フットサル国際親善試合 ドイツ対日本 試合後コメント

2018年10月31日

鈴木達朗 取材/ストライカーDX編集部 構成

フットサル日本代表がヨーロッパ遠征を行い、ドイツ代表と2試合を行った。当ホームページのドイツ通信でおなじみの鈴木達朗さんの取材により、試合後のコメントを紹介する。

日本代表・小門勇太(湘南ベルマーレ)
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――ドイツの2連戦では、どのような手応えを感じましたか?
はい。そうですね、1戦目(0-0)は、点を決めきれなかったというところで、自分たちで自分を苦しめてしまったところがあって。ディフェンスはすごく良かったんですけど…。個人的には、本当に課題だらけの試合だったので、そこを少しでも良くしようと思って、この2戦目に挑みました。

――先ほど、ドイツ代表の人たちと話した限りでは、やはり「日本が圧倒的に格上の相手」ということで対策を練っていたようです。実際に戦ってみて、ドイツ代表はどうでしたか?
まあ、そうですね…。僕自身も、フットサル(の経験が)浅いので。僕自身は、常に挑戦者という立場で、どの試合にも臨んでいる感じです。

――ドイツ代表の選手の中には、サッカーで3部レベルで戦っていた選手もいたようです。そういった個の強さのようなものは感じましたか?
ああ…、そうですね。技術的にも、フィジカルも。体がやはり大きいので。サッカーから来たというのは、そういう部分が生きている…。僕も含めてですけど。そういう特徴が生きる場面は、ポイント、ポイントであったかな、とは思います。

――サッカーの話が出ましたが、具体的に、フットサルはサッカーとどのような部分が違いますか?
そうですね…。まあ、(フットサルは)セットプレーがたくさんあって。あとは、まあ、切り替えの速さだったり、そういうところを本当にサッカー以上にしっかりと本気になってやらないと、すぐに失点につながってしまうというところで。そういうところは、サッカーからフットサルに切り替えるときは、本当に大変でした。

――今回は、『ストライカーDX』という、育成年代向けの取材なのですが、これからフットサルやサッカーを目指す子どもたちにアドバイスをいただけますか?
僕はサッカーをやっていて、そこからフットサルに転向して。その逆で、フットサルからサッカーに行った人も多くいるので。だから、僕はこれまでサッカーでやってきたことがフットサルで生きていると思いますし、フットサルをやることでサッカーに生きる部分もあると思うので。なので、あきらめずに、いろいろなことに挑戦したことが、最終的に結果としてつながってくるのかな、と思います。

――ありがとうございました。

ドイツ代表主将 ティモ・ハインツェ(フットサル・パンサーズ・ケルン)

――デュッセルドルフの素晴らしい雰囲気の体育館の中で、ゴールを決めたかったですか?(地元記者)
もちろん。僕らにも十分チャンスがありましたからね。これだけのプレーを世界のトップレベルに数えられるチームとできたのは、僕らにとっては大成功ですよ。これだけ互角の試合を演じられたのは、今後のチームの将来に向けてポジティブなものになるでしょう。ただ、さっきも言ったように、僕らもゴールを決めないといけませんでしたし、少し批判的に自分たちのことも見ないといけません。例えば、日本代表の得点は“狡猾さ”に長けたものでした。その点で、ゲーム運びの狡猾さは、僕らには足りませんでしたね。いくつかの面では、互角にやれたと思いますし、全体的にはとてもポジティブなものとして振り返ることができるでしょう。

――デュッセルドルフの雰囲気はどうでしたか?(地元記者)
本当に素晴らしい雰囲気でした。こういった試合にふさわしい体育館で試合ができました。とてもコンパクトな体育館ですが、よく埋まった観客席の前で、誰もが望むような環境の中で試合ができました。もちろん、ドイツのフットサルでは、このような状況は、本当に特別なことです。いつか、またこのような環境の中で試合ができればいいと思いますし、そうなることを確信しています。

――いくつかの面で互角に通用した、と言っていましたが、どのような点で通用したと思いますか?
1対1の部分ですね。僕らは積極的に1対1の局面で戦い、互角の勝負を演じられたと思います。ただ、チームとしては日本代表のほうが優れていたと言わなければなりません。とてもよく訓練されていて、お互いも理解し合うオートマティズムが浸透していました。日本代表に比べると、いくつかの状況で、明らかに僕らの動き出しのほうが遅かったです。そういったチームとしての完成度では、日本代表はかなり先を行っていました。でも、さっきも言ったように、1対1の戦いの局面とそこからのカウンターでは、互角の勝負ができたと思います。

――自陣キックインのときに、GKが逆サイドに出てフィールドプレーヤーとして数的優位を作る動きは面白かったですね。前半は、なかなか苦労していましたが、後半はうまく行き始めました。
そうですね。相手を驚かせることもできたと思いますが、自分たちにとっても、なかなか話し合ったとおりには行きませんでした。後半は、みんなが慣れてきて、うまく行くようになりました。

