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トップマッチレポート>Jユースカップ2010 第18回Jリーグユース選手権大会 決勝 横浜F・マリノスユース-FC東京U-18

Match Report マッチレポート


2010/12/26

Jユースカップ2010 第18回Jリーグユース選手権大会
決勝 横浜F・マリノスユース-FC東京U-18

安藤隆人(サッカージャーナリスト) 取材・文

10年12月26日(日)/13:33キックオフ/大阪府・長居スタジアム/観客2587人
/試合時間90分+延長20分

横浜F・マリノスユース
1-1
2-2
1-0
0-0
FC東京U-18
星雄(前半4分)
松本(後半12分)
高橋(後半34分)
松本(延長前半10分)
得点者 江口(前半30分)
岩木(後半22分)
江口(後半43分)

横浜FMが開始4分に③星雄のゴールで先制するが、FC東京は30分に⑱江口のゴールで同点に追いつく。横浜FMは、後半も12分に⑦松本がゴールを上げるが、FC東京は22分に⑰岩木が同点弾。さらに横浜FMが34分に⑨高橋が三度勝ち越し弾を挙げると、FC東京は43分に⑱江口が同点弾。横浜FMが勝ち越し、FC東京が追いつく形で展開していった。だが、延長前半10分に⑦松本が決めたゴールが決勝点に。⑦松本の全得点に絡む活躍で、横浜FCが乱打戦を制し、クラブユースの頂点に立った。

関東決戦は壮絶な打ち合いに
栄冠は最後にリスクを冒した横浜FM

 関東勢同士の対戦となったJユースカップ2010ファイナル。冬のクラブユース日本一を決める一戦は、開始4分にいきなり動いた。

 1トップの⑩小野裕二と、⑪星広太、⑧後藤拓斗、⑦松本翔の3シャドーを中心に、流動的に動いて、パスをつないでいくサッカーを身上とする横浜FMが、先手必勝といわんばかりに立ち上がりから攻撃を仕掛ける。前半4分、ペナルティーエリア左からカットインした⑦松本が強烈なシュートを放つ。これはFC東京GK⑯三浦龍輝が弾くが、こぼれ球をDF③星雄次が押し込んで、横浜FMが先制に成功した。

 しかしその後は、パスを駆使して切り崩そうとする横浜FMに対し、FC東京もDFラインとMFラインの2ラインで強固なブロックディフェンスを構築し応戦。横浜FMにバイタルエリアを攻略されないようにすると、FC東京は徐々に横パスやバックパスが多くなってきた相手のスキを突いて、ボールを奪ってのショートカウンターが効果を発揮しはじめる。

 前半30分、そのショートカウンターから同点弾が生まれた。左サイドでボールを保持すると、そこから右へ大きくサイドチェンジ。これを受けたFW⑨前岡信吾が、そのまま右サイドを突破して折り返すと、最後はMF⑱江口貴俊が押し込んだ。

 ここから試合は、FC東京ペースに変わっていく。「どうしても攻撃が消極的になっていた。相手のブロックの外でボールを受けてしまっていた。ブロックの中にはまだスペースがあるのに、そこで受けようとはしなかった。相手のブロックの前まで行って、後ろに下げてしまい、そこで奪われてカウンターを受ける悪循環になってしまった」と松橋力蔵監督が語ったように、横浜FMは幸先よく先制をしながらも、前掛かりになったスキを突かれて、警戒していたカウンターを受け、同点ゴールを許した。これが横浜FMの警戒心を悪い意味で増やしてしまい、さらに相手の強固なブロックにひるんでしまった。

 それでも何とか中盤でのポゼッションから付け入るスキを狙おうとしたが、及び腰になってしまった結果、前半39分にもカウンターを食らい、⑦武藤のスルーパスから⑪秋岡にGKと1対1の決定的なピンチを招く。これはシュートが外れ、ことなきを得たが、横浜FMは大きく肝を冷やした。

 後半も同様の展開が続いた。しかし、ここで試合を動かしたのは、先制点の起点となった⑦松本だった。後半12分、FC東京の強固なブロックに対し、自慢のドリブルで果敢に仕掛けると、ペナルティーエリア内で倒され、PKを獲得。これを⑦松本自らが決めて、再びリードを奪う。

 だが、このゴールをもってしても、勢いに乗り切れなかった。後半22分、FC東京MF⑰岩木慎也のシュートがDFに当たると、そのままループ気味にGKの頭上を破って、ゴールに吸い込まれた。

 2-2。後半33分には⑦松本のクロスに、途中出場のFW⑨高橋健哉がニアで合わせ、三度突き放すが、後半43分には⑰岩木の左サイドからのクロスを、⑱江口がヘッドで合わせ、またも試合は振り出しに。

 壮絶な打ち合いとなった試合は、延長戦で勝負が決した。「このままではいけない」。松橋監督は本来の自分たちのサッカーを引き出すべく、チームに大きなカツを入れる。

「リードしていても消極的なプレーが多かった。松本も逃げるプレーがまだ多かったので、もっと有効活用するプレーをしろ」。

 これが効果を発揮した。延長前半6分にFC東京MF⑦武藤嘉紀にドリブルで持ち込まれ、決定的なシュートが枠を外れたが、ひるむことなく、果敢に相手のブロックディフェンスの中に仕掛けていった。すると、延長前半10分、ボランチの⑤渡辺大斗が持ち込んで、DFをひきつけてから右に展開する。右でボールを受けた⑩小野の視界には、ゴール前のスペースにダイアゴナルランで飛び込んでくる⑦松本の姿をとらえた。瞬間、⑩小野から放たれたクロスは、彼の頭にぴたりと合った。ボールはゴールに吸い込まれ、横浜FMがこの試合4度目のリードを奪う。

 4度目の正直というべきか、これが決勝点となった。「先行されても、自分たちには取り返す力があると思っていたので、やることを変えずに、自分たちのサッカーを貫こうと思いました。ただ、相手もやるべきことを変えなかった。相手のほうが強くて、走れていました。僕らの実力不足だったと思う」とFC東京⑦武藤が語ったように、壮絶なシーソーゲームは、最後の最後で、大きなリスクを覚悟して攻撃した横浜FMに軍配が挙がった。

(選手・監督コメント)
横浜F・マリノスユース・松橋力蔵監督
苦しい試合でした。こういう展開になると思った。FC東京のやることははっきりしているし、パワーを持っていることも知っていた。簡単に勝たせてはくれないだろうとは思っていました。3失点と、こういう失点が多いのはウチらしいですね。

横浜F・マリノスユース・⑦松本翔
得点王は狙ったわけではなく、たまたま点が取れて、結果的に得点王がついてきた印象です。決勝点のヘッドは、中には僕しかいなかったし、⑩小野もフリーだったので、いいボールが自分のところにくると思っていました。自分は大きくなくて、対戦する相手はいつも自分より大きくて強いけど、小さくてもやれることを見せたかった。(尊敬する)アイマール選手のように、ボールを持ったら何をやるのかわからない、ドキドキ感がある選手になりたい。

FC東京U-18・⑦武藤嘉紀
今日は前からプレスにいきたかったけど、相手のパススピードが速かったので、ブロックを作るイメージで対応しました。追いつくまではよかったけど、勝ちきれませんでした。3-3になってチャンスを作りましたが、そこで自分が決め切れなかった。あれを決めていれば、結果は違っていたと思います。悔しいです。

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