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トップマッチレポート【高円宮杯 第21回全日本ユース(U-15)】準決勝 札幌ユースU-15-東京Vジュニアユース

Match Report マッチレポート


2009/12/28

高円宮杯 第21回全日本ユース(U-15)サッカー選手権大会
準決勝 札幌ユースU-15-東京Vジュニアユース

菊地芳樹(本誌) 構成

09年12月27日(日)/11:00キックオフ/東京・西が丘サッカー場/観客1281人/試合時間80分

札幌ユースU-15
2-0
1-1
東京Vジュニアユース
神田(前半2分)
蒲生(前半25分)
蒲生(後半22分)
得点者 高木(後半31分)

ゲームのあらすじ
立ち上がりにPKで札幌U-15が先制。25分に追加点を挙げ、有利にゲームを展開する。後半はキープ力のある東京Vジュニアユース(以下東京VJY)に押し込まれ、苦しい時間帯を過ごしたが、先に3点目なるゴールをゲットし、ゲームを決めた。その後は東京VJYの反撃を1点に押さえて、決勝へ進出した。

お互いの持ち味が出た好ゲームは
札幌が効率よく得点

 立ち上がりの2分だった。札幌U-15は、右からの長いクロスを左で受けた⑩神田夢実が、ペナルティーエリア内に進入して縦に仕掛けたところを、敵DFに引っかかりPK。神田自身が右に蹴ったシュートは、1度はGKにはじかれたものの、自分のところへ返ってきたボールを冷静に押し込んだ。

 いきなり先制された東京VJYだが、ボランチで、キャプテンで、レフティーの、⑩安在和樹によくボールが集まり、彼のキープとパス展開からチャンスを多く作っていく。特に目立ったのは、左MFの⑧中島翔哉と、左SBの⑤前田直輝のコンビだ。イニエスタのような細かいボールタッチからのドリブルを繰り出す⑧中島に、攻撃の度に最前線まで上がっていく⑤前田が絡み、ゴール前へ迫るシーンが何度か見られて非常に面白かった。

 しかし、それだけ積極的な攻撃を仕掛ければ、当然攻め上がった⑤前田の裏が空く。前半は札幌U-15が、そのスペースをよく突いた。センターハーフの⑦中原彰吾や⑧佐々木誓哉のところにボールが入ると、縦に速い攻撃を展開。前線のターゲット⑪下田康太や、
その周りを動く小柄な27蒲生幹経由、あるいは中盤から直接右MFの⑨林雄紀にボールが渡り、チャンスを作る。東京VJYのほうにも、もちろんカバーリングの約束事はあったのだが、前半はそれが機能していなかったようだ。

 札幌U-15の2点目は、その⑨林の右からのクロスから生まれた。敵に当たったボールが山なりの弾道になって、ファーサイドへ。そこへ敵GKより速く、27蒲生が走り込んで押し込んだ。

 後半、東京VJYは布陣変更。【4-2-3-1】から、右SBで先発していた④楠美圭史をアンカーに入れた【4-3-3】へ。すると、④楠美がディフェンスでも、展開でもボールによく絡むようになり、前半よりもさらにボール支配を高めることに成功する。しかし、「縦に(ボールを)入れられなかった」と西ヶ谷隆之監督が悔やんだように、前にボールが進まず、決定機がなかなか作れない。

 頼みの⑩安在にもボールが収まらなくなった。西ヶ谷監督によれば、これまでチームをけん引してきた⑩安在のこの日の出来は、決していいものではなかったという。交代も考えたそうだが、将来へ向けての成長を考え、心中して使い続けた。勝負と選手を育てる部分のバランスを取る難しさが、垣間見えたところだった。

 10分経つと、今度は⑩安在を左SB、⑤前田を左MFにした中盤ダイヤモンドの【4-4-2】へ。これで⑩安在、⑤前田による左からの展開が目立つようになった。

 こうしてさらに攻勢を強める東京VJYに対し、札幌U-15は受け身に回り、苦しい時間帯が続いた。東京VJYも早く欲しい1点が奪えずに、次第に両チーム運動量が少なくなっていく。その中、札幌に3点目が生まれた。

 DFライン裏の、左前に長いボールが入り、⑪下田が抜け出して追う。しかし、東京VJYGKの21三浦和真がカバーリングに入り、先にクリアした。ところがこれが⑪下田にぶつかり、ボールは内側で併走していたフリーの27蒲生へ渡る。蒲生が無人のゴールへシュートを流し込んだのだった。

 東京VJYがようやく1点を入れたのは、後半31分になってからだ。左手前から⑩安在がゴール前へクロス。これがファーサイドへ抜け、走り込んだ⑨高木大輔が蹴り込んだ。この後34分にもビッグチャンスがあり、右からのクロスをゴール正面で⑤前田がフリーで合わせたのだが、ゴール上に外してしまった。

「内容はヴェルディのもの」(札幌U-15・名塚善寛監督)。「(早く)1つ決めていれば、2~3点取れていた」(西ヶ谷監督)というゲームだったが、勝敗を分けたのは、前線の落ち着きだったと思う。札幌の選手たちは、速さを持ち味としながらも、個々がプレースピードをコントロールできてボールさばきも乱れがなく、プレーの判断のよさが光っていた。一方の東京VJYは、敵DFラインの裏へいいボールが入っても、⑨高木が再三オフサイドを取られるなど、もったいないシーンが多かった。

 それでも、お互いに持ち味が出たし、積極的にゴールを奪いにいく姿勢から、ゴール前のシーンがたくさん見られ、観る者が楽しめた好ゲームだった。よく戦った選手たちの今後の成長を、素直に期待したい気分だ。

札幌U-15・名塚善寛監督
たまたま点が取れただけです。攻撃は、本当は後ろからビルドアップしたかったが、ヴェルディのプレッシャーにそれができなかった。この年代は結果も大事ですけど、もっと内容をつきつめないと。プレースピード、判断のスピードを上げないといけない。

東京VJY・西ヶ谷隆之監督
東京でのゲームですし、ホームなので、なるべくアグレッシブにいこうといいました。攻撃的に80分間できたのは、評価できます。こう攻めたら、カウンターを食らうのはわかっていましたが、ウチもチャンスを作れていたし、1つ決めていれば2~3点取れていたと思う。

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