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AFCフットサル選手権大会日本2007 マッチレポート


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大会実施概要
2007/5/18

AFCフットサル選手権大会日本2007 準々決勝 対談レポート

菊地芳樹(本誌)、北健一郎(本誌) 構成
イラン8-0オーストラリア
キルギス3-2レバノン
ウズベキスタン3-1タジキスタン
日本9-6タイ

今日は1102人入りました!

  今日から決勝トーナメントです。今日も2人とも大阪会場で取材しました。恒例の観客の入り話ですが。

菊地 大阪会場の第1試合、ウズベキスタン対タジキスタンは388人、第2試合の日本対タイは1102人。尼崎会場は第1試合のイラン対オーストラリアが451人、第2試合のキルギス対レバノンが401人でした。

  日本戦に関してはまた200人くらい増えました。

菊地 おっと、また貢献できましたか!?

  分かりません……。

菊地 えーと……。ちょっとここに来て観客がほとんど入っていないことに対して、いろいろなところから反応が聞こえてくるね。今さら何かしようとしても手遅れですが、こんなのだったら何で関西でわざわざやったんだというね。東京でやればよかったと。

  1週間以上確保するという体育館の問題もあったんでしょうけど。

菊地 結局一番悔しい思いをしているのは、遠かったことで都合がつかなくて観に来られなかった関東の熱心なフットサルファンですよ。彼らがこれまでの日本フットサルを支えてきたのにね。今回の一件は、そういう彼らをバカにする出来事になってしまったよね。じゃあ関西で新しいファンを開拓するのかといったら、何らそんな仕掛けもなかったわけだし。本当に残念でならない。

  これがウズベキスタンでやるとなったら諦めもつくんでしょうけど、自国でやりながら見に行けないのはすごくかわいそうだなと。

菊地 これは尾を引きそうな問題だよ。関西はフットサル不毛の地かとレッテルを貼られかねない。そうすると関西で一生懸命やっているフットサル関係者の立場も苦しくなるもんね。

  決勝のチケットだけは売れているらしく、日本が決勝に進むことができればすごく入るんでしょうけど、それで丸く収めるというわけにはいかないですね。

菊地 まあ、それでも試合のほうに目を転じると、今日はグループリーグとはまた違った雰囲気の、テンションの高い試合を見られた。また新たにフットサルの面白さが出た感じで、見た人はラッキーだったよね。

ウズベキスタンの
“格”が出たり、出なかったり

  スタン対決ですが。

菊地 8分、9分とウズベキスタンが連続得点。この試合に関しては2つの予想をしたよね。ウズベキスタンが格で上回るというのと、勢いに乗っているタジキスタンが守備で頑張れば芽があるのではという部分。その両方が出た試合だった。まずはウズベキスタンのペースになった。

  明らかに“格”というのがウズベキスタンに自信を与えていましたよね。キルギスとトルクメニスタンの試合もそうでしたけど、自分たちがリードしてゲームを進められるところがある。その部分がゴールにもつながっているのかな。1点目はCKをゴール前で受けて、敵をかわしてシュート。2点目もドリブルシュート。

菊地 ここは勝負というところで必ず勝負して、彼らの自信が敵の半歩先手を取ることにつながっている感じ。するとシュートも枠に行くし。

  今日のゲームを見ていて、「あっ、この選手ってこんなにドリブルできるんだ」と思ったり。自信があるからこそのプレーだった。

菊地 ただ後半になると、後がないタジキスタンが攻勢に出た。同時にウズベキスタンは、相手の諦め待ちという感じに。だが、ウズベキスタンにとってはそんなにうまくいかなかったね。これまでの大会ではあった、ほっとできる時間みたいなのが、彼らにはなくなってしまった。

  昨年大会は自国で準優勝したとはいえ、今大会を見るとちょっと実力的に他の強豪に遅れを取り始めているような感じもありますね。

菊地 タジキスタンとしては攻撃のスペースが与えられることになり、記者席でも沸いていましたが、8番!

