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AFCフットサル選手権大会日本2007 マッチレポート


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2007/5/16

AFCフットサル選手権大会日本2007 第3日目 対談レポート

菊地芳樹(本誌)、北健一郎(本誌) 構成
グループC
キルギス3-3オーストラリア
韓国5-2トルクメニスタン

全開のオーストラリアに
キルギスも底力見せる

菊地 今日は2人で大阪会場でしたね。

  グループリーグ最終日ということで、好カードが集まった大阪を選択しました。

菊地 まあ、グループ最終戦は本当にいろいろなことが起きますね。

  ピッチの中でも外でもですね(笑)。では、今日はその大阪の第1試合から振り返りましょう。

菊地 キルギス対オーストラリア。オーストラリアはキルギスに勝ちにいかないといけない状況だったけど、この2試合の出来は芳しくない。だから、今日の大阪の4試合の中ではそんなに面白さは期待できないだろうというゲームだったんだけど、いい試合だったね。かなり楽しめた。

  ちょっとお詫びと共に、戦う前の状況を確認したいのですが、グループリーグの順位を決定するに当たって、勝点が同じ場合は、まず当該チーム同士の対戦成績を優先するレギュレーションなんですね。得失点差はその次だと。

菊地 「当該チーム成績を優先レギュレーション」は、もうあちこちの大会で採用されていて長いにもかかわらず、思わず頭の中に染み付いている得失点差優先の考えで話を進めてしまい、昨日のレポートのタイやウズベキスタンのところで、確認しないで間違った情報を流してしまいました。お詫びして訂正いたします。

  それだからキルギスとしてもオーストラリアに負けると、勝点6で並んだうえに2位になってしまう。すると準々決勝ではイランとの対戦が濃厚になるので、負けてはいけない試合だったわけですね。

菊地 試合はオーストラリアが立ち上がりから気迫のこもったプレーが目立っていて、特に前2試合とやり方が変わったわけではないんだけど、局面でしっかり体をキメて球際やルーズボールを制する場面が多かった。シュートも多く打っていた。それで前半のわりと早い段階で先制点。

  後半もポンポンと点が入って、3-0にまでなった。

菊地 後半も早い時間に混戦から決めて、4分後にも鮮やかな展開の追加点だった。さて、キルギスがどうするか。前半から攻めてはいたんだけど、オーストラリアもしっかり守っていてなかなか点が入らなかった。

  キルギスは昨日の試合と違って、今日は何かをやろうとする度にオーストラリアに体をぶつけられてやりにくそうでしたよね。

菊地 オーストラリアはちょっとぷよぷよした人もいたりするんだけど(笑)、まあ全体的に体格がいいから、個々の守れる幅というか範囲が随分と広いんだよね。だから、彼らに対していつもの感覚でドリブルすると足に引っかかったりする。3-0になって、すぐ1点を返したんだけど、2点差は正直きついなと思った。

  そうですね。

菊地 ところがそこで出ました。この2点目が大きかったと思うんだけど、⑦ジェトイバエフが左からカットインして正面からミドル。

  すごいシュートでしたね。カン!ってゴール奥のポストに当たって跳ね返ってきた。関東リーグだったらノーゴールかって話もありますけど……。

菊地 ……(笑)。⑦ジェトイバエフは、キルギスタンといえばこの人って感じで、スゴイ、スゴイっていってきたんだけど、まあ実際上げ底感もなくはなかった。

  この人しか目立ちませんからね。

菊地 でも結構本物になってきたというか。アジアトップレベルのプレーヤーになってきたね。

  シュートの威力もさることながら、その精度が素晴らしいと思うんですよね。パワーのあるシュートを打てる選手は多いんですけど、彼の場合はゴールの四隅を的確に狙って打ってくる。あのコントロールはすごいなと。

菊地 それで1点差になって、今度はパワープレーに入って、最後にまた⑦ジェトイバエフのシュートをGKが弾いたところを詰めて同点になった。
  これでオーストラリアはどう出るのか。引き分けの場合、勝点4。尼崎会場でトルクメニスタンが勝利すると2勝で勝点6になるのでダメになる。だから逆にパワープレーに出るのかと思ったら、出てこなかった。

  オーストラリアのタイムアウト後に、キルギスがボールを持ったんですけど、取りに行かなかった。

菊地 トルクメニスタンが負けている情報を得たようで、このままでいいという指示を出したよね。さらにリスクを掛けて失点して負けてしまうよりかは、勝点4、2位での準々決勝進出を選択したと。

  キルギスも意図を汲み取って、後ろで回すだけで試合終了となりました。

菊地 ところが。尼崎は実際に韓国が勝っていたんだけど、その時点でまだ割りと時間が残っていたという話が!

