第23回全日本フットサル選手権大会
決勝 名古屋オーシャンズ-シュライカー大阪

2018年03月12日

菊地芳樹(本誌)取材・文
高橋学 写真

18年3月11日(日)15:00キックオフ/東京都・駒沢オリンピック公園総合運動場体育館/観客1,469人/試合時間40分
名古屋オーシャンズ
2 1-0
1-1
1
シュライカー大阪
ヴァルチーニョ(前半16分)
八木聖人(後半5分)
得点者 佐藤亮(後半15分)

前半、ゴール前の惜しいシーンを作っていったのは名古屋。大阪はゴレイロ冨金原徹の好守でしのぎ、攻撃ではカウンターでいいシーンを作って対抗していく。16分、名古屋は右CKのチャンスを得ると、一度タイムアウトを入れて動きを確認してから臨み、吉川智貴→星龍太→ファーサイドのヴァルチーニョとつないで見事先制点をゲットする。
後半も同じような展開が続いたが、5分に名古屋はゴレイロ関口優志のロングスローからチャンスを作り、平田ネト アントニオ マサノリの左奥からのパスを、中央に走り込んできた八木聖人が決めて、大きい2点目を決めた。
なかなかゴールが奪えない大阪は、15分に左手前の加藤未渚実のシュートパスを、右前のファーサイドで佐藤亮が合わせてようやく1点を返す。そして大阪は残り4分からパワープレーに入って攻め込んだものの、名古屋の堅い守備を崩せずに試合終了。名古屋が3年ぶりの優勝を決め、Fリーグカップ、Fリーグと合わせて今季3冠でシーズンを締めくくった。大会MVPには名古屋のキャプテン星龍太が選ばれた。
なお、3位決定戦は、湘南ベルマーレが前半終了間際の鍛代元気のゴールが決勝点となり、1-0でバルドラール浦安を下している。

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ビックチャンスを生むのに必須の
キックフェイント切り返し

「決勝にふさわしいプレーができた。日本にはもっとこのようなゲームが必要だ」と、優勝した名古屋のペドロ・コスタ監督がコメントしたように、今、日本でもっともハイレベルな2チームが力を尽くした、見ごたえのある攻防だった。たしかにこういう緊迫感のあるゲームをもっと見たいと思った人は多いだろう。

守る側のプレッシャーが速くて厳しい。攻撃側の球を離すタイミングはギリギリの見極めだ。見ているほうは、今にも奪われて失点するのではとハラハラする。

ひとたび球際の争いとなると、デュエルのシーンはもう相撲やプロレスを見ているようだ。そしてカウンターになると、一気にスピード感が増す。それでも戻って守るほうも、ゴレイロを含めて最後の最後のところで防ぎ切ったりするのだ。そうやって「これはスゴい!」と会場が沸くシーンが次々に生まれていった。

そんな中、スコアが動くのは、まさに一瞬のスキが生まれ、それを見事に突いたとき。決勝で生まれた3ゴールは、いずれも守備側のちょっとしたエラーを突いた、現代フットサルのハイレベルな攻防でありがちなシーンばかりだった。

では、相手のミスがないとチャンスは生まれないのかというと、そうではない。自らが仕掛けていって作られたチャンスももちろんあって、そうしたシーンには、必ず共通した「足ワザ」があることがわかった。それが「キックフェイント切り返し」である。

スピーディーな攻撃を繰り出していった中で、ようやく相手より一つ先手を取ってシュートを打てそうというときのシーンだ。相手は最後の手段として、スライディングなどで体を投げ出してブロックに来る。

そこでの切り返しである。シュートを打つために蹴り足を振りかぶるところまではシュートシーンと同じ形。蹴り足を振り下ろしてくるところも同じ形。最後ボールに触れるところで足先の動きを変化させる。ボールを蹴らず、足裏でボールの頭を横からひっぱたくようにタッチして、ターンするのだ。ボールに触れる最後の瞬間まで、対応する側はシュートを警戒しないといけない。それだけに、攻める側と守る側でまた大きなギャップができる足ワザになる。

ハイスピードな中でのボールテクニックなので、正確にやるのがとても難しいことがわかるだろう。だから日本のフットサルシーンでも限られた選手しかやらない。やっているのが目立つ選手を挙げてみると、名古屋のラファ、ルイジーニョ。大阪のアルトゥール、チアゴ、湘南のロドリゴ……。外国人選手ばかりだった。こうした点で会場を沸かせたり、試合を動かせる立場に日本人選手がいないのが、今のフットサル界のさびしいところだ。

今大会は、この日を最後として引退をする選手が少なくなかった。残された選手たちは新たにフットサルの魅力を伝える立場。ぜひ「キックフェイント切り返し」をガンガン繰り出すニュースターが出てくることを期待したい。

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