――このやり方は、監督がオランダ人ということもあって、そこから持ち込まれたものですか? 南ヨーロッパのフットサルではあまり見ません。
僕らは、ドイツ代表対フランス代表の試合を見ていました。あのバリエーションは、確かに今の監督のもとで頻繁に試していましたが、日本代表対フランス代表の試合では見ていました。フランス代表も、あのバリエーションを使っていて、日本代表相手にうまく効いていました。それを見ていて、「僕らもこれをやろうぜ」と話し合って、このバリエーションを使うことにしました。

――とても良いアイディアでしたね。
そう思います。

――僕自身も、ベルリンでプレーしていましたが、このレベルのプレーは初めて生で見ました。
そうですね。インテンシティからして、普段とは全く世界が違いました。心臓の鼓動もあっという間に速くなって、かなりキツかったですからね(苦笑)。まあ、僕が知る限りでは、日本では、部分的にはすでにプロとしての環境も整っているようですし。まあ、そういった相手に、今日の僕らは良い試合をして、とても良い印象を人々に与えられたと思います。

――ドイツ代表の選手は、皆、サッカーから転向してきた選手ですか?
もともとは、全員そうですね。ドイツには、子ども時代からフットサルだけをプレーできる環境もないですしね。とはいえ、フットサルが徐々に普及しているのも、明らかです。

――サッカーでは、だいたいどのレベルでやっていた選手が多いですか?
サッカーでは、いろんなレベルでやっていた選手が集まっています。僕は、3部でプレーしていました(バイエルン・ミュンヘンU23、ウンターハヒンクなど)。3部がいちばん上ですね。あとは、それぞれいろいろなレベルでやっている選手がいます。

――ありがとうございました。

マルセル・ロースフェルト監督(ドイツ代表)
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――チーム全体練習を行った後、日本代表を相手に0-0、0-2という結果になりました。振り返って、まとめるとどうなりますか?(地元記者)
この2試合全体で、選手たちがフィールド上で見せてくれたものを振り返ってみると、日本のような強豪を相手にとてもモチベーション高く戦ってくれたと思います。そして、今後、ここからさらに発展するためには、そうでなくてはなりません。私たちの環境はとても限られていますし、選手が皆顔を合わせられる時間もとても少ないですからね。このレベルの国々を相手に、互角の力に並ぶためには、非常に大きな進歩を果たさなくてはいけません。そこから考えると、何が最も重要なのか、優先順位を設けなければならないのは、とても残念なことです。いくつかのフットサルの要素をもっとトレーニングして改善しなければなりませんが、そこまで手が回る余裕がありませんでした。

――時間帯によっては、とても攻め込む時間帯もありました。とても惜しいチャンスもありました。ゴールがなかった理由は?(地元記者)
まあ、良い質問ですね、絶対に聞かれると思ってました(笑)。トレーニングでも水曜の試合の後でも、選手たちにそのことを話しました。水曜日の0-0の試合でもチャンスがあり、点が入ってもおかしくはありませんでした。今日は、もっとチャンスがあったと思います。もっと良い結果に値する試合だったとも思います。なぜボールがゴールに入らないのか…。それは私にも答えられません。シュート、“殺し屋としての本能”、シュートの正しいタイミング…そしてポスト…。

――2019年の欧州選手権予選に向けて、どんなことを望みますか?(地元記者)
まず、選手選考のやりかたを変えました。選手は、何よりもモチベーションが高くなければなりません。お互いが協力しあってプレーしたい、と思える選手が集まり、グループ内の雰囲気が良くなるようにしました。ひとりでは、どうにもなりませんからね。チームとしてまとまることで、技術、戦術、フィジカル、そしてメンタルの4つの要素が急激に成長しました。この調子で行けば、次戦のスイス代表に勝つことも考えられます。欧州選手権予選に向けては、スイスのような国々と戦わなければなりません。日本は、欧州予選に参加するためには、遠すぎますからね(笑)。まあ、冗談はともかく、日本は、はるか先を行く国です。現実的に見てみましょう。日本代表はすでに280試合も試合を経験し、ドイツ代表はわずか15試合です。それだけの差があるのです。しかし、それにもかかわらず、今日の試合ではとても惜しい試合を見せることができました。

――僕は、日本からの取材として来たのですが…
ずいぶん真面目ですね(笑)。

――監督の目から見て、日本代表やドイツ代表の特徴や長所、違いなどはありますか?
そうですね。日本は、とてもしっかりと組織だって構成されたチームです。お互いが理解し合ってしっかりプレーできていますし、とてもプロフェッショナルな環境が揃っていると感じます。ドイツ代表は、我々は与えられた環境のなかで最善を尽くしていますが、とても限定された環境の中で仕事をしなければなりません。そのなかでも、大きな進歩を遂げ、うまく行っているとは言えます。2試合とも、とても際どい試合でしたし。今の環境の中で、ベストを尽くしていくしかありません。

――ドイツ代表の選手も、フィジカル的な要素など、フィールド上で互角にやれる部分があったと言っていました。
そう、私もそう思います。戦術的には、まだまだ成長しなければなりません。ただ、毎日顔を合わせられないのが非常に残念です。それができれば、成長も速まるのですが…。