  3-1で韓国リードの時間が長くて、その後、残り2分くらいから結局5-2までスコアが動いたんです。つまり十分にひっくり返る可能性もありましたよね。ギリガン監督も記者会見に出てきて「(グループ突破を決めて)すごく興奮している」って話してましたけど、実際は危なかったんじゃないかと(笑)。

グループB
ウズベキスタン3-2タイ
クウェート5-2イラク

タイはうっかり勘違い発覚
ウズベキスタンが1位に

菊地 もっと面白いことがあったのが、次のグループBの試合だったんですねぇ。ウズベキスタンはどうしても勝たないといけない試合。タイは2勝して有利な状況だけど、2位になると日本と準々決勝で当たるので、負けてはいけない試合。

  グループAは1位が日本で、2位がタジキスタンになることが濃厚だったので、このグループと準々決勝であたるグループBは、1位になって実力のやや劣るタジキスタンと当たると準決勝が見えてくるわけですよね。

菊地 試合はやはりウズベキスタンの勝ちたいという気持ちに押されて、タイのプレーはあまりよくなかった。ウズベキスタンは、いってみればいつもどおりだったんだけど、気持ちが入っている分、局面でタイの裏を取ったり、球際を制したり、カウンターの応酬のところでチャンスを作ったりで。イーブンな試合だったと思うけど、ウズベキスタンのほうに運が向いているような感じだったね。

  ウズベキスタンはPKで先制しました。

菊地 後半も⑩アフメドフがようやく活躍して2点目をアシスト。

  3点目もルーズボールを拾って展開。2点目の勢いのまま決めた感じで、チームがすごく盛り上がった。

菊地 それでタイなんだけど、ここからパワープレーに入ったんだ。お恥ずかしいことに、この時点で我々はまだ同勝点の場合、得失点差優先で順位が決まると思っていた。だから、このときもパワープレーで押し込むことでボールをキープして、得失点差を維持するのが狙いだと考えたんだ。試合はそのパワープレーからタイが2点を決めて終了し、結局ウズベキスタンが3-2の勝利だった。

  でも本当は、タイはここで絶対に勝たなければいけなかった。それにしては淡白なパワープレーだったわけです。試合途中に我々はレギュレーションのことを知り、おかしいなと思って記者会見に出ると、タイは何と我々と同じで得失点差優先のレギュレーションと思って、自分たちが1位になったと勘違いしていたことが発覚したんですね。

菊地 記者会見でも情報が混乱していて、「何位になったか」という内容の質問が出たんだよね。何でそんなこと聞くんだという顔しながら、「得失点差が優先されて、我々が1位だ」と答えるんですね。

  次のウズベキスタンの監督が来て、「日本と当たりそうだが」という質問が出て、「我々は1位なので当たる可能性は少ないと思う」と答えが返ってくる。最終的にAFCのほうからウズベキスタンの1位、タイが2位というアナウンスが出て、タイの関係者は相当キレていたらしいんですが……。

菊地 自分たちも勘違いしていて何ですが、あまりにもうっかりでしたね。

  タイの中で1人でも確認している人がいたら、戦い方が変わっていたかもしれないですよね。我々も教訓になりましたね。

菊地 こんなことがあるんだね。これぞアジアということなのか?

グループD
イラン8-0中国
レバノン9-2マレーシア

今日は冴えないほうの
イランでした……

菊地 3試合目。イランが登場してきました。1試合目にボクが見たイランはあまりよくなかったんだけど、2試合目に北が見たイランはすごく強くて大興奮だった。

  あのイランは幻だったんでしょうか(笑)。

菊地 今日のイランは、まさに1日目にボクが見たイランの姿でした(笑)。

  もう、記者席でオオカミ少年扱いですよ、ボクは。何見てきたの? みたいな感じで。

菊地 結局はイランのゲームになるんだけど、まあ、思ったようにゴールできないわ、中国のスピードあるドリブルにぶち抜かれるわで、内容はよくなかったね。つまり、3戦を総合すると結果的に一段力落ちだったマレーシアに大勝しただけで、ちょっと骨のあるレバノンや中国相手には、もろさを見せたのは確かだよね。

  どっちのイランが本当なのか分からないですね。イランに限らないけど、タイにしてもイラクにしても、一日ごとの波が激しいですよね。
  ……今日の⑨シャムサエーはどう思いました?