  ⑧ジュマエフですね。

菊地 彼のドリブルとキープが冴えた。いつもだったら中盤でちょこちょこっとやるくらいだったのが、この試合の後半ではもっと前でそれができるようになってきて、シュートに結びつくシーンが多かった。それで23分に⑧ジュマエフ→⑤ファイズルラエフと渡ってゴール。

  2-1になってウズベキスタンは慌てましたよね。後手になっちゃって、イージーミスも出た。

菊地 タジキスタンのシュートシーンばかり目立った。ただ、このチームは守備はできても攻撃はまだ洗練されていない。それでも強引に攻めるんだけど最後のシュートのところで余裕はなくなっているから、決定機までにはなかなかならない。

  入りそうな感じなのに入らなくて、結果的に最後にウズベキスタンがゴールを決めてしまうと。

菊地 残り26秒だった。FKから⑩アフメドフがまた老獪なプレーを見せて、⑪ブリエフとのダブルワンツーを決めて⑪ブリエフがゴール。

  負けはしましたが、タジキスタンの⑧ジュマエフは本当に面白いプレーを連発していて、彼みたいな選手をFリーグで見ることはできないのかなって思いましたよ。

菊地 記者会見でダミル監督がいっていたけど、彼はプロではなくて……。

2人 ただのフットサル愛好家!

  どんだけうまいんだって話ですよね。本当にいろんな選手がいるもんですね。

菊地 愛好家ですからね。誰か彼にフットサルのDVD渡してあげて!

熱戦! 日本対タイ
緊迫したゲーム

菊地 日本戦はどうでしたか? 僕はプレビューでもいっていたように、身構えてたんで(笑)。ジタバタしませんでしたが。

  選手のコメントを聞いていても、試合のレベルががらっと変わったと。そこが出足の2失点の要因なのかな。

菊地 集中が欠けていたわけではないという話も選手から聞いたし、実際そうだと思ったけど、先制されたのはCKのクリアが跳ね返ったのを、フリーで残っていた④ジャンタにヘディングされた形。それでなるほどと思ったのは「悪くないのに先制されたほうがへこむ」(⑧藤井健太)と。けれどもそこから巻き返したのは大きかった。
  序盤の一連の展開を見て思ったのは、やはりいつもの形、いつもの接戦になるんだなということ。タイなんて、グループリーグではあれだけブラジルっぽいことやってるのに、日本と対戦となると必ず引いて守ってのカウンタースタイルになっちゃうんだから。

  ボクは今日の試合を見て思ったのは、タイは日本のことを完全に格上ととらえているなと。今まではライバルと思っていただろうけど、最近は実績も開いてきたし。

菊地 かなり最初は守備に意識を置いていたよね。それでも日本は攻めていく中で、⑤比嘉リカルドが決めて同点。ただ、今日は先制されたこともあってか、早く楽したいんだよね、こういう試合というのは。

  プレッシャーから逃れたいと。

菊地 前掛かりになって早く逆転したいというのがプレーに出てしまう。そこでタイの守備網に引っかかって、見事にカウンターを食らった。でもこれで目が覚めたというか。次の同点ゴールも割りとすぐに生まれた。これはタイの選手のシューズが脱げて、慌てて交代したところでフリーの⑨小野大輔にボールが渡って、⑩木暮賢一郎のシュートにつなげた。

  ラッキーでしたね。

菊地 その後すぐにタイのボールを奪って、⑨小野がカウンターで自陣からドリブルで持ち込んでいって、左足で豪快に決めた。

  ⑨小野は以前に比べて、自分でどんどん突っかけてドリブルで敵を抜けるようになってきているんですよ。ピボとして落とすプレーだけでなくなった。次の4点目も右サイドの⑨小野のドリブル突破から、中央で⑤比嘉が決めたもの。

菊地 頼もしいね。⑨小野が前半の悪い流れを変えてくれた。今までなら⑩木暮とか②鈴村がそういう立場だった。

  前半は1得点3アシストですからね。⑩木暮や②鈴村だけでなく⑨小野も決定的なプレーができるようになったのは、日本にとって大きいですね。

菊地 タイは後半頭からパワープレーをやってきた。対して日本もスタートのセットを変えてきた。

  前半は一度も出ていない④小宮山友祐と⑥小山剛史が出てきました。これに⑧藤井、⑦金山友紀というセットでしたが、これは国内組でゾーンディフェンスをするときに、よく組まれる4人ではあります。

菊地 先に点を取ったのは日本。これは相手の⑤イサラスウィパコンが退場した絡みで、数的優位の展開から②鈴村のミドルが決まった。

  その後も⑩木暮がループシュートと、ファインゴールが2本決まって盛り上がったんですけど。4点差がついて、ここでもう試合をクローズさせるべきだったですよね。この後タイに、④ジャンタのシュートが味方に当たって入る、日本にとってはいわゆる「事故みたいなゴール」があった。ただ、事故とはいえ④ジャンタにきちんとチェックに行けば防げたものだった。

