10年12月26日(日)/11:30キックオフ/神奈川県・平塚競技場/観客1000人/試合時間90分 |
| 関西大学 |
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中京大学 |
金園(前18分)
奥田勇(延長後半11分) |
得点者 |
中村(後半49+分) |
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| 前半18分に、⑰金園のゴールで先制した関西大が、その後も追加点こそ奪えなかったが押し気味にゲームを進め、勝利を目前にした。だが、後半ロスタイムのラストプレー。中京大はFKから同点に追いついて、試合は延長戦へ。その後半11分、関西大は交代出場の28奥田勇が決勝点を挙げ、実に43大会ぶりの優勝を勝ち取った。 |
中京大に劇的に追いつかれるも
延長で関西大が振り切った |
毎年関東の大学が決勝戦に顔を出すこの大会で、関西大学(関西)と中京大学(東海)という関東以外のチームの顔ぶれになったのは、1985年の大会までさかのぼる。会場では本誌レッスンページ解説でおなじみの向島建氏(川崎フロンターレスカウト)とお会いしたので話を聞くと、各地域で多数のユース選手が育成されてきたことで、いい選手が各大学に散らばっている傾向があるとのこと。
決勝戦は、どちらも持ち味を出した素晴らしいプレー振り。高校サッカーに目が慣れている現在の自分にとって、失礼ながら今日は「やっぱり今の大学サッカーは、高校よりきっちりレベルが一段高いなあ」と、いいものを見たという思いで、帰路に着いたゲームだった。
ゲームは立ち上がり、関西大がペースを握る。準決勝で筑波大相手に、愚直なサイド攻撃で逆転勝ちした関西大。この日もその狙いは見て取れたが、そのサイド攻撃の1コ前の、サイドチェンジのロングボールが目立った。
特に左後ろ②田中雄大らから、鋭いボールが正確に右サイドの選手に渡り、チャンスになるシーンがあった。野洲高出身の②田中雄のサイドチェンジというと、この時期野洲高校が鹿児島実業に勝って優勝したときの、決勝点時のあのロングフィードを思い出す人も多いだろう。まさにああいった対角線のボールが、じゃんじゃん入っていたのである。
その一環といってはこじつけになるかもしれないが、関西大の前半18分の先制点は、その②田中雄の左からゴール前へのロングフィードを、FW⑰金園英学がヘディングで競り勝って決めたゴールだった。
中京大も序盤から関西大と攻め合っていたが、失点後はさらに押し込むシーンが増えるようになる。中盤でボールを奪って、⑥佐藤和弘を中心に攻撃を展開。⑥佐藤はセットプレーのキッカーも務めるため、中京大の攻撃シーンにかなり顔を出すことが多かった。だが、結局前半はゴールを返すことができなかった。
後半に入って11分に、中京大はそれまでの4バックから3バックに変更し、トップ下に⑪内田渉を入れて打開を図る。「関西大のMFが攻撃的で、センターの前のスペースが空いていたのでそこに1人置いて、前向きでプレーさせたかった」(西ヶ谷隆之監督)。
そのとおり、しばらくは⑪内田にボールが集まり、中京大が押し込むシーンが増えた。しかし、それでも点が取れないまま時間が過ぎると、今度は関西大が前かがる中京大の裏を突いて、再三再四のカウンターから決定機を幾度か作った。
だが、関西大のほうもゴールが決まらない。そのうち試合は終盤に入り、関西大は時間を稼ぐプレーでやりすごし、それでも中京大がFKを得たロスタイムのラストプレーだった。30~35メートルほどのFKを⑬中村亮太が思い切り蹴ると、ボールは壁横の関西大選手に当たってコースが変わってゴールイン。中京大の大盛り上がりの後、笛が鳴り、ゲームは延長戦に入る。
「(延長戦は)30分あるので、バランスを取った」(西ヶ谷監督)という中京大は、また4バックに戻すという柔軟な対応。それでも同点の勢いを持ったまま延長前半は押し気味にゲームを進めたが、関西大もよく耐える。
「同点にされ、精神的なダメージがないといったらウソですが、こういう展開もイメージ、想定はしていた」(⑧藤澤典隆キャプテン)という関西大は、延長後半から猛ラッシュ。そして11分についに決勝点を挙げる。
関西大らしい見事なサイド攻撃だった。右サイドの③桜内渚にボールが入るタイミングで、内側から⑱安藤大介がスピーディーにオーバーラップして、縦方向へのスルーパスを引き出す。⑱安藤はゴールラインギリギリのところでマイナス方向のふわりとしたクロスをゴール前に入れると、ペナルティーエリア内には、ここがチャンスと判断もよく、3~4人の関西大選手が入ってきていたのではないか。
クロスに頭で合わせたのは、延長戦から交代で入っていた26奥田勇太。「ゴールを期待されていたと思うので、狙っていました。ゴールに入れと思って打ったシュート」が、ゴール右に吸い込まれ、試合が決まった。
さて、冒頭での、ここ2、3日取材させてもらっている高校サッカーより一段レベルが高く感じられた部分。この試合では、個々の局面の打開力みたいなものが、結構楽しめた。ボールをしっかりと持てる選手が多く、敵に寄せられてちょっと苦しい場面でも慌てて蹴らずに、自然とフェイントが出て敵をかわせたりする。結果、どちらもボールが落ち着き、攻め合う、守り合う、駆け引きといったところを、じっくり出し合うことができていた。
高校サッカーの多くのチームが、監督によって選手が動かされている感があるのに対し、大学サッカーは選手たちが自らの意思と判断でプレーしている部分が強い感じ。そんなレベルはユース年代からクリアしてもらわないと、世界レベルでは困るのだろうが、とにかく、今、Jリーガーの供給先として存在感を発揮している大学サッカーは、以前からは格段の進歩を遂げていて、喜ばしい限りだ。
(選手・監督コメント)
関西大・島岡健太監督
お互いの力を思う存分出し合った中での結果でした。この大会を通してつくづく思うのは、いろんな人の支えがあったことで、感謝の気持ちでいっぱいです。そういう感じ方をできる選手が増えたことが優勝につながったのかなと思います。これからがまた大事です。
関西大・⑧藤澤典隆
応援のみんなの力が大きかったです。僅差でも最後まであきらめないプレー、気持ちが出ていた。後半、あと1プレーで勝っていたゲームだったので、延長戦前には気持ちの部分を締め直しました。僕からも声をかけたし、周りからもそういう声が出ていました。
中京大・西ヶ谷隆之監督
結果はすごく残念ですが、選手たちはよく頑張ってくれました。優勝した関西大さんはすごくいいプレーだった。いい見本ができて、これからまた1年取り組んでいくことができると思います。
中京大・②森本良
力は五分五分でしたが、決めるところを決められたかどうかだったと思います。でも最後まであきらめずに、内容はよかったと思う。最後にカップを掲げたかったのですが…… |