菊地 ……何もしなかったね。無得点だったし。手抜きだったかな。

  イランに関しては、セカンドセットのほうが明らかにいいですね。⑨シャムサエー、⑩ヘイダリアンのいるファーストセットは、どうしても攻守の切り替えに難がある。そこを今日は中国のスピードに突かれて、勢いづかせてしまった。
  結局このグループはイランが1位、レバノンが2位ということになりました。レバノンは予選を勝ち抜いてきた中での決勝ラウンド進出です。

グループA
日本6-2タジキスタン
香港3-2フィリピン

日本3連勝も
ミスが目立つ

菊地 そして最後、日本が出てきました。このレポートで何回も日本のフットサルが面白いと宣伝していますが、昨日の633人から、今日の観客は850人。

2人 ワァーッツ!(拍手)

菊地 200人アップに貢献できたのかは分かりませんが。
  今日のお客さんも昨日同様、好プレーに対する反応がよくて。特に今日は守備のいい場面。しっかり防いだとか、敵の攻撃をブロックしたところなど、傍目には地味だけど、そうしたところで大きな拍手が起こっていたね。やはり熱心なファンが今日も見にきたんだろうね。ただ、その熱心なファンから見ると、今日はあまりいいゲームではなかったのではと思う。攻めていながらも点があまり入らなかったし、そうした中で自らのミスでリズムを崩してしまった。
  もちろん、タジキスタンも頑張る事情があったわけだけど。

  第1戦、第2戦と、タジキスタンはディフェンスの緩さが目立っていたわけですよね。でも今日に関しては、尼崎会場のフィリピンが勝つと勝点4で並ぶんですけど、昨日両者は引き分けている。それで、その次に優先される得失点差の比較ではかなり有利な状況だった。だから大敗しなければよかったんです。実際ボールへのプレッシャーも欠かさなかったし、最後まで守り続けた。
  日本は立ち上がりはすごくよくて、1分、3分と⑩木暮賢一郎の2ゴールを挙げて幸先がよかった。

菊地 問題はその後に交代して出てきたセカンドセットだったと。ここで自らリズムを失ってしまったんですね。何がよくなかったと思う?

  端的にいうと、ボールの収まりどころがなくなったことだと思うんですよ。今日の日本の得点はピボにボールが収まったことでチャンスになった。ところが、この時間帯はなかなか縦のボールが収まらずに、横パスばかりになった。ダジキスタンにとってプレッシャーを掛けやすく、守りやすい状況になってしまいましたね。

菊地 このセットで目立ったのは、相手ゴールのほうを見ないでパスを回しているところなんだよね。ゴール方向に仕掛ける怖さを感じさせないから、タジキスタンも前にプレッシャーを掛けやすくなる。シュートもあまり打てなかったし、本当に目に見えて停滞していった。結果的にこの時間帯が、今日のゲームの道筋を作ってしまったところもあったね。
  結局前半は1点を追加しただけで、FKから今大会初失点して、3-1というスコア。後半の最初はファーストセットが出てきたけど、彼らもミスが多くてリズムに乗れなかった。

  ⑧藤井健太が「無くしていたリズムを自分たちで取り戻そうと気負いすぎた」と話していました。

菊地 流れがつかめない嫌な雰囲気のまま、後半の真ん中に来て、⑨小野大輔が2発。

  この大会を通じて、彼は調子がいいと思います。⑩木暮がエース格ですけど、やはり⑨小野がいるからこその得点って多いので。

菊地 後半は⑩木暮がちょっとシュートがズレたりで入らなかったところで、⑨小野が決める。両方が点を取れるのは、日本にとって強みだね。5-1になって勝負が決まった。6点目は右CKからサインプレーでゴール。ただ、終盤にパスミスから持ち込まれて失点。

  ちょっと後味が悪かったですけど、でも、高い水準を目指している中で納得がいかないところがあるという感じなので。ポジティブにとらえたいですけどね。

菊地 しかし、出ているのは本当に単純なミスパスだよね。グループリーグだからってやっていいということはない。決勝ラウンドになったからってなくなる? 変なクセになっていなければいいけどね。

  まあまあ。またまたポジティブに考えれば、今出ておいてよかったということですよ。


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