FIFAクラブワールドカップ2016
決勝 レアル・マドリード-鹿島アントラーズ

2016年12月19日

ストライカーDX編集部 取材・文
松岡健三郎(ストライカーDX編集部) 写真

2016年12月18日(日)19:30キックオフ/神奈川県・横浜国際総合競技場/試合時間90分+延長30分/観客68742人
レアル・マドリード
4 1-1
1-1
延長
2-0
0-0
2
鹿島アントラーズ
ベンゼマ(前半9分)
C・ロナウド(後半15分)
C・ロナウド(延長前半8分)
C・ロナウド(延長前半14分)
得点者 柴崎岳(前半44分)
柴崎岳(後半7分)
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開始早々に先制されてしまった鹿島だが、守備陣の頑張りとチーム全体でもハイテンションなパス&ゴーを繰り返し、柴崎の同点&逆転ゴールを呼び込んだ。後半もレアル・マドリードの猛攻に耐えて、終了間際は立て続けにチャンスを作った。延長戦では一瞬のスキを突かれ、2連続ゴールを許してさすがに疲れたが、短期間の4試合連続という条件でも健闘が光ったゲームだった。

終わってみればC・ロナウドのハットトリックと、らしい戦いで優勝に収まったレアル・マドリード。サイドでの密集突破のダイレクトパス交換や、素早いサイドチェンジ、ダイナミックなオーバーラップ。中盤のスピードある「運ぶドリブル」での打開や、アタッカー陣のドリブルの仕掛けのうまさ&迫力など、やはり普段の日本のサッカーでは見られない面白さが見られた。

鹿島にとっては、どの局面も油断できない対応を強いられている感じで、見る者に個の強さのイメージをじわりと残したゲームだったといえるだろう。

足ワザメモ付きマッチハイライト

前半
3分 レアル・マドリード モドリッチ 足ワザ
自陣右サイド。浮き球のコントロール際で相手が詰めてきたところ、頭上を越す「シャペウ」でかわす。

3分 レアル・マドリード C・ロナウド 足ワザ
センターサークルでボールを受ける際に、「軸裏トラップ」でコントロールして変化。ついてきた相手を「クライフターン」でいなし、挨拶代わりのボールキープ。

9分 レアル・マドリード ベンゼマ ゴール
左サイドから右へボールを展開し、ルーカス・バスケスのクロスは鹿島がクリアしたが、これを拾ったモドリッチがペナ外から右足ボレーシュート。GK曽ケ端が何とか防いだが、正面にこぼれたところをベンゼマが押し込んで、レアル・マドリードが先制ゴール。

10分 鹿島 小笠原 チャンス
鹿島の反撃。右サイド深くからのクロスがファーサイドへ流れ、山本が中央に落として小笠原がミドルシュート。鋭い弾道だったがクロスバーの上へ。

19分 レアル・マドリード C・ロナウド 足ワザ
レアル・マドリードがディフェンスからのつなぎで、クロースがダイレクトで左前へ縦パスを入れ、C・ロナウドがドリブルカウンター。得意の「けん制シザーズ」を入れたが、鹿島が3人かがりでタッチライン方向へ押し返す!

22分 鹿島 昌子 足ワザ
DFラインのつなぎ。右からの横パスをGK方向に向いてバックパスすると見せかけ、右足裏でボールを引いて、体を左サイドへ回転させながら前へターン。飛び込んできたベンセマをきれいにかわした。

24分 鹿島 遠藤 チャンス
右サイド。中盤からのスルーパスにうまく抜け出した遠藤がペナ内へ。右足シュートは右へ外れる。

27分 レアル・マドリード ルーカス・バスケス 足ワザ
右サイドでボールを受けたベンゼマから、右前に走ったルーカス・バスケスが縦パスを受け、「アウトヒール」のダイレクト落としでリターン。ベンゼマが左足シュートを放つが、曽ケ端がセーブ。

37分 レアル・マドリード ルーカス・バスケス 足ワザ
同じく2人のパス交換。今度は縦パスを受けたルーカス・バスケスが、「軸裏パス」でベンゼマにダイレクトリターン。ボールはゴール前へ回り、最後はモドリッチがシュートを放ったが、これも曽ケ端が防いだ。

44分 鹿島 柴崎 ゴール
土居と金崎のコンビから鹿島がカウンター。左サイドで粘り、土居がクロスを入れると、ゴール前で受けた柴崎がコントロールから左足ボレーシュート。これがゴール右下に決まり、鹿島が同点に。

