあんなに強いとは思いませんでしたね。

  キルギスの日本対策というのは、スペースを消すということだったと思うんです。ただ、その割にはカウンターを食らってたなって。

菊地 2年前に3点を先行された経験があるから、日本は慎重だったよね。ラインが明らかに低かったし、相手の出方を受け止めて、そこからジワジワと点差を広げようという狙いがあったと思う。

  チャンスの数自体はこれまでと大差なかった。でも決まらない。

菊地 お互い引いてじっくりという感じでしょ? ボールを奪ってもカウンターをしないで、ゆっくり回してという。日本とキルギスの試合って必ずこうなる。時計の進み方がかなり早くて「今日は早く帰れる」なんて思ってたんだけど。

  パスを回して、回される、っていう。

山戸 キルギスはピボに入るボールを常に狙っていたと感じましたね。

菊地 日本はパス回しの中で最後はあそこ(ピボ)に入れたいんですよ。だけど、そこから逆にピンチを迎えることも相手にはバレてる。2人に挟まれて奪われ、カウンターを食らうという。日本の選手もカウンターされるのが怖いから、今度は入れるのを躊躇するようになる。⑨小野大輔は「もっと縦パスをもらいたいんだけど、なかなか来なかった」って話をしていた。

山戸 明日もイランはそこは狙ってきそうですけどね。ウズベキスタンの試合でもイランはピボに入ったボールを激しく狙っていて、ウズベキスタンはピボに入れた瞬間に無防備にサイドの選手が2人上がったりするわけです。そこからイランがカウンターをしたりして。今日はイランのシュートが決まりませんでしたけど。
  日本がピボを使いたいというのは、イランもわかっているわけじゃないですか? だから、日本は逆にピボを使わない、オトリにするのもアリなのかなと。

菊地 恐らく日本の⑨小野と⑩木暮、イランの⑩ヘイダリアンと⑨シャムサエーっていうところは、相殺されると思うんです。だから重要なのはアラの⑧藤井健太、⑦金山友紀のところ。ドリブルで積極的に勝負してもらいたい。今年のイランはすごく弱いから、スピードに乗った1対1に対して。

  イランのファーストセットは⑩ヘイダリアンのポジショニングに合わせて、他の選手が動いている。⑩ヘイダリアンが一番底に入るときに日本がボールを奪ったら、1対1を仕掛けていってほしい。その瞬間がカウンターの一番のチャンス。中国戦でもスコーンとかわされるのがありましたから。

山戸 ⑩ヘイダリアンについてですが、彼のようなドリブルの姿勢をしているサッカー選手って、プロのレベルじゃ見たことがないんですよね。すごい腰高で、足先だけでヒョイヒョイとやる。1対1でかわされるのも、腰高だからだと思うんですよね。

菊地 それから、⑩ヘイダリアンは切り返したりするときにアゴを引く。それから、足裏でパスを出すときとかも。それでタイミングがわかる(笑)。

  それにしても、今日②の鈴村のゴールは見事でしたね。2002年ワールドカップ準決勝のブラジル対トルコでの、ロナウドのゴールを思い出しましたよ。

菊地 確かに。サッカー時代は「技巧派」で鳴らしたクチですから。

山戸 四中工(四日市中央工高)のエースだったんですもんね。

菊地 ゲームの性質としてはだんだんと消極的になっていって、点差を生かした戦いになった。見ていて一番怖かったのは1-0の状態でパワープレーをされること。願わくば2、3点取ってパワープレーだったらよかったんですけど。

山戸 そうですよね。「事故」でもなんでも入ったら同点に追いつかれちゃいますから。

  1点取ったら相手も勢いに乗っちゃいますし。
  ただ、パワープレーをされているときに⑩木暮をずっと引っ張ったじゃないですか? ほとんどディフェンスしかしない、あの時間帯で⑩木暮や⑨小野を使い続ける意味はあるのかなと。⑩木暮はイエローカードももらっていたわけだし。

菊地 さすがに今回はフィクソを2人にして守っていて、もう1人が⑦金山。そして、⑩木暮は後半10分からずっと出ずっぱりなわけ。キルギスがパワープレーをしたのが、残り4分30秒ぐらい。こいうところで変えてもいいと思うんだよ。これまでの大会でも相手にパワープレーをされることは多いんだけど、こういうところでものすごい引っ張っちゃうんだよ、サッポ監督は。
  ⑩木暮を使っているのは、タイ戦でも決めたけど、ロングシュートを打ってほしいというのがあるんだと思う。だけど、そのことは今の日本なら他の選手でもできるじゃないですか? 
  パワープレーの対応がスライドするだけだっていったって、ターンをしたりと大変な運動量を求められる。チームの生命線である⑩木暮を、勝負どころだからといって引っ張るのはどうなのかな。

  チェイシングのいい⑦金山は、パワープレーのときこそ使い続けるべきだと思うんですが。

菊地 今日、川淵三郎会長が試合終了後に的確なコメントをいってましたよ。「日本は疲れてるんじゃないのか? イランのほうが元気のような気がする」って。率直な感想だと思うんだけど、それは当たっているかもしれないよね。

またもレフェリー問題勃発!
これがアジアの“怖さ”

  それから、日本対キルギス戦ではレフェリーのミスがいくつもありましたね。

菊地 1つ目がプレーを止めたこと。①川原永光がファウルをされたんだけど、⑩木暮にボールが渡ってGKと1対1になろうとしていた。そのタイミングでファウルを取ったと。あれは①川原が頭を打っていたからわかるとして、2つ目はバックパスを取らなかったこと。

山戸 明らかに見逃してたよね。

菊地 3つ目が残り14秒のところで10秒ぐらい時計が止まったんですよ。で、選手たちが「時計止まってるよ!」っていっているうちにカウンターをされてしまった。その後、時計を進めることもしなかった。

山戸 ②鈴村は相当怒ってましたね。

  あそこの10秒間は体感時間としてはかなり長いと思いますよ。普通だったら時計は進めると思うんですけど、それすらなかったですから。

菊地 しかもさあ、タイムキーパーのあの平然とした態度は何なの? 片肘着きながらピッピッピッとやってる、あのマレーシアのタイムキーパー! 34才!

3人 (爆笑)

菊地 ああいうことがあるからアジアは怖いよ。

山戸 怖いなあ~。日本のホームなのになあ~。


このページの上へ 更新一覧へ

【注目】「井戸端会議で、毎日何を話してんだ」主婦たちの日常をこっそり教えます。
ストライカーDX トップ マッチレポート コラム トピックス セレクション/スクール バックナンバー ムック リンク