菊地 だから、④ジャンタはいつか決まるっつーの。この後も左からクロスを入れて決められ、あっという間に2点差に戻っちゃった。この間12秒。

  おいおいって緊張感がまた増してきて。

菊地 北なんて余裕の表情だったのに、声も出なくなってきちゃって。

  しかし、ここから今日は⑩木暮でしたね。こういうときに本当に頼りになる。

菊地 PKスポットに近いところからの第2PKを決めて、あとはパワープレーを奪った直後にコロコロっとロングシュート2発。でも試合の最後のほうはズブズブだった。パワープレーを防いでボールを奪ったときに、前からプレスを掛けてくるタイを無理にかわそうとして引っかかって、ピンチになった。ゴールも奪われた。

  お粗末でしたね。パワープレーの守備に対して、サッポ監督は攻撃的な選手を起用することが多いんですよ。今日は⑨小野、⑩木暮、⑦金山の3人に、フィクソの④小宮山。ボクはこういうときはフィクソをもう1枚入れて、しっかり守れる選手を入れたほうがいいと思うんですが。

菊地 逆にパワープレー崩しとして、ロングシュートを入れることで、相手をさらにやっつけるというのがサッポ監督の考えなのかもね。でもアルゼンチン戦もそうだったけど、確かにフィクソを2枚にして守り優先にしたほうが、安定できると思うな。このままだと準決勝以降、ものすごい緊張するもんね。

  何にせよ勝ってよかったですよ。

菊地 この大会は序盤で何かしらのミスからリズムを失う試合が続いているから、準決勝はそのあたりを解消した「すげえ強い日本」を見てみたいね。今日みたいなスキを見せたら、イランにはきついから。

  イランだけでなく、世界レベルの試合では、今日の前半の2失点は返せない可能性が高いですからね。

菊地 前にもいったけど、日本の選手たちはすごく努力して今の位置にいるわけだけど、それでも優勝しない限りサッカー界からですら注目してもらえないわけだよ。苦しいだろうけど勝ち続けないといけない。

  まあしかし、大一番というにふさわしいゲームだったというか。安心しましたね。

菊地 でも、もうタイにだいぶ負けていないね。来年あたりが怖いよ。

  終わってみての結果や内容からすれば、近年は差をつけているわけですけど。それでも前半見せたような怖さは、タイには常にありますよね。

菊地 何か冗談もあまり出ないレポートになってしまいましたが。

  いっている場合ではない展開でしたから(笑)。

準決勝プレビュー
イラン対ウズベキスタン(17:00大阪市中央体育館)
日本対キルギス(19:00大阪市中央体育館)

イランはやはり強い!?
日本には完勝を期待

菊地 さて、準決勝ですよ。

  イラン対ウズベキスタン、日本対キルギス。結局3年連続で4チームは同じ顔ぶれになりました。

菊地 イランは準々決勝でオーストラリアに8-0。観に行った人にちょっと話を聞いたところによれば、グループリーグ1戦目&3戦目の姿だったらしい……。

  おかしいですね(笑)。あの2戦目の強すぎるイランはどこに行ったんだろう?

菊地 まだ試行錯誤なんだろうか。もしかしたら100パーセントで行けるのが1試合。つまり決勝だけなのかも。そこまではまず負けることはないだろうから、のらりくらりなのではないかな。何かそう思った時点で、彼らの術中にはまってる感じがするぞ!?
  ちなみに⑨シャムサイーはこの日2得点で、計9得点。今大会のイランは他に⑤ハシェム・ザデが8得点取っている。さらにウズベキスタンの⑪ブリエフが7得点。日本の⑩木暮は12得点で現在得点王。

  イランはこの2試合8-0と8-0と完封の連続です。やはり強いですよ。ウズベキスタンはいかに抵抗できるかですね。

菊地 日本のキルギス戦に関しては、やはり選手の間からも2年前のベトナム大会の話がまず出てくる。前半0-3と絶体絶命の状況に追いこまれてしまった、準決勝の試合ね。

  序盤の試合運びがうまくいっていない日本ですけど、まさにそんなことが過去にあったキルギスとやるわけだから、まさか同じ失敗はしないですよね。

菊地 警戒するべきは、2年前にその3ゴールを全部決めた⑦ジェトイバエフ。右足の正確で強烈なシュートは注意。

  ただ、日本に似たスタイルながら、日本のほうが完成度は高いと思うので。そこを出すことができれば、大差というのもあり得るゲームだと思います。

菊地 確かにキルギスは個人の突破力が上がったことで力をつけてきているわけで、複数の選手の連動した攻めみたいなのはない。トリッキーな攻撃はないから、日本はきちんと戦えば大丈夫なはず。
  是非準決勝も楽しんでもらいたいですね。


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