後半
7分 鹿島 柴崎 ゴール
セルヒオ・ラモスのクリアをペナ外で拾った柴崎が、ゴール正面から左へ流れて左足ミドルシュート。これがゴール左下へ鋭く決まり、鹿島がリードする。

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10分 鹿島 土居 足ワザ
縦パスを「軸裏トラップ」で変化して斜め後ろにコントロール。相手の突っ込みをきれいにかわす。

15分 レアル・マドリード C・ロナウド ゴール
右サイドを抜け出したルーカス・バスケスがペナ内で倒されたとして、レアル・マドリードのPK。C・ロナウドが左下に速いシュートを決めて、同点にする。

15分 レアル・マドリード C・ロナウド 足ワザ
相手のミスを拾って左からC・ロナウドがドリブル、左足インサイドで一気に切り返す「一拍子ターン」で相手を中にかわして右足シュート。曽ケ端がセーブ。

20分 レアル・マドリード マルセロ ベンゼマ 足ワザ
左サイドの2人のプレー。マルセロが軸裏タッチを交えながら、「インサイドターン」で相手をかわすと、これを受けたベンゼマが小さい「裏通り」で縦に突破しクロス。走り込んだマルセロがシュートしたが、GK正面。

30分 レアル・マドリード クロース 足ワザ
パスを小気味よくさばいていたクロースが突如ドリブル。緩急で1人をかわすと、次は両足インサイドの小さくて速い「ダブルタッチ」で2人の間をすり抜け、左足クロス。

35分 レアル・マドリード ルーカス・バスケス 足ワザ
右サイドでボールを受けたルーカス・バスケスが、正面の相手にドリブルで仕掛ける。「連続シザーズ」でけん制し、最後はもう一度「シザーズ」をきっかけにスピードアップしクロス。C・ロナウドのニアでのヘディングシュートはゴールを外れる。

36分 レアル・マドリード C・ロナウド チャンス
ベンゼマからのスルーパスに、右からC・ロナウドが抜け出す。GKと1対1になったが、シュートは曽ケ端が体でブロック。

43分 鹿島 ファブリシオ チャンス
ゴール前で味方からの縦パスを受けたファブリシオが、振り向きざまに左足シュート。ケイラー・ナバスが鋭い反応でセーブ。

44分 鹿島 金崎 チャンス
遠藤のスルーパスから左前に抜け出した金崎がシュート。GKにぶつけた後も枠内に転がっていくがDFがクリア。

45+3分 鹿島 西 足ワザ
右サイド奥。相手2人に囲まれて追い込まれたと見せかけて、「ループパス」で2人の間を通すパスで味方につなげる。

45+4分 鹿島 遠藤 チャンス
左サイドの細かパス交換からクロスが、ファーサイドに流れてきた。このボールを走り込んだ遠藤が右足で打ちに行ったが、体勢が崩れて外れる。延長戦へ。

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延長前半
8分 レアル・マドリード C・ロナウド ゴール
ゴール正面。ベンゼマからのスルーパスにオフサイドラインギリギリで抜け出たC・ロナウドが左足シュート。曽ケ端の脇を抜いてゴール。

11分 鹿島 鈴木 チャンス
鹿島の左サイドからのFK。柴崎が入れたボールに鈴木が頭で合わせたが、クロスバーに当たる。

14分 レアル・マドリード C・ロナウド ゴール
右サイドのクロスがクリアされたボールを、ゴール正面でクロースがトラップして右足ボレーシュート。左に引っ掛けてしまったが、これが左前にいたC・ロナウドへ渡り。C・ロナウドが持ち込んで左足でゴール。レアル・マドリードが2点差をつけた。

延長後半
2分 レアル・マドリード ベンゼマ 足ワザ
左サイドタッチライン際。ベンゼマが「ステップフェイク」で縦に相手をかわして突き進む。 

2分 レアル・マドリード マルセロ 足ワザ
左サイドタッチライン際。相手を背負ってボールを持ったマルセロが、左足でボールを引きつつ反対から体を回転させ、「背面足裏裏通り」で相手の裏へ抜けるが、ファウルで止められる。

11分 レアル・マドリード モラタ 足ワザ チャンス
コバチッチから右でパスを受けたモラタがゴールを狙いに行く。「一拍子ターン」で相手を揺さぶり、さらに2回左右に切り返して左足シュート。GKを抜いたが戻った植田がクリア。

14分 レアル・マドリード イスコ 足ワザ
後半36分の登場以来、再三のキープドリブルで鹿島を困らせたイスコ。ここではセンターサークルのところで、素早い「ダブルタッチ」を見せて相手の足をかわす。