――日本代表はスペインからの影響を受けています。ドイツ代表は、オランダ人である監督から、オランダの影響を受けることになると思います。どこか違いがありますか?
ああ、そういう質問ですね(笑)。それは、とても答えるのが難しいですね。チームがどのように成長するのかは、見ることもできるでしょう。ただ、国というよりは、監督によって、それぞれプレーコンセプトが違いますからね。なにより、監督ひとりのアイディアだけではどうにもなりません。自分が仕事をしている国のプレー文化にも合わせなければなりませんし。それは、とても重要なことです。それは、ドイツだけではなく、日本でも同じです。ただ、私自身も、長い経験から大きなネットワークを持っています。そのなかには、スペインとのコンタクトもあり、影響も受けていますが、それらをチームに落とし込むためには、チームのみんなが顔を合わせて一緒に過ごせる時間が必要です。

――ありがとうございました。

ドイツ代表 廣澤次郎(フットサル・パンサーズ・ケルン)
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――インタビューは大丈夫ですか?
日本語だとちょっと恥ずかしいので、ドイツ語なら良いですよ。

――(ここからドイツ語)こちらで生まれたんですね。
そうです、僕はドイツで生まれました。

――普段は何をされていますか?
僕はケルン体育大学の学生です。修士課程に通っています。

――デュッセルドルフで、日本代表と戦うことは、あなたにとっても特別な試合だったと思います。どうでしたか?
スーパーでしたね。僕にとってはもちろん、家族にとっても。お父さんは日本人ですし。雰囲気も素晴らしかったですしね。負けてしまったのは、もちろん残念でしたけど。0-2の敗戦以上の内容だったと思います。たくさんのチャンスもあったので、違った結果になった可能性もありますし。まあ、でも、今日の出来には満足しています。本当に素晴らしい体験でした。

――日本代表はドイツ代表よりも優れていましたか?
そうですね。日本はドイツよりもちょっと先を行っていると言わなければなりませんね。組織的な動きも滑らかですし、オートマティズムも浸透していました。チームとして、僕らよりもずっと発展していました。でも、僕らは、日本代表に対して互角の試合ができたことに、僕ら自身がいちばん驚いていました。日本は世界ランキング16位で、ドイツ代表はまだ始まったばかりで本当に下にいます。これまで、多くの試合で負け続けてきましたが、日本代表という強敵にここまでやれたというのは、驚きました。水曜日は0-0でしたし。

――自信を掴んだんですね。
そのとおりです。水曜の試合で自信がつきましたね。

――フットサルの要素で、どの部分が互角だと感じられましたか?
フットサルの要素で言えば、チャンスメイクの数ですね。あとは、選手個々のプレーのレベルですね。個々の能力だけで見れば、互角にやれる選手も何人かいたと思います。それは、ボールを使った技術的な面でもです。やはり、戦術面では、僕らは劣ります。成熟度がまだまだ足りません。それに、シュートですね。日本代表は、とにかく僕らよりも優れていました。2本のセットプレーから、2本を決めていますからね。僕らは、たくさんのチャンスを作りながらも、点が入らなかった。この点ではまだ差があります。でも、僕らのチャンスの数だけ見れば、かなり良い戦いができたと思います。

――日本でプレーすることも考えたことはありますか? それとも、もうドイツ代表でプレーするのが当然の選択でしたか?
いやあ、それほど簡単に決めたわけではありません。もちろん、僕はドイツで生まれて育ったわけですけども。そこにフットサルがドイツにも浸透し始めてきて。だから、そもそもそういった議論もなかったというか。たぶん、日本代表のレベルには、僕は届いてなかったんじゃないかと思います(苦笑)。フットサルに慣れるには、まだもう少し時間がかかりそうです。僕も、わりと長い期間すでにフットサルをプレーしてますけど…。でも、全体的に日本代表はドイツ代表よりも明らかに強いですし。だから、日本代表に入れるチャンスがあったかどうかは、分からないですね(笑)。まあ、ただ、生まれも育ちもずっとドイツなので、ドイツ代表を選択するのも、違和感はなかったですね。

――おそらく、サッカーを以前はプレーしていたと思うのですが、どこでプレーしていましたか?
僕も以前はサッカーをプレーしていました。21歳までは、フェアヴァンツ・リーガ(5部)でやっていました。それで、サッカーとフットサルの両方を続けるのは、難しくなって。(――大学もありますしね?)そう、大学も始まって、サッカー、フットサルの3つは多すぎるとなって。その時期は、サッカーよりも、フットサルのほうがより楽しめたので、フットサルを選択しました。フットサルに集中したから、僕は今日、ここでプレーできたと思いますし。

――最終的に、正しい選択でしたか?
そうですね。もちろん、こっちのほうが正しい選択でしたね(笑)。

――普段は、チームでどのぐらいの頻度でプレーしていますか?
僕らは、週3回トレーニングしています。そうして、週末はリーグ戦です。ドイツは、まだまだアマチュアレベルです。

――ブンデスリーガは、もう始まりましたか?
まだですね。今は、レギオナルリーガまでです。ブンデスリーガは、2020/21年に始まる予定です。

――なるほど、ありがとうございました。

(C)Gakken Plus Co.,Ltd.
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