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監督・選手コメント

レアル・マドリード
ジダン監督
簡単な決勝にはならなかった。苦しめられるのは覚悟していた。相手はとにかく走り回って戦っていた。タイトルを取って帰るのはうれしい。

C・ロナウド
忘れがたい1年になった。チャンピオンズリーグ、ユーロ、バロンドールも受賞した。完ぺきな1年の締めくくりになった。いつも頑張ろうと思っている。幸せを感じている。今年は個人としてもチームとしてもかなり勝ったし、代表でも良かった。いろいろなことを言われることはなれているし、ただ自分はピッチの中でのプレーだけを考えている。自分の仕事をやるだけ。試合を楽しんでこれからもタイトルを取っていきたい。

セルヒオ・ラモス
このタイトルはマドリディスタ、サポーター、選手にとって特別。今年だけでチャンピオンズリーグ、スーパーカップ、クラブワールドカップを取れたから本当に満足する1年だったし、サッカーへ真摯に取り組んだことへの大きなご褒美だと思う。
鹿島は祝福すべき相手だった。素晴らしい試合をしたし、難しい相手であることはわかっていたし、多くの強敵を破って決勝まで来た。素晴らしいプランのゲームをしたし、ダメージを与えられ、ゴールを決められ、延長にもちこまれた。本当に激しい試合で、多くのゴールが生まれた。我々は運に恵まれてタイトルを家に持って帰ることができた。

カゼミーロ
鹿島は良いチーム。だからこそ決勝に来たし、彼らは相応しいプレーをしたから決勝に来た。難しい試合になることはわかっていた。私たちは最後まで戦ったし、最後まで信じることが大事だ。
ジダンはいろんなものをもたらしてくれた。間違いなく彼の就任はとても重要だった。選手も揃ってきたし、すべてを彼は変えた。

ルーカス・バスケス
夢見ていたタイトルを取れてうれしい。
鹿島には良い選手がいたけど、名前や番号を覚えていない。柴崎はしっかりとチャンスをものにして自分たちは苦しんだが、最後は勝てて良かった。
監督からは攻撃も守備も全員でするように指示されている。ジダンは監督として短い期間しかチームを指揮していないけど、その中でチャンピオンズリーグ、スーパーカップ、クラブワールドカップを取ったし、素晴らしい監督であることを証明している。

ケイラー・ナバス
いつでもチームの力になるためにならないといけない。最後の2つのセーブでチームが延長で戦うのにつながった。
難しい試合だった。相手は良いプレーをしていたし、自分たちがミスをしたので、そのミスをうまく利用された。
一つずつタイトルを取れてきているし、チームは素晴らしい仕事をしている。簡単な試合は一つもない。代わりに入ったメンバーもしっかりとプレーをしている。
鹿島は良い試合をしたし、高いレベルにある選手たちがいる。リスペクトするのに相応しいチームだった。

鹿島アントラーズ
石井正忠監督
本当に悔しいです。このレアルに対して、相手を苦しませることはできたが、ちょっとしたポジショニングや判断ミスで失点してしまった。
選手は120分勇気を持って戦ってくれたが、審判が勇気を持てなかった。

永木亮太
思ったとおりだった。得点チャンスはあると思っていましたし、フィジカルやスピードもすごいとやる前から思っていましたが、そのとおりだった。実際にやってみると、それに加えて、いろいろな質が高かったり、頭がよかったりした。
前半のうちに(柴崎)岳が取り返してくれたので、すごく勇気になりました。
本当にみんなあきらめずに体を張っていたと思うし、非常にいい経験ができたと思っています。

柴崎岳
2位は2位なので、しっかりと優勝できなかったことが残念です。2ゴールしたのに、チームを勝利に導けなかったのは悔しいです。最後の最後は相手のクオリティのほうが高いなと思い、そこはまだまだ課題だと思います。90分で決められればいちばんよかった。

昌子源
正直、前半は(レアル・マドリードが)本気を出していないなというのは、やっているこっちも感じていました。うちが早い時間に失点したということもあるんだと思いますが、余裕の試合展開になるんじゃないかとレアル側は思っていたのかもしれないですが、同点に追いつき特に後半は入りから雰囲気が違って、うちが(柴崎)岳の2点目を決めたときには、ガラっと雰囲気が変わって、あれが本気なんだろうなと思いました。すごい威圧感を感じました。それでも途中まではいい試合をしていたと思います。2-2になってもまだ引き分けという展開で、うちが勝ち越すチャンスもあった。その中で3失点目が不用意な形で、スキを突かれた。そういう一瞬のスキを突いてくるのはうまいし、パスの質だったりシュートの速さだったりが、一段と違った。そういうことを考えると悔しかったなと思います